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A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (3 完結篇) (2005.06.29)
ふと気が付くと、我々の周りに、なんだどうしたんだとばかりに警官達が集まり始めていた。私はマイケルにもう少し粘っておいてくれるよう頼み、上司に一報を入れることにした。署内の公衆電話から、現地法人ニューヨーク支社の副社長を呼び出す。 このPSA(*注)は決して広くない。私のいる電話ブースと、マイケルを中心とした人集りとの間を、明らかに麻薬中毒者と思われる白人の男が喚き散らしながら、ふたりの屈強な警官に引き摺られて行く。 やがて上司が電話口に出た。私は事の次第を、まず客観的事実
A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (2) (2005.06.23)
私は10秒考えて、こう言った。「マイケルと僕とで、ドウズを助けに行く。クルマは僕らが使う。メンバーの皆と取材クルーは、ここで待っていてくれ。」 通訳と移動手段を奪われた日本人スタッフは不安だっただろうが、その時私は、1分でも早く、ドウズ・グリーンを見つけ出す必要がある、と考えた。私が心配していたのは、「二次的な不利益」だった。当該グラフィティ行為に違法性が無かったことは、簡単に証明出来る。しかし、もし逮捕・連行・勾留の過程でドウズが警官に対して抵抗し、暴力行為に及んだとした
A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (1) (2005.06.19)
仮に犯罪性がゼロだと判っていたとしても、自分が好きだったり、良く知っていたり、仕事していたりする誰かが「逮捕」されることは、ショッキングである。ましてや、その「逮捕」の原因の一端が自分にある場合には、なおさらのこと。 1994年5月、私はマンハッタンに居た。ヒップホップのダンスグループ、ゲットーリジナル・プロダクションズ・ダンス・カンパニー GhettOriginal Productions Dance Company (以下、GPDC)の活動をテレビ取材するためだった。現