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南大東島採集遠征記2日目(2025/2/7)
おはようございます、川田です。
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1日目に林内の険しい岩場と数々の落とし穴を見て夜に林内に入るのは危険と判断したため、日の出の早い時間から動こうと思い早めに起床します。
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現地のスーパーで食糧を確保します。が、どのスーパーに行っても密かに楽しみにしていた大東寿司が売られていない……
幸いカップ麺や冷凍食品はあるので飢えにはならなそうですが少し残念です。
ここは沖縄らしくサーターアンダギー(?)を買って朝食としました。喉は渇きますが満腹度と腹持ちはいいので好きです。
自分はレンタカーの運転席に、後輩は助手席に乗っていざ出発。
現地の下調べをしていないこともあり、まずはポイント選定のために防風林を横切る道をいくつか通りながら島を一周します。
南大東島は運転してみると起伏が激しい印象を受けました。
さとうきびが生えている畑の横を通ると起伏も相まって視界が悪いため十分注意して運転します。
この季節はさとうきびの収穫時期でもあり本土ではなかなか見ない大きさの農業機械が走っているのは見応えがありました。
本題の採集に戻ります。
車をゆっくり走らせながら僕も防風林の環境を流し見しましたが事故りたくないのであまり集中して見れませんでした。
そこで後輩にポイント選定は任せることに。
2地点をピックアップしてくれたので近い方から伺ってみると、それはそれは昨日見た環境と全く異なり傾斜も緩く歩きやすく、モクマオウの大木がいくつか横たわっていました。
手分けして探そうと思ったのも束の間、後輩が
「ヒラタいました❗️」
急いで戻ると……
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ぷりっとした大きな幼虫、間違いなくダイトウヒラタです。
嘘でしょ……林内に入って10分くらいですよ……
僕も協力して割っていきます。
材はとても太いのですが中に水源があるかのごとく水が溢れてくるほどの水分の多い材で、ヒラタの食痕が詰まっていました。
かなりの密度で幼虫が棲んでいたのか、続々と出てきます。
離島ヒラタとしては難しい方と訊いていたため初めは興味津々で割っていましたが、この1本の大木に大量に生息していることを確信すると、持ち帰るいくつかの幼虫を除きあとは大切に埋め戻しました。
そのポイントは一旦切り上げてお昼ご飯にします。
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お昼は大東そばと大東寿司をいただきました。特に大東寿司は2年前に伊豆大島で漬け寿司を食べて以来楽しみにしていました。
大東そばの方は沖縄の他のそばとは違いうどんのような食感でした。
どちらもおいしかったです。
お腹を満たしたところで採集に戻ります。
次は後輩が挙げてくれたもう一つのポイントに向かいます。
道からは少し入りにくかったものの、林内は先ほどのポイントに近い、岩が少なく林床は土で覆われた環境でした。
進んでいくと後輩がまた……
「いました❗️」
写真を撮り忘れていたのですがすぐ見つかりました。
午前中の材と似たような材でした。
大きな3齢幼虫だったので成虫がいないかと思い、僕も協力して割っていくと
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この材に産卵した♀でしょうか、ダイトウヒラタの死骸が出てきました。
午前中多くの幼虫を確認していること、この材も大量に生息している予感がしたことによりこのポイントもここで切り上げ、持ち帰り分以外は埋め戻しました。
もう十分帰れるほどの戦果を挙げたので、この日は夕暮れまでの残り時間をあまり聞かない希少産地で潰すことにしました。
つまり、後輩が選ばなかったポイントです。
何箇所か入ってみたのですが林内の環境は昨日のポイントに近く岩がちで歩きづらく少し疲れます。
材もそれまでの2ポイントよりも少なく、加えて岩がちなせいか材が乾燥していることが多くなかなか見つかりません。
そんな中湿っている材を割ってみると……
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中からヒキガエルも出てきました。
こういうことってあるんですね……
このあとはダイトウマメを少し割り出して終了。
ダイトウマメは各地で見られたものの、結局ヒラタは後輩が挙げた2ポイント以外で見つかりませんでした。
それでも今日だけでかなりの個体数を発見できたのも事実。
後輩のポイント選定力に畏れることしかできません。
晩ご飯はカップ麺で済ませ、夜は宿の近くを散歩します。後輩曰く、1日目にはあの絶滅危惧Ia類のダイトウオオコウモリを間近で見られたとのこと。
期待して外に出てみたのですが、
風が強すぎる。
しかも雨が降った直後で沖縄らしくなくダウンを着るほど寒いです。
案の定ダイトウオオコウモリは見られませんでしたが、路上には……
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ミヤコヒキガエルがいました。
宮古島から移入された国内外来種らしいです。
気づくと道には沢山の干からびたヒキガエルの轢死体が。
ミヤコヒキガエルとオオヒキガエルの個体数の多さがわかります。
僕の体感では個体数は半々程度でした。
ダイトウオオコウモリが見られなかったのは残念でしたが、後日天気が良くなることを願うばかりです。
後輩と明日以降どうするか嬉しさ交じりに悩みながら就寝しました。
採集結果
ダイトウヒラタ×多数(うち成虫×0)
ダイトウマメ×多数(うち成虫×4)
続く