メカクレ
「クレア、聞いてくれ」
「なあに、レオン」
「お前のメカだ」
「は?なにそのロボット…私、なの…?」
「ああ、そうだ。メカクレア、略してメカクレだ」
「一文字略すことに何の意味が?そもそもどうして私のロボットを…?」
「ロボットじゃない。メカと呼んでくれ」
「男子特有のそう言うのは良いから。そのロボット、何が出来るの?」
「そうだな。強いて言えば何も出来ない」
「スクラップじゃないの!」
「違うんだクレア。これは君がなれなかった君自身なんだ」
「私がなれなかった…私自身…?」
「ああそうだ。君は男勝りだ。…いや、君の名誉の為に言っておくが君は美人だし、慈愛に満ちた素晴らしい女性だ。メスゴリラだなんて言いたい奴に言わせておけば良い」
「…ぶっ飛ばして良い?」
「勘弁してくれ。君に殴られたら首がもげる」
「やっぱりぶっ飛ばす」
「待て待て!それ!そう言うところだぞクレア!君はすぐそうやって腕力で物事を解決しようと…!」
「はぁ…それで?」
「そう、だからこそこのメカクレを作ったんだ。こいつは自分では何も出来ない。守って貰わなければならない弱い存在だ。君もコイツを見習って少しは大人しく…」
「余計なお世話よ!!」
「ああ…!メカクレがスクラップに…!」
「最初からただのスクラップでしょーが!」