30分間で書いた掌編/'23.2.27
布団の中で感じるシンとした空気。カーテンでは隠しきれない柔らかな陽の光。遠くから聞こえてくる電車の通る音。地元を離れてから、何度このひとときを味わったことだろう。
就職の為、首都圏に引っ越してきた私は、この雰囲気に最初は慣れなかった。地元に比べて空気は鋭いし、電車の音はうっとおしいし、一人暮らしは初めてだから寂しいし、何度も地元が恋しくなった。でも、住めば都という言葉があるように、忙しい日々を過ごしているうちになんとも感じなくなったんだけど、今は違う。
「もうすぐここ