前回のつづき。ロシア+中国の悪魔合体による手続き地獄めぐり。 (3年前のお話です) ビザセンターまずは最初のつまづきだ。ビザ申請書の提出先はロシア領事館ではなかった。四川路の「久事商務大厦・多国籍まとめてビザセンター」に集約されてしまっていたのである。ガーン。 内部は無駄にだだっぴろい。ロシアセクションはエレベータで上がった5階にある。 一丁目申請書と家族分のパスポートを提示する。係員(中国人・女性)は書類をじーっと見ている。 彼女が発した第一声は「この人たちがあなた
これは3年前の話。いまでも参考になるのかわからないため、読み物として読んでいただければ幸いです。 *** 2017年の年末。年越しを日本で過ごそうと思ってチケットサイトをぽちぽちしていて、なにげなくアエロフロートのキャンペーンページをみたらロシア行きのフライトが激安で出ていた。日本に行くよりぜんぜん安いではないか。 そうだ モスクワ、行こう。 高額なビザ代行ロシアは、日本パスポートでもビザなしで入れない国のひとつである。日本では代行業者に頼んで取得するのがお手軽らしい
同僚(日本人)がレモンティーをぶちまけられた。ランチタイムの香港茶餐廳での出来事。 運んできた店員が新人で、慣れないお盆にぎっしりのドリンクが見るからにあぶなっかしい。あんのじょう目の前でやらかしてしまった。同僚は左肩に直撃を喰らい、シャツ、ズボン、ダウンベストがびしょびしょ。 新人君はビビッて逃げてしまい、お掃除アーイーが大量の紙ナプキンを持ってきて、ベテラン店員が謝っている。 * で、どうしてくれるんですかという話になる。店員サイドは謝るだけで何も言わない。 ク
前回のつづき。「貴州茅台酒」の創始者の子孫がやっていると言われる蔵元に行くことになり、貴陽から一路北北西へ。 岩肌には「中国酒都」の四文字。期待は高まる。 来ました中国酒都の「茅台鎮」 村中が麹の甘い匂いで満ちている(本当) 駆けつけ10杯(必須) そして山深い酒造所へ コーリャンの実物を初めてみた。近づくとほんのり温かい。さらに発酵が進むと50℃くらいまで上がるらしい。 茅台酒といえば、1915年パナマ万博での金賞受賞の伝説が必ず出てくる。 * 1911年の
年末に貴州省に行っていた。 あまり有名なところではない。山が多く、地形が複雑で、交通の便が悪く、産業用地も確保できない。中国国内でも貧困地域の扱いを受けてしまっている。 貴州省は、中華人民共和国南西部に位置する省。平均標高 1,000 メートル程度の起伏に富んだ高原になっている。広いものは見られないことから、「地に三里の平地無し」と言われている。伝統的に経済的には恵まれず、「人に三両の銀無し」と言われてきた。 〜Wikipediaより〜 平地無しとか銀無しとか、ひどい言わ
敵を倒す手段として日本では「殴る」、中国では「メンツを潰す」という話を先日書いた。あとになって、そうだ例外があったではないかと思い出した。 半沢直樹である。 彼はフィジカルな暴力を振るわない。どれだけ怒りに燃えても鉄拳制裁はしない。相手を土下座させることのみを目指して全エネルギーをそこに集中させる。 これってかなり中国っぽいアプローチではないだろうか。そう思った。 怨みを晴らすだけであれば、地下駐車場に呼び出して殴るなり蹴るなりすればよい。しかし半沢はそうはしない。それ
今年に入ってから部外者の立ち入りを禁じる「小区」が増えている。勝手に入ると守衛さんにめっちゃ怒られるんですよ。老房子ファンにはなかなかつらい時代である。 ここはゆるそうだったのでズンズン入ってみた。 モップと赤パンに誘われて 整備が行き届いている アーチが素晴らしい 中の状態もよい 手すりに往年を感じる ドアも渋い レンガが立派。ここだけ見るとヨーロッパみたい 場所は南昌路x思南路の近く。淮海路のH&MやNikeの巨大店舗の真裏である。戦前からレイアウトは変
北野武監督の映画「アウトレイジ」の印象的なシーン。 坂田聡演じる岡崎は、一見サラリーマンにしか見えないヤクザ。ライバル組が経営するぼったくりバーに引っ掛かったふりをし逆にやりこめて、キャバクラで武勇伝を披露している。 岡崎:それでその店もういっかい行ったら、こんどはタダでけっこうですなんて言われちゃってな!笑っちゃうよな! (一同笑) 先輩:お前、ホントは引っかかったんじゃねーのか? 岡崎:ハハハハ、そんなわけないじゃないですか 先輩:だってお前、ちっともヤクザに見えねーも
「中国は儒教だからすっぴんがよい。整形はNG。美しくなりたい願望は自撮り加工で」という記事を読んで、なるほどと思ったのが三年前。 一般的に中国人は美容整形への抵抗感がかなり強い。中国は昔から儒教の影響を受けてきた。(中略) そのため、中には顔にメスを入れるどころか、脱毛やヘアカラーさえ、させてくれない親も普通にいる。(中略) そして、「すっぴん」できれいな女性こそが本当の美人だと思われている。 たしかにすっぴんの人が多いので納得である。うちの会社でも特に事務方のスタッフ達
中国国際進口博覧会(輸入博)。中国が国家威信をかけて実施する壮大な「世界の見本市」である。 うちの会社は今年で三回目になる。 【初年度】政府筋から「必ず出すべきだ」と言われ、何のイベントかさっぱりわからないままに出展。 【二年目】なぜか本社が盛り上がってしまい、全面サポートと称して役員以下、数十名の出張者が来てくれて大迷惑、じゃなかった大感謝。 【今年】「とにかく絶対に開催する」と言われ続けて半信半疑のままに開催日を迎える 半信半疑だった理由は「輸入博覧会」にも関わらず
河北省唐山というところに出張していた。古くから鉄鋼業で栄えた街で、空からみるといまでも露天掘りの名残で巨大な穴がボコボコと空いていて人口湖になっていたりする。 2012年頃から中国全土で大問題となった大気汚染の原因であるPM2.5の主要産出地のように扱われてしまい、もともと100社以上あった鉄鋼業は大幅な制約を受け、いまでは10社も残っていないそうな。そのかわり空気はたいへんきれいになったそうである。 田舎と都会がほどよくミックスされていて、好きな感じの街だった。空港のス
中国の人は早口である。ケンカなのか漫才なのか、街角でお互いが一歩も引かずにわめき散らしているシーンは見たことがある人も多いと思う。あれは、おそらく内容はどうでもよく、ハイスピードな滑舌を相互にドライブさせる行為を楽しむのが目的で、どちらかというとバドミントンとか卓球とかの高速球技をエンジョイしている感覚に近いのだとわたしは思う。なぜ道端で球技を始める必要があるのかはよくわからないけれども。 * 商談の席で。先方の担当者がマシンガン早口で何かの説明を始めることがある。よくわ
ふだんはあまり外に出ることのない事務方のスタッフ達を新商品発表イベントに参加させてみることにした。たまには営業側の活動をスタッフ達にも味わってもらおうかなと思ったのだ。 スタッフ達には参加後に「自由記述で」レポートを提出するよう求めていた。イメージしていたのは、ちょっとした気づきと改善提案くらいの、ごく初歩的な報告書だったのだが、実際に提出されたものはそんな想定の斜め上を行くものだった。 新商品発表会に参加する恩恵に巡り合ったのは私の会社人生における最大の喜びです。最も感
衡山坊(Heng Shan Fang)というおしゃれなスポットがある。かつてはおしゃれではなかった。 2010年頃の衡山坊。つい数年前までなんのへんてつもない、枯れた感じの老房子だったのが、どこぞのデベロッパーの手が入って一気にインスタスポットに躍り出た。 間接照明の控え目な使い方など、なかなかレベルは高い。 さて、ここには小さな本屋があり、品ぞろえのセンスがいい。メインの客層は「小確幸」を追い求める上海の若者たち。先日は「ほぼ日手帳2021」の発表会までしていた。進ん
おうち焼肉がしたい。が、スーパーに行っても「カルビ」という名前の肉は売っていない。「上脳」とか「里脊」とか見慣れない言葉を前にしばし途方に暮れる。 勉強と称して焼肉屋に行く。 カルビ=牛小排。うーむ本当だろうか。 「牛排(Niu Pai)」ならよく知っている。ステーキ全般のことをざっくり牛排と言う。牛排はあくまでジャンルであって部位ではなく、ヒレとかサーロインに細分化されていくその前段階にあたるはずだ。「牛小排」では単に「ミニステーキ」と言っているだけなのではないの?
中国のビジネスパーソンは役職を気にする。格好いいタイトルを欲しがる。その結果、商談にずらっと出てくる取引先の人たちが「副総経理」「高級副総監」「協理」「合伙人」など微妙に偉そうな役職名のオンパレードで、けっきょく誰が実際に偉いのやらさっぱりわからない。だからと言って意思決定者を見誤ると相手のメンツを深く傷つけてしまい商談が修復不可能になってしまうため、こちらの対処法としては全員等しく「~総」と呼びかけ、相手の内輪の会話内に発露する上下関係の機敏を観察しながらラスボスは誰なのか