見出し画像

コンプラはどうしてこんなに広がるのか?

 コンプライアンスとは法令遵守の意味だが、「コンプラ」はその単なる略称ではない。

 広く一般に知れ渡ったこの言葉は、その意味も広く薄く、多くのものを巻き込んでいった。それは法令のみならず、もっと決まりとか、倫理とか、あまつさえ人々の感情すら守ること、つまり波風を立てないことを目標とさせることとなっている。
 加えてコンプラは、そうしなければならないのが企業とは限らない。それはあらゆる結果に対して求められる。より正確には、人々の目に触れる場所にあるもの全てに、だ。

 なぜコンプラがそのようなものになってしまったかと言えば、誰もそれに反対することが許されないからである。それに対して異を唱えることはご法度である。そうすることは、コンプラを大切に思っていないと言っていることと同義だからだ。そのため、それに反対する声は小さくなり、一方でそれを押し進めようとする動きは際限がない。
 だから、どんなものにでもコンプラが求められるのは当然の流れだったと言える。コンプラがコンプライアンスだった時から、この未来は運命づけられていた。そこには理しかない。そして利がある。少なくとも、真っ向から対立することで、いったいなんの得があるのか、と言えるくらいには、それはこの世界にとって正しくて、美しくて、そして当然なのだ。

※このテーマに関する、ご意見・ご感想はなんなりとどうぞ

いいなと思ったら応援しよう!