長髪
「先生、できました」
「ああ、毎日お題に沿って小説を書いて行くと言うのも、書く練習になっていいだろ、金子」
「そうですね。何はなくとも書いた、と言う実感も沸きますし」
「10分で書く、と言う制約もいいだろ」
「そうですね。とにかく手を動かす、考えた事を如何にまとめてアウトプットするかと言う訓練にすごく良いです」
「うんうん。それなら良かったぞ、金子」
「この、箱。この中に先生が書いてくれたお題が入っていて、その中からくじを引くようにして、ランダムに選んだお題についての小説を書く…すごくタメになっています」
「どうした金子、藪から棒にそんな説明口調で」
「いえ、話をする時に敢えて説明的に話す事で、文章中で状況説明をするのの練習にもなるんだな、って」
「そうかぁ~、金子は勉強熱心だな~。感心感心」
「恐縮です」
「それじゃ、書き上がった今日のお題、読ませてもらおうか。今日のお題はなんだったんだ?」
「長髭です」
「は?」
「は?ですよね。僕も最初 は? ってなりましたよ。でも は? ってなるワードからでも創作出来ないと、って言う先生からのメッセージだと受け取って――」
「いや、金子。これは長髭じゃなくて長髪、長い髭じゃなくて、長い髪だ。髪の毛。分かるか?」
「あっ…」
「金子、漢字ももっと勉強しような」
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