![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170647422/rectangle_large_type_2_211d2b4b168e1acd5ddce85fcf209340.jpeg?width=1200)
海外移住生活 | トイレ掃除当番、ポケモン、おりがみ
こんにちは、オーストリアの研究機関で勤務するために一家で移住してきたKayと申します。
先日、有給をとって、ローカルの小学校に通う息子のクラスで、日本紹介の授業を1時間半持たせてもらいました。
これは去年の担任の先生との二者面談で私が提案し、先生も前のめりで「ぜひぜひぜひお願い!いつやる!?」と、開催が決まったもの。
息子が通う現地校は、学校全体を見ても、日本人はおろか白人系以外がほとんどいない、ほぼオーストリア人が占める小学校で、こういうマイノリティの立場だからこそできることはあるよなーと思ったのがきっかけです。
また、これも大きいんですが、息子にとって良い機会になるかな、という私の勝手な老婆心でもありました。
「日本かっこいい!」と思ってもらえれば、日本語が話せる息子に対する憧れみたいなものが芽ばえて、息子にとって楽しい学校生活になるかなとも思ったのです。それによって息子も日本出身であることを誇り思ってくれるかもしれないとも。
小学校1年生の興味や理解レベルに基づく内容となると、かなり噛み砕いて、身近なものにしないといけないなあ、と思い、アニメ、食べ物、スポーツ、小学校生活…などに絞ってクイズ形式で話しました。
また、自分の名前を日本語で書く練習や、折り紙をやったり、手を動かす作業もいれたり。
結果、全てにおいて、びっくりするほど反応が良かったです。
授業が始まった瞬間、手を挙げて質問をするこどもたち。「日本にはレゴランドある!?」とか可愛らしいやつです。中には「どうしてオーストリアに来たの?」といういい質問もありました。
小学校生活では給食や、掃除の話をしたところ、やはり「うげえ!トイレ掃除やだあ!」との子どもの反応あったり。先生もトイレや体育館までやるとは知らなかったようです。
あとこれは、先代の日本人たち頑張ってくれてありがとう!と本当に思うのですが、日本はこんなにオーストリアから遠いのに、日本から来たさまざまなものが、しっかり生活に浸透していることを再認識する機会にもなりました。こどもたちのレベルでいうと、ポケモン、ソニック、スーパーマリオ、ハローキティは全員が知っているし、柔道や空手も習っているこどもたちがいたり。
折り紙に関しては以前、ハンガリー人の同僚に「折り紙って日本でも人気なんだね〜」と言
われ、「はっっっ!?」となるエピソードも。あまりにも浸透しすぎて日本から来たものだって知らなかったらしいのです。
息子の反応も上々で、日本語を教える場面では、自慢げに、あいうえお50音を急に読み上げたり(私はなんにも指示してない)、クイズでもめちゃくちゃ張り切っていたし(みんながわからないものだけを答えてもらいました)、やはり学校に親が来るというのは嬉しかったようです。
元々、クラスでは友達と仲良くしているようだし、学童では上級生たちからも「クールな友達」というステータスをしっかり築いているので、私のおせっかいな老婆心は不要でしたが、息子の存在や、今回授業を通して一人でも日本に興味を持って、将来旅行でも仕事でも学問でも、日本に関わることになるこどもがいたら、それって一人の人生や価値観を変えていることになるので、すごいことだよなあ、って思うのです。
あと、今回のことを通して感じたのは、日本人として堂々としてていいよ、というメッセージを息子にも自分自身にも伝えられた(はず?)ということでした。
移民は、現地に馴染もうと、地元民よりも現地のアイデンティティを強めようとすることが多々あります。
見た目や母国語が異なっていても、現地に受け入れてもらえてると感じられれば、必死に無理に馴染まなくてもいい。気の合う仲間は、自然と増え、共に過ごすことになるし、逆に一切関わらない家族だってたくさんいる。
どんどんドイツ語がうまくなって、友人と共有する思い出がどんどん増えていく息子。今は問題なくても、いずれふとした瞬間にアイデンティティに疑問を持つことになると思います。
そんなときに、「ま、どこ出身でも、どんな見た目でもいっか。」と、ある意味テキトーに自分の中で納得できれば、色々乗り越えられるのではないかと思います。
また、保護者のワッツアップグループにも授業の様子の写真などを送って、親たちにとても感謝されたことは私にとってもコミュニティに受け入れられていることを実感できる大きなプラスにとなりました。
今回、同級生と一緒に日本のことを学んだ息子。家に帰ってから、そのうち日本遊びに行こうね〜という会話の中で、帰国中に「授業で紹介したような日本の小学校にも体験入学できるよー!どうよ?」と聞いてみたところ、「え!嫌だ!」と。
まあ夏休み中に、こっちの友達が遊んでいるときにさらに勉強は嫌だよなあ、と思ったら「だって掃除するんでしょ、やりたくない!」と。
爆笑してしまいました。ポイントはそこかい!と。
私は小学生のとき、掃除の時間って割と好きだったので、それを当たり前とさせた日本の教育よ。もう息子にとっては、小学校入学数ヶ月で、掃除は清掃員さんがするものになってしまったようです…