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ゆるくないパンダ

中国国際進口博覧会(輸入博)。中国が国家威信をかけて実施する壮大な「世界の見本市」である。

うちの会社は今年で三回目になる。

【初年度】政府筋から「必ず出すべきだ」と言われ、何のイベントかさっぱりわからないままに出展。
【二年目】なぜか本社が盛り上がってしまい、全面サポートと称して役員以下、数十名の出張者が来てくれて大迷惑、じゃなかった大感謝。
【今年】「とにかく絶対に開催する」と言われ続けて半信半疑のままに開催日を迎える

半信半疑だった理由は「輸入博覧会」にも関わらず海外からのゲストが呼べないことにある。中国は未だに外国人の入国を厳しく規制しており、政府が発行する「招聘状」がないとビザの申請すらできないのだが、この招聘状がそもそもめったに出ないのである。

しかし。今回は「輸入博特別ビザ」なるものが発行されるらしいという噂が駆け巡った。輸入博に参加する海外からのゲストは、招聘状をすっ飛ばして特別ビザが発行され、14日間の隔離も免除されるという。これはたいした大盤振る舞いだ。

フタを開けてみたら、特別ビザなんてものはなく、14日間の隔離も必須で、従来ルールとほとんど変わらない。唯一違うのは輸入博と理由に書くと招聘状が出やすくなったことくらいだったが、一ヶ月滞在ビザで入国してその半分が隔離というのは、、ということで出張を諦める人たちが続出。

ということで、ほぼ海外からノーゲストで開催された。

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それでも人は多かった。日本企業もがんばっていた。公式によると昨年の50万人には及ばなかったものの、それは安全を考慮し、入場者数をあえて定員の30%に制限したからだという。

ま、それはいいとして、このパンダである。

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街に。空港に。会場に。イベント期間中は上海中をこのパンダが席巻する。

むーん。

三年前から違和感を感じていた。中国のネットを検索しても「可愛」「萌萌」という記事しか出てこない。変なことは間違っても口にしてはいけない雰囲気だ。自分が間違っているのだろうか。

うちの女性スタッフに「あのパンダさぁ…」と言ってみたら「超かわいいですよね!」と光速で返された。はいかわいいです。


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