オーストリアの看護師さんのタトゥから学んだこと | Sh*t happens
こんにちは、オーストリア移住後してもうそろそろ1年が経とうとしているKayです。
最近、どうも体調が思わしくなく、食事前後の吐き気から始まり、1ヶ月で3回もぶり返す結膜炎、さらにはめまいが続き、かかりつけ医に行きました。
クリニックに着く頃には、軽い過呼吸のような息苦しさの症状もでるなど、でも血液検査や心電図など至って健康だし、でももしかしたら大きい病気かもしれない!と、心配した担当医が、なんと救急車を呼んで総合病院に運ばれることに…
オーストリアで救急搬送かあ…とめちゃくちゃ体調悪いながらも、ちょっとこの状況笑えるなと思ったり、救急隊員の兄ちゃんたちが若くて、成人してる?くらい初々しいなあ、と思う完全なおばちゃん目線になっていたのでした。
到着後、ぐったりとベッドで寝転んでいるときに来た、多分同世代、40歳前後の看護師さん(男性)。
ガタイの良い、タトゥがバッキバキに入ったオーストリア人のその看護師さんは、問診をしつつテキパキと採血や点滴準備を行いながら、「僕、アーノルド・シュワルツェネッガーみたいな英語話すでしょ?」とわざと訛って言って笑わせたり、他の看護師さんと2人で対応しているときに、その看護師さんに向かって「ハイっ!ハイ!」と日本語で返事して、そのベテラン風看護師を失笑させてたり、なんだか陽気な人が担当となりました。
点滴を打ってから、なんとなく症状が落ち着いてきて、ふとタトゥを見てみると、
Shit happens
の文字が。
つまり「(人生で)クソみたいなことは起こる」の意味。
生死を目の当たりのしてる看護師のタトゥなのかなあなんて思い、確かに、こんな軽症で救急車で運ばれて、全然こんなのshitに入んないよなあ、と思って聞いてみました。
そのタトゥどういう意味か聞いて良い?
すると、
あはは、このshit happensの横に二重線で消してる名前あるでしょ、これ元妻!
なんと、おそらく結婚した頃に入れた妻の名前のタトゥ。離婚し、タトゥを消すのではなく、二重線で消した上に、「クソみたいなことは起こる」と追加でタトゥを入れるという荒業!
ついつい笑ってしまいました。
普段、生死と関わってる看護師の業務と全然関係なかったことも笑えました。(患者に向けての慰めだったとしても嫌だけど。)
ちなみに、オーストリア(ヨーロッパ全体?)はタトゥが一般的なので、職業関係なく入れたい人は入れてます。
こども達が通う小学校や保育園の先生も、バキバキに入ってます。私含め、誰も気にしてません。
いずれにしても…
Shit happens、か。
おそらく私の体調不良の原因は疲労でした。
本当になにも他に原因が見当たらなかったのです。
クソみたいなこと、起こるよな。
悔しい思いや恥ずかしい思い、怒りや不快な感情に翻弄されることもたくさんある。
タトゥ(=嫌な思い出)を消すにしても痛みは伴うし、完全にも消えないだろうし、あった事実は残る。
だったら、あえて二重線で残るようにして、「こんなことあったよ、まじでクソだった!」と笑い話にできる勇気や強さを持ちたいな、と思ったのでした。
そして、それが他の人の勇気に繋がることもあるかもしれないな、と。
(ちなみに救急車もすべての検査、処置は無料です。オーストリアの医療制度バンザイ。月々給与天引きの税金高いですが、こどもの医療も含め、むしろ元取ってるような気がするくらいです。ありがとう、福祉国家オーストリア。)