足組み
ある地方に伝わる風習をご紹介しよう。
それは「養子足組み」と呼ばれている。
「養子縁組」ならば聞いた事がある読者も多い事だろう。血縁関係にないものが法律上の親子になる事だ。
だが「養子足組み」は膝小僧。
血縁関係にない者同士の膝小僧が法律上の「膝親子」になる制度である。
膝親子とは何か?
それはお互い困った時に膝を貸し合う関係性の事である。
夜中突然、無性に膝枕して欲しくなった時はないだろうか。そんな時、養子足組みをしていれば膝を貸して貰えると言う訳だ。親子なんだから膝を貸し合うくらい恥ずかしい事はない。
あるいは組体操でピラミッドの人員が一人足りない場合が急遽発生する事もあるだろう。そんな時は膝親子の出番だ。その両膝でもって力強く人間ピラミッドを支えてくれる頼もしい存在になるだろう。
養子足組みは元々は戦国時代に――――――おっと、今日のところはここまでのようだ。
すまない。私の「養子」が来たようだ。
ちょっと膝蹴りして嗜虐的な言葉を言って貰いたい時が私にもあるもので。