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No.4 嘘
当時ハマっていた物は他にもあった。
自分でファンタジー(物語)を
作ることだった。
その頃イルカがとっても好きだった。
そのイルカをモチーフにして
よくファンタジーを作っていた。
その内容はざっとこんな感じだ。
私のおじいちゃんの家は
国が羨むくらいの金銀財宝を持っていた。
しかも王宮のように大きいお庭があり
ハリーポッターのような広い食卓があり
部屋は20個近くあり、
財宝を保管する地下室もある。
おじいちゃんの財宝の一部は
ルビー、サファイア、ダイアモンド、
それらをふんだんに使ったアクセサリーが
何百種類とあり、
高そうなバッグやシューズ、洋服はもちろん
骨董品なども複数あった。
それにおもちゃやゲームなど
子供が好きそうな物までもたくさんあった。
しかし地上にはその家は存在しない。
その家があるのは海の奥深く。
移動手段はイルカに乗っていくしかなかった。
.
かやまは休日には必ず
お母さんとそこへ遊びにいくことになっている。
遊びに行くと必ず、かっこいいお兄ちゃんたちが
一緒にゲームをしたり鬼ごっこをしたり
満足に遊んでくれたのだ。
よくもまあ、5歳にしてこんな壮大な物語を
思いついたわけだ(笑)
海の中に家?!しかも王宮。
おじいちゃんの家のスケールが大きすぎて
実際に存在するなら
ほんとに腰が抜けそうなくらいだ(笑)
そんな架空の休日を
紙の上や頭の中で留めておけば良いものを
かやまは同級生の前で堂々と話した。
しかもタチが悪いことに、
あたかもこれは事実なんだぞ!
おじいちゃんの家はすごいんだぞ!
と言わんばかりに
自慢し鼻高々にホラを吹いていた(笑)
それにタイトルもちゃんとあった。
【いるか塔】
ロマンスが溢れていそうな
タイトルである(笑)