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海外移住 | これが人種差別ってやつ?

こんにちは、オーストリアの秋のキリッとした気持ちの良い空気が大好きなKayです。昨年移住してきた頃の気候に近くなると、なんだかちょっとエモーショナルになってしまいます。

さて、オーストリアに来て初めて、人種差別的な発言をされたことを残しておきたいと思います。

とは言え、「国へ帰れ」的な明らかなものではなく、なんだか不思議な人種差別発言でした。

いつものように朝、通勤のためバス停で待っていると、中年男性にドイツ語で話しかけられました。なにかバスに関する質問のようでしたが、全くわからず、「ごめん、ドイツ語分からないの」と英語で言うと、少し怪訝な顔をされ、なにか言ったあと、去っていきました。

本題とは逸れますが、道とか聞いてくるの、ローカルの可能性が低い私を選ばないでほしい…ヨーロッパでよくあるんですが、これってヨーロッパ人は見た目で判断してないってことなのかな、とも思いますが。(後日追記:オーストリア人の同僚によると、誰に聞くかは人種じゃなくて動きで判断しているらしいです。携帯見ながらキョロキョロして不安そうにしてるとか、そういう雰囲気じゃない、"I know what I am doing"感を醸し出している人に道聞くらしいです。)

中年男性が何を言ったかは分かりませんが、別に怒鳴られたりしたわけでもないし、ドイツ語わかんなくてごめんね〜っていう程度の気持ちでした。

その横に立って様子を見ていた同じくバスを待っている20〜30代くらいの女性。見た目はいわゆる白人です。

「オーストリア人はドイツ語話さない人嫌がるよね。」

と、英語で話しかけてきました。

「そうだよね~でもしょうがないね。彼なんて言ってたの?」

と私が返すと、

「バスの番号や行き先を聞いてたのよ」と。

そして、

「オーストリアでアジア人として生活するのは楽しいでしょうね。(It must be fun to live in Austria as Asians.)」

と、皮肉めいた言い方で言ってきました。

ん?なんだそれ?

どういう意味?と聞き返すと、

「ここは人種差別ばかりでしょう」

と。

ええっ、今までオーストリアで明らかな人種差別的な発言や対応されたことないんですけど!

「え、そう?まだ嫌な思いしたことなんてないよ」

と返すと

「ふっ、まだ、ね。」

と。

危うく「あなたの今の発言が、オーストリア生活で一番人種差別の発言だったよ」と言いそうでした。今までアジア人呼ばわりされたことなんてなかったのに。

もしかしたら中年男性がドイツ語で変なこと言ってたのかもしれませんが、理解出来てないのだから結構ノーカン。

そんな中、おそらく同情や共感するつもりで発言した言葉が一番不快だったという…

そのあとも、もうこの際だと思って、バスを待っている間、色々聞いてみました。

「あなたはドイツ語話せていいね。この街出身なの?」

すると

「まあね」

と言ったあと、ちょっと顔を曇らせ

「実は私も移民。小さい子どもの頃に来たの。」

あーやっぱり。スラブ系の顔をしていたのでおそらく旧ユーゴスラビア諸国や東ヨーロッパの出身だと推測しました。

13歳のときと言っていたので、おそらく移住するにはしんどいタイミング。ドイツ語わからず来たと言っていたし、思春期真っ只中。嫌な思いを何度も彼女はしてきたのかもしれません。

移民の先輩が、あとから来た移民を差別するというのはよくある話。

でもなんだかなあ。モヤモヤモヤモヤしながら出勤し、こんな事言われた、と同僚にシェアすると

「それは不快だわ!」

とみんな同意してくれたので、なんだかホッとして、少し消化することができました。

仕事のあと、同じバス停に降り立って、このことを思い出しながらひとり家に向かっていると、

すれ違った白髪のきれいなおばちゃまに微笑みかけられました。

窓から小さい子どもとそのママがニコニコしながら、ハローー!と手を振ってきました。

小学校の用務員さんもたまたまいて、笑顔で挨拶しました。

なんだ、この徒歩数分の間で、街は愛で溢れているではないか。

私たちが住んでる地域は移民が少なく、地元オーストリア人が多数。観光客や移民で溢れているウィーンとは雰囲気が異なります。

完全にマイノリティの立場の私たちですが、近所の小学生の女の子は、私の2歳の娘を見つけると、心から嬉しそうに遊んでくれます。

私の小学生の息子は、友達をどんどん増やして、すでに放課後や週末、友人宅に呼ばれています。

本当に「まだ」なんにも言われてないだけで(理解してないだけで)、今後きっと嫌な思いをすることはあるのだと思います。

でも、不快な事をしてくるのはごく一部で、ちゃんと温かく歓迎されていることを、そういうときこそ思い出したいと思う一件でした。

そして、共感や同情を示すつもりが逆噴射することもあるということを改めて認識させられました。例えば、私が持っていない少数派の側面(宗教、性的指向、身体的な特徴など)に関しての発言は、本当に気をつけたいです。

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