上海で「カルビ」を買う放浪記
おうち焼肉がしたい。が、スーパーに行っても「カルビ」という名前の肉は売っていない。「上脳」とか「里脊」とか見慣れない言葉を前にしばし途方に暮れる。
勉強と称して焼肉屋に行く。
カルビ=牛小排。うーむ本当だろうか。
「牛排(Niu Pai)」ならよく知っている。ステーキ全般のことをざっくり牛排と言う。牛排はあくまでジャンルであって部位ではなく、ヒレとかサーロインに細分化されていくその前段階にあたるはずだ。「牛小排」では単に「ミニステーキ」と言っているだけなのではないの?
欧米人御用達のブッチャーに行ってみると、「Shank」とか「Short Rib」とか、これまた馴染みのない単語群に遭遇し困惑する。カルビはどこにあるのか。
と、肉の部位に悩まされること苦節数年、最近ようやく手がかりが集まってきた。
カルビはあばら肉のことらしいから、肋骨周辺というと、、、おお、たしかに牛肋条/牛小排とある。ミニステーキではなかったんですね。英語だったらFlankというやつを買えばよいようだ。
で、ネット生鮮スーパーの盒馬で「牛肋条」を買おうかなといつも思うのだが、なんとなく手が出せない。
中国では、肉はカタマリで買って中華包丁を振り下ろしてぶった切る文化だから、焼肉用でイメージしている薄切りとはかなり遠い感じなのであった。ハードル高そうだから焼肉屋に行こうかな。
けっきょく焼肉屋に行ってしまう理由はもうひとつあって、上海ではじつは、日本でご禁制の品になってしまったレバ刺しがまだ食べられるのである。
日本で禁止に至った経緯は知っているつもりなんだけど、こればかりは他に代替が思い当たらず、食べてしまう。
人の往来がもとに戻ったら、レバ刺しファンの方はぜひ上海にお越しください。古北新世紀広場にある牛肉人(すごい店名だ)はいつも新鮮な在庫があってプリプリなので特におすすめ!