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土井啓史の自己紹介⑤-決断と下積み

■学ぶ人を決めることから始まる下積み時代

当時の妻の行動をきっかけに、僕は事業の道を歩む決断をしましたが、実際に決断をしたのは1年後でした。

元々起業には興味がないところから始まっているので、当時はあくまでも「手伝う」というスタンスだったのです。

しかし僕は、事業家として成功されている方々をまのあたりにし、経済的に豊かで、仲間に恵まれ、人間的に魅力的で、仕事を心から楽しんでいる姿に心を動かされてしまいました。人生の大半を労働に費やすことが決まっている中で、差し出す対価として、僕にとって魅力的に映ったのです。

「わるくない人生よりも、最高と言える人生にしよう。失敗したとしても、挑戦したことを買ってくれる人がいるだろう」

僕は当時の妻のご縁で出会った経営者に弟子入り志願をし、手弁当で仕事を手伝いながら、べた付きでビジネスを学ぶ道を選択しました。

ビジネスの世界には社長のカバン持ちというものがあり、落語の世界では、弟子は師の日常生活のお手伝いをしながらべた付きで落語を学ぶ。それと同じように、とにかく師と一秒でも一緒にいることを意図しました。

具体的にやることは、「頼まれごとを、期待以上の成果にする」ことです。「こいつは役にたつな」と思われたら勝ちです。

大規模イベントのプロデューサーを頼まれた時、僕はチームを編成し、数ヶ月かけて入念の準備を行い、イベントの成功を納めました。そこから、新規事業のスタートアップがあるごとに声がかかるようになりました。

「関わるプロジェクトは必ず成果にする」

このブランディングができたら、そばに置いてくれるのです。そばに置いてくれるようになれば、主要な会議に呼ばれ、頻繁にやりとりができます。会議では必ず隣に座り、定位置となるように意図をしました。距離は近ければ近かいほど良いのです。発言、声のトーン、表情、一挙手一投足からやる前提(考え方、価値観)、やり方、やる量を盗み取るのです。教えてもらうのではなく、学びとるのです。

学ぶの語源は真似るです。とにかく真似て真似て真似て、自分のものにしていくのです。

■成功は健全な代償の先払い

成功は健全な代償の先払いです。

僕は社会に出るまで何不自由のない家庭で育ちました。起業してからはっきりと自覚をしましたが、両親が僕に投資(健全な代償の先払い)をしてくれていたのです。時間とお金と愛情という人生のリソースを使ってきてくれて、社会に出て労働者として働ける状態を創ってくれたのです。

『金持ち父さん、貧乏父さんのキャッシュフロークワドラント(ロバート・キヨサキ著)』は働き方の違いが極めてわかりやすく書かれています。会社員で結果を創っていくことと、事業家として結果を創っていくことでは働き方の常識が異なります。つまり、事業家になるために投資をし直さなければならないということに僕は気づきます。

当時の僕は、平日は会社に勤めていたので、それ以外の時間はほぼ全て事業家になるために使いました。寝る以外の時間は全部です。住む場所を変え、食事も変え、着る服も変え、生活を切り詰めてお金を起業するための準備に費やしました。

時間もお金も有限です。何かを手に入れたければ、その前に、手放すものを決めなければなりません。

だから僕は、趣味のサーフィンを捨て、友人との時間を捨て、好きな服を着ることを捨て、美味しいものを食べることを捨て、会社での出世も全部手放し、生まれてまもない娘との時間も幼稚園に入学するまで横に置きました。

「100を切るのに趣味を捨てた。
 90を切るのに友達を捨てた。
 80を切るのに家族を捨てた。
 70を切ったらすべてが返ってきた。」

元プロゴルファーのジャンボ尾崎さんが言われたことです。ものすごく僕の経験に当てはまります。まさに全部返ってきています。

「人の優先順位を見たら、その人の未来が鮮明に見える。」僕が師匠から教わったことです。

そもそも人の生まれ持った能力の差は微差です。時間とお金と情熱は、いずれも限られています。だから、優先順位によって人生が決まるのです。

■現在

会社員を卒業し、最初に起業したのは営業代行の会社でした。好きとか嫌いとか、過去やったことがあるからとかではなく、起業のしやすさで選びました。世の中に存在していることと自分でも扱えるかは別の話なのです。

その後は、飲食店、飲食系ITサービス、メディア、イベント、不動産、人材事業などのスタートアップに携わり、自身でも小売のブランドを30代で立ち上げました。

詳細を話すとすごく長くなるので、機会があれば別の機会に綴りたいと思います。

立ち上げた会社は仲間に譲り、2024年現在は株式会社Career Art(転職エージェント、ITスクール、フリーランスエージェント)の代表取締役を務めています。

2025年からは訪問看護事業に挑戦しようと準備をすすめており。その次はITの受託開発事業の構想を練っています。

目的を決め、ビジョンを描き、目標設定をし、選択の基準を管理下におくことで、人生は大きく変わるのです。

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