かやのうち
昨日、息子が幼稚園でお友達を噛んでしまった。 ゲームで負けてしまって、悔しさが抑えきれなかったらしい。 向こうのお母さんに謝罪をしたら、「お互い様なので気にしなくていいですよ」と言ってくれた。 でも、実際は謝罪をするのはいつも私のほう。息子はたびたび、お友達に怪我をさせてしまう。お友達にも、その親御さんにも、先生たちにも、いつも申し訳ない気持ちになる。 同時に、説明が難しいのだけど、息子自身に対しても申し訳ない気持ちにもなる。 お友達を怪我させてしまったときは、私は決まっ
先週末、家族で井の頭公園へ行った。車で行った。 私は車に乗るとき、助手席でいつもやることがない。 本を読もうと思ったこともあるのだけど、どうしても車酔いしてしまう。 そのため、結局はダラダラとTwitter(もうXって呼ばないといけないかな…)をスクロールしてしまうことが多い。なぜかスマホは見ていて酔わない。 でも、この日は珍しく、もう少し生産的な時間の使い方をしようと思った。 たまたまその時に車とBluetooth接続していた私のプレイリストから宇多田ヒカルのElectr
「自閉症スペクトラム障害です」 今年の7月、発達検査を受けた4歳の息子について医師から言い渡された診断名。 乳児期から、ことあるごとに、なんともいえない育てづらさは感じていた。 集団で遊ぶとき、同じ月齢のお友達に見向きもせず、一人はるか遠くへ走ってゆくわが子を毎回追いかけながら、うっすらと違和感を覚えた。 保育園から、息子のできなかったことや周りと違うことを毎日のように言われ続けて、私自身がノイローゼになり、仕事を辞め、息子を幼稚園へ転園させた。 だから、もうなんとなく
「ピーター・パン」と聞くと、みなさんはなにを思い描くだろうか? 夜のロンドン上空を飛ぶ子供たち、ネバーランドでの冒険、海賊、インディアン、ビッグベン…。ディズニー映画の印象が強い方も多いのではないかと思う。 しかし、実はその物語の前にもうひとつ、本当の意味でのピーターの始まりの物語が存在していることをご存知だろうか。そしてその物語の舞台が、はるか遠いネバーランドではなく、ロンドンに実在している。大きなハイド・パークに隣接している「ケンジントン公園」である。 このもう一つの
先週の雨降る金曜日、大磯うつわの日という大磯で行われている器市に友人と行ってきた。 この友人は中高時代の友人にあたるのだけれど、実は中高の六年間、彼女とは一度も口をきいたことがない。同じクラスになったこともなくて、共通の友人は何人かいたものの、どんな子なのかは全く知らなかった。 仲良くなったきっかけは数年前、私がInstagramで投稿したストーリー。 当時「進撃の巨人」にハマっていた私が、それにちなんだ台詞をつぶやいたところ、たまたま繋がっていた彼女が食いついてきてくれた
昨日、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』を読み終わった。 でもこの本、実は今年の七月に読み始めたものだった…! だから実質、読み終わるのに三か月もかかってしまった。 この本は大して分厚くない。小さな鞄にもすっぽり入る、コンパクトで持ち運びやすいサイズの、ちょうどいい長さの本だ。それなのに、なぜ私はダラダラと三か月もかけてしまったのか。 ちなみに話の内容が面白くなかったわけでは全くない。 内容は面白かった。ヘッセの自伝のような役割を果たしている小説で、繊細な少年の心の成長がまざ
noteをちゃんと活用するぞ、と思い立って、プロフィールをこの間設定した。そこからひとまず週1回でいいから更新していくぞ!と意気込んでいたのに、全然書けない…。 「あれを書こうかな?」「これを書こうかな?」とぽつぽつとアイディアは浮かぶ。でも、書き始めてみると、「このあと、どうやって話を広げられるだろう?」「どうやってこの話終わらせればいいんだ?」と悩みだしてしまって、結局「先に翻訳のお仕事やろう」と閉じるボタンを押しちゃったり、手が止まったまま子供のお迎えの時間が来ちゃっ
訪問いただきありがとうございます。 「かやのうち」こと、フリーランス翻訳家の丸山華弥(まるやま かや)と申します。今までのnoteでは、気が向いたときに自分の想いをぽつりぽつりと書き綴っておりましたが、フリーランスとなった今、改めて自己紹介をさせて頂こうと思います。 <略歴>幼少期:海外で育つ アメリカ(テキサス州、ニュージャージー州)およびオランダ(ロッテルダム)にて幼少期の10年を過ごす。中学で日本に帰国し、中高一貫の女子校に入学。日本と海外の文化の違いに大きく戸惑う。
昨年の12月から、ひょんなきっかけでずっと夢だった翻訳家を名乗れることになった。 何年も前からずっと英米児童文学に関連した翻訳家になりたいと思っていて、スクールまで通っていたのだが、きっかけをなかなか見つけられずに出産などを経てライフステージが変わり、「もう夢で終わっちゃうのかなあ」と思っていた矢先の出来事だった。内容も英米児童文学をベースとしたものや、様々な素晴らしい映画に関連したもので、人生とは本当に何が起こるか分からないものだと改めて実感している。本当に運が良かったし
先日、NHKの朝の情報番組「あさイチ」に歌手のあいみょんが出演していた。 朝の連続テレビ小説「らんまん」の主題歌である「愛の花」についてインタビューを受けていて、私はそれを流し見しながら息子の幼稚園の仕度をしていた。 インタビュアーから「あいみょんさんの考える「愛の花」を描いてみてください」という、無茶振りが入った。「ハートがいっぱいついてる花でも描くのかな?」と適当に考えながら仕度を進める私。しかし、あいみょんの描いた花は私の安直すぎる予想を遥かに超えていた。 彼女はさら
ロシアがウクライナへの侵攻を開始したとの衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、二月頃のこと。 このニュースを聞いたとき、11歳の頃のある記憶がフラッシュバックした。平日の夕暮れ時、スーパーからの帰り道。かかってきた電話に出た母が間もなく膝から崩れ落ち、手に持っていた袋から林檎が一つ、ころころと転がり出る風景だ。その日は2001年9月11日。電話はアメリカ同時多発テロを知らせるものだった。父はその頃、ニューヨークに出張中だったのだ。 幸い父は無事だった。 しかし、人々が燃え
昨年の十一月、住み慣れた関東から地方へ引っ越した。 きっかけは主人の転職。東京採用として入社したにもかかわらず、蓋を開けてみると、出張と称して本社のある地方で月の半分以上を過ごすという状況がずっと続いていた。そのため、私は子供と二人きりの時間が長かった。 まだ幼いわが子を実質一人で面倒見ながら育休から復帰することを考えた時の心細さがひどく、主人と話し合いを重ねた結果、本社のある地方へ引っ越すことになった。 引っ越し自体については正直、ほとんど抵抗がなくむしろわくわくしてい
県外に引っ越すことが決まったので、最近断捨離に勤しんでいる。今日は今後着ないであろう服や鞄の一部を買い取り店に持っていくことにした(あまり高いブランドでない服は基本、寄付に出す)。断捨離する服選びをするとき、基本的には「ときめかなくなったか」を一番の判断材料にするのだが、今回はそれに加えてもう一つ、判断材料を加えた:服自体は可愛くても、着るときに体がどこか無理をしていないかだ。分かりやすい例だと、サイズアウトした服。頑張ればチャックは閉まるけど、体に合っていない服は体のどこか
すごく久しぶりの投稿、緊張! こんにちは、かやのうちです。 私、まさに今、人生の過渡期にいると思っているんだ。 ここ数年、自分の人生の変化が目まぐるしすぎて色々と試行錯誤しながらここまで来た感じがする。決意表明みたいな感じで、この文章を書いてみたよ。 ちょっとした自己紹介も含めて、少しここ数年の話をするね(ちょっと長いかも)。 ◆妊娠~出産 まず一昨年の五月に、初めての妊娠が発覚しました。 ちょうど新しい部署(というか入社一年目に配属されていた部署に私の希望で戻ったんだけど
先日、突然伯父から葉書が届いた。 伯父は、某有名大学の名誉教授で、私には到底理解できないような生物学などについて詳しい人なのだが、なぜか私たちはとても波長が合って、正月に父方の祖父母の家に家族が集合した際は伯父と話しをするのが密かな楽しみだった。 私が伯父と話すのが好きだった理由は、他人に笑われるような私の好きなものについて、伯父はいつも彼ならではの視点で真剣に議論してくれたからだ。そんな伯父から言われた言葉で、特に記憶に残っているものがある。私が大学時代、妖精について研究し
息子はお花が好きみたいで、花瓶の近くに連れて行ったら満面の笑みで手を伸ばした。「優しくね」と言ったら、私の言葉が分かるみたいに、本当にそうっと、花を撫でてあげた。優しくなでてもらって、お花もきっと嬉しかったね