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真実は、叫ばれる人それぞれの事実

 声高に叫べば嘘でも真実になる。ましてや本当かどうかわからないことならば確実に真実になる。この、誰でも叫べる時代に「真実」などもはやわからないのは当たり前だ。どんなことであっても誰かが声高に叫び、主張している。そうすることが正しいと思っているからだ。あるいはそうすることが得だと思っているからだ。
 しかしそこに本当の真実はない。なぜなら真実とはそもそも、それぞれの世界における真実だからである。即ち人によって異なる常識の中で判断される事実を、「真実」と言っているにすぎない。

 そのことを知っている人も知らない人もいる。特に、知っていて真実を声高に叫んでいる人は質が悪い。人によっては真実でないことをそうだと主張することは、普通に考えれば正しくないからだ。
 そして知らずとも、その正しくないことをしているという点では厄介だ。どちらにせよ人はよく、これらのことを忘れてしまう。だからいつも真実でないことをそうだと勘違いする。

 声高に叫べばなんでも真実になることと、真実とは人それぞれの事実でしかないということを。

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