No.17 友達以上恋人未満

おかしな事を言われたり
中学とのギャップが激しくて
戸惑いを隠せなかった入学式から
数日経った頃にハッと気づいた。

イケメンがいない！！と。

顔面がかっこいいと思う人は
学年中を探し回ってやっと2人。

それに2人とも野球部だった。

1人は２つ隣のクラスの男子で、
もう1人はかやまと同じクラスで
唯一入学式の日に制服を着崩して遅刻してきた
男子だった。

着崩してといっても、ただ
ブレザーのボタンを一つも止めていなかっただけ。

それだけで着崩しと言われるのだから
この学校は相当規則が細かい。
と言うよりも、私の中学が緩すぎていた
だけなのかも知れない。
いや、恐らくそうだと思う。

男子対女子の割合が7対3で
男子の人数の方が圧倒的に多いはずなのに、
イケメンが全くと言っていいほどいないことに
またまた驚きを隠せなかったが、

貴重なイケメン(私のタイプ顔面)が
1人でも自分のクラスにいる事に
何故か少しだけ誇りを感じていた。

私は大の面食いなので、クラスの彼と
どうにか仲良くなりたかった。

何かのきっかけでその彼と仲良くなり、
クラスの男子の中で一番仲の良い友達になった。

LINEは毎日するし、電話も1時間以上を
3日に一回、多い時は毎日していて
愚痴も恋愛も友達関係、部活での悩みなど
なんでも相談し合えるくらい仲が良かった。

付き合ってるんじゃないかと
クラスで噂されることもあったが、
お互い別に好きな人がいて
その人に2人とも必死だったので
そんな噂など微塵も相手にしなかった。

夏過ぎには彼の恋が叶い、
冬頃にはかやまの恋が叶った。

2人とも大喜びしたのは束の間、
次第にお互い恋人と上手くいかなくなった。

私は彼から別れを告げられ
悲しみに暮れた。
それと同時期に部活でも悩ましい日々を
送っていたので余計に沈んでいた。

そして彼も上手くいかない恋に
終止符を打つかどうか
涙を流して悩んでいたのだった。