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マネジメント漂流記 ~最初の3ヵ月振り返り / 継続検討編~
2022年10月よりマネジメントへの一歩へ踏み出して以降、その日の学びや感じたことをTwitterに書き溜めてきた。まだ駆け出しながら、まず3ヵ月を終えたことを受け自身のツイートを振り返りながら学びを整理したいと思う。
~本記事に関する補足説明🔖~
『これまでの3ヵ月振り返り』については、"問い&回答編"と"継続検討編"の2部構成に分けて記載する。
”問い&回答編”では、この3ヵ月を振り返っての【気付き】を「"問い"に対する回答」という形で記載する。一方で、"継続検討編"では、この3ヵ月の中で生じた【葛藤】や次の3ヵ月に向けての【宿題】を記載する。
なお、筆者が取りまとめるチームの概要は以下の通りである。
明日から初勤務&初マネジメントの職場は品質保証部門。その中の更に"量産品の不具合対応"を専門とする部隊。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 2, 2022
7名のメンバーで年間3000件ほどの対応を行うことが求められる。日割り換算して少しビビる気持ちはあるけど、"製品を使用する現場"にめちゃめちゃ近い点についてはとてもワクワクする。
この記事では3ヵ月で感じた『3つの葛藤』と『3つの宿題』を記載する。
1.3ヵ月で感じた『3つの葛藤💬』
この項目では、この3ヵ月で感じた『3つの葛藤』を以下の通り紹介する。
ー『3つの葛藤💬』ーーーーーーー
葛藤①.終始 "笑顔" も諸刃の剣
葛藤②.業務のリバランスが難しい
葛藤③.強みの活用と多様性の共存
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葛藤①.終始 "笑顔" も諸刃の剣
マネジメントを行う側が "笑顔" でいることは大切だと考える。仕事に追われピリッとした状況でも、誰かが "笑顔" であれば幾分か場を穏やかにすることが出来るし、それによって冷静な判断を手繰り寄せることが出来る。
それはいち社員だった頃の経験にも、しかめっ面をした上司よりも、笑顔をこちらに向けてくれる上司の方が仕事は圧倒的にやりやすかった。
"ある対応に関する方針"を決める打ち合わせで、チームメンバー同士の意見がぶつかる場面があった。これまでの3週間の中では一番の修羅場だったかもしれない。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 18, 2022
ただ、まとめ役の自分が終始笑顔でいることで、白熱するのを防げた様に感じる。何気ないけど "まとめ役が笑顔でいること" は大事っぽい。
ただ、この3ヵ月のマネジメントを通して、その "笑顔" も使いどころを誤るとネガティブな印象を与えてしまうということを知った。チームの状況と筆者(マネジメント側) が発する温度感がズレていたことで、メンバーより『この人は本当に状況が分かっているのか?』『状況への危機感がちゃんとあるか?』という疑いを持たれてしまう場面があった。
"笑顔" はもちろん大事ではあるが、『《無条件に正義》という訳ではなく、態度の表現方法の1つである』ということを学んだ。筆者は基本ポジティブ感の強い人間であるため、"笑顔"よりの態度にはなりやすいのだが、だからこそチームの状況を顧みる視点の中に「その場で自分が "笑顔" でいることが、誰かの不安に繋がらないか?」という観点を持ちたいと思う。
追い込まれる中でも笑顔とポジティブな振る舞いを続けていたら、あるメンバーに『状況への危機感がちゃんとあるか?』という観点の心配を受けた。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) December 20, 2022
もちろん危機感を持った中で意識的にそういう振る舞いをしていたのだが、「危機感があることも"言葉"にしないと別の懸念を生むのか」と勉強になった。
~葛藤のポイント~
筆者自身の生来の特性的なところもあり、気付いたからと言っていきなり出来るものでもなく、現在日々意識を向けながら自身を顧みている 🔧
葛藤②.業務のリバランスが難しい
チームへの着任後、3週間もするとチームメンバー内で業務に偏りがある状況に気が付いた。そこから「(チーム内の)業務量をリバランスする」ことを意識を向けてきたのだが、3ヵ月経った今も十分に出来ているとは言い難い状況である。
着任時点ですでに各メンバー間で仕事量に偏りがあった。マネジメントを務める身としては、リバランスする対応が求められる様に感じる。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 21, 2022
ただ、仕事量の偏りを生む要因の一端として "各メンバーが持つ情報(知識)量の偏り" があるのを感じる。情報を持つメンバーにいつの間にか仕事が吸着されていく、、
それぞれのメンバーが持つテーマを振り分け直したり、こちら側で一部預かることによって、一時的には業務量をリバランスできるのだが、すでに情報(知識)を持っているメンバーに仕事が吸着されていってしまう。
例えば吸着されるのは、《チーム外から担当者ベースのやりとりを元に降りて来るちょっとした仕事》だったり、《自分を飛び越えて更に上から直接降りて来る仕事》だったりである。
短期的に個々の業務単位で見ると、それが最適解であるのは理解するのだが、長期的に見ると『他のメンバーが情報(知識)や経験を獲得する機会を損ねている』であったり、『そのメンバー自身も実績がある業務に囚われたり、余裕を持った業務運びが出来なくなる』などの負の影響がある。
情報(知識)を持っているメンバーに仕事が吸着されていく。そして、更に情報(知識)を獲得し、更に仕事が吸着されていく。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 21, 2022
個の単位で見ると良いループの様にも見えるけど、マネジメントの観点で見ると "他メンバーが情報(知識)を獲得する機会を損ねている" という点で危機感を感じるループに見えた。
本を読んでいて『マタイ効果』という言葉に触れる。一言で紹介すると「"持っている"人は更に豊かになり、"持っていない"人は更に貧する」という話。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 22, 2022
初マネジメント3週目に感じた「情報(知識)を持つメンバーに仕事が吸着され、また情報(知識)を獲得していくループ」ってこれに近しい部分があるかも。
~葛藤のポイント~
"存在するスパイラルを切り崩すポイント"をまだ十分に見つけることが出来ておらず、現在も試行錯誤中である 🌀
葛藤③.強みの活用と多様性の共存
「(メンバーの) 強みを活かす」という視点を持つことは土台として大切だと認識しており、その視点は日々持ち続けている。ただし、短絡的に「強みを活かす」ことに囚われ過ぎると、中期的に役割の固着を生み、メンバーの多様性(別側面)を発揮する/引き出す機会を逸してしまう側面がある様に感じている。
初マネジメントに取り組みながら、最近思うのは『"強みを活かすこと" と "多様性を促すこと" って一部矛盾関係にあるかも』ということ。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) November 7, 2022
メンバーの強みを活かそうとする内に、徐々にメンバーの役割が固定化され、結果として中長期的にメンバーの多様性(別側面)が発揮しにくくなるかも。新たな問い。
また、職場が有する通説的な《仕事が出来る》という基準により、現実的には個々の強みについても優劣の様なものがある。
あくまで一例だが、技術系の職能においては「コミュニケーション」に強みを持つメンバーよりも「分析力」に強みを持つメンバーの方が、全体的に優位に立ちやすい傾向にある。ここで触れているのは、そういう観点である。
それ故に、職能上優位性の高い強みを有するメンバーの立ち回りが、(意図せず) 他のメンバーに圧力/負荷をかけてしまうことがある。
これまでのマネジメントを通し、
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) December 27, 2022
ーーー
《DEI》は既存の評価軸で"仕事が出来る"人たちが、周りを"理解する姿勢"を持ち、その上で"寛容な態度"を携えるところから始まる。
ーーー
という仮説を持つに至った。
ただ、個々の"姿勢/態度"を尊重することも《DEI》であり、この仮説は自己矛盾する。
~葛藤のポイント~
メンバー同士がお互いを尊重し合えれば良いのだが、多くの仕事に相対する中で配慮が行き届かない場面に度々遭遇する。状況の好転に向けては自分にもまだいくつかの視点が足りていない様に感じており検討中である 🧩
2.3ヵ月で感じた『3つの宿題📝』
この項目では、この3ヵ月で感じた『3つの宿題』を以下の通り紹介する。
ー『3つの宿題📝』ーーーーーーー
宿題①.メンバー同士の先入観の打破
宿題②.チーム内業務棚卸の習慣付け
宿題③.チームのKPIの再設定
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宿題①.メンバー同士の先入観の打破
”問い&回答編”にて、この3ヵ月を通じマネジメントの役割への気付きとして『メンバー同士が持つ先入観の打破』があることを挙げたが、この部分については1つ1つ取り組みを重ねているところである。
この観点については何か特効薬の様なものはなく、積み重ねが大切であると考えるので、永続的な『宿題』事項として対応・配慮を続けていきたい。
あるメンバーに対し、"これまでは担当していない仕事" を本人快諾の元でお願いした。その上で、他メンバーも "その仕事のアウトプット" に自然な形で触れられる様にした。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 25, 2022
結果として、他メンバーの持つ《あるメンバーへの印象》を少なからず変えることが出来た。メンバー間の関係性を1つ解せた。
宿題②.チーム内業務棚卸の習慣付け
これは「(品質保証部門の) 量産品の不具合対応」という職能の影響も大きいが、お客様からの【至急対応要望】に基づく突発業務による横やりが非常に多い。週に数件程度であれば吸収も出来るのだが、多い週では10件弱の横やりが入ることもある。
すでにチーム内で定期的に棚卸しを行う機会(ミーティングなど)は設けているが、目的を考えた時により良いアプローチがないか?という視点は継続して持ちながら、自分の継続宿題事項としていく。
1ヶ月間のマネジメントを通じ、チームの中に ①突発業務による横槍が多いため ②進捗管理が狂いやすい ③だから進捗の明言を避け ④結果として横の連携機会を逸する という負のループの存在を感じた。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 31, 2022
これに対し、『定期的にメンバーの仕事を棚卸し/再配分する機会を設けたらどうか?』と模索中。
宿題③.チームのKPIの再定義
チームのマネジメントを引き継いだ時点で、そのチームにはもちろん既存のKPIがあった。この3ヵ月は既存のKPIに留意しながらマネジメントを行ってきたが、マネジメント側の立場として "より自分事" としてKPIに触れる中で『(KPIは) メンバーにどの様な行動を促したいのか?』という観点を持って決めるべきであるという気付きを得た。
KPIを決める際の着眼点に関して、この1ヶ月ほどの初マネジメントを通じて感じたのは『メンバーにどの様な行動を促したいのか?』という点をしっかり押さえるべきということ。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) November 15, 2022
今はまだ着任時点でのKPIをそのまま残しているが、"KPIが生み出す雰囲気"を客観的に見れる今だからこその気付き。
事業計画に紐づいた立派なKPIも、メンバーに自発的な行動を促すだけの『リアリティ』を損なっているものだとしたら、それはきっと絵に描いた餅になってしまう。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) November 15, 2022
メンバーが日々行う"行為の選択"に対して何かしらの影響を与えることが出来てこそ、意味のあるKPIなのではないかと今は感じている。
その気付きを元に、次の1年(4月~)に向けた新たなKPIを定義することが一つの大きな宿題事項である。1月からの新たな3ヵ月でプレの様な取り組みの交えながら練っていきたいと考える。
"可視化/数値化"は大事だけど、たぶん議論の深掘りに向けた入口を掴むものであって、今見えるものにだけ囚われると、より大事なものを見失う様に感じる。
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) December 1, 2022
"可視化/数値化"されたものは活用しながら、『その裏にある"見えないもの/数えられないもの"を如何に捉えるか?』を合わせて考えていきたい。
3.『葛藤』と『宿題』を振り返って
恥ずかしながら、いち社員の頃には "深く考えず" に上司に不満を持つこともあった。ただ、いざ自分がマネジメントする立場となってみると、日々多くの衝突や矛盾と向き合いながら、難しい立ち回り求められる仕事であることと痛感している。
一見簡単に対応出来そうなことでも、どこかに衝突や矛盾を抱えているからこそ、細部までの紐解きと小さい改善活動が大切である。
チームメンバーと自身の上司とも) コミュニケーションを重ねながら、丁寧に毎日を積み上げていきたい。
ここまでお読み頂きましてありがとうございました!💐
この記事は「自分のために行った振り返り」を公開している形ですが、一読頂いた方にとって、何かお役に立つ部分があったなら甚幸です!
『これまでの3ヵ月振り返り』については、本記事"継続検討編"の他に、"問い&回答編"もありますので、もし良ければ覗いてみてください🙇
「知恵はかい出さんとあかん、井戸から水を汲み上げる様に」を大事にしながら、日々のマネジメントに対する振り返りをツイートしています👇
(余談的な気付き「+ジェスチャー」)
自分は大学時代の頃、演劇的なサークルに所属していたのだが、それ故に自身の感情をジェスチャーを交えながら表現することに抵抗がない。日々、自身の感情を伝える際には、表情だけでなくちょっと身振り手振りも交えたりするのだが、コミュニケーションの円滑化に寄与していることを体感していることを余談的に紹介しておく。
今日は他予定とバッティングした打合せの代打をメンバーにお願いした。少し急で申し訳なかったけど「めっちゃ」助かったので、その「めっちゃ」感を言葉や語気や笑顔やジェスチャーで表現した!
— 萱場貴士 | マネジメント漂流記 (@kybtks) October 28, 2022
それに対するメンバーの笑顔が、何だか今も目に焼き付いてる。"無邪気感"って実は大事なのかもしれない。