読書記録 論理的とは何か / 渡邊雅子

発信する勢いづけに2025年は読書メモを書く。

「論理的であること」の定義をアメリカ式の合理主義ベースではなく、かなり恣意的・文化的なものとして扱っているのが、この本のミソ。アメリカ式以外に、例えばフランス式・アラブ式・日本式の「論理的思考」が存在するとして、それぞれの「合理=理にかなう」を考察している。で、結論は「それぞれの多様なバックグラウンドを理解する必要がある」というごくごく普通のものだけど途中の考察は面白い。いきなり結果を提示せず(notアメリカ)、アウフヘーベンもなく(notフランス)、アラーへの賛美もなく(notアラブ)、ただただ観察・考察のプロセスを面白く書くスタイルで、それが日本的としか言いようがない。そんな論理の無限ループみたいな構造がまた面白い。そしてそれを興味深く読んじゃうプロセス重視の僕もまた日本人丸出しなのである。

論別的であること
→読み手にとって記述に必要な要素が読み手の期待する順番に並んでいることから生まれる感覚である
→論理的であることは社会的な合意の上成り立っている

同書より

いいなと思ったら応援しよう!