不動産の共有についての相談
以前このnoteで、「不動産を相続しても、相続人で共有するのはお勧めしない」ということを書きました。
今回は、それに関するとある相談について書いていきます。
あるお客様から兄弟姉妹が共有する不動産についての相談を受けました。
相談のお客様自身も共有している中の一人です。
相談のお客様以外の兄弟姉妹の一人が体調を崩し、治療や入院の為のお金が必要になったようです。
何とか他の兄弟姉妹で費用の手助けをしたいと考えましたが、それぞれの経済事情から全員で力を合わせても厳しいということになったようです。
そんな中で、相談のお客様は「兄弟姉妹が共有している不動産を売却して、そのお金を治療や入院の費用に充ててはどうか」という提案をしたとのことです。
その不動産は誰も利用していないので、売却しても誰かが困るということはありません。
しかし、兄弟姉妹の一部が反対しました。
そのような状況の中で、「反対する兄弟姉妹の意向を無視して不動産を売却する方法はないか?」という相談でした。
お客様としては「困っている兄弟姉妹を助ける為なのだから、それを理由に反対する兄弟姉妹の意向は関係ないのでは」と考えたとのことです。
残念ながら、一部の例外を除いて不動産の共有者の意向を無視してその共有者の持分を含めて売却することは原則としてできないことを伝えました。
不動産を兄弟姉妹で共有することになった経緯をお聞きすると、親からの相続とのことでした。
不動産を共有にすると、このような時に思い通りにいかないことがあるというデメリットがあります。
様々な事情により不動産を共有にする場合は、このようなことが将来あり得るということを十分理解した上で行って下さい。
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