物語に必要な「感情」の3種類
話作りにまず必要なのは感情である。
感情がなければその「物語」は面白さに欠けてしまう。魅力的ではなく、無味乾燥なものとなる。だから感情は何より必要なものだ。
次に考えるべきは、この場合に必要な感情とは誰のもののことかということだ。そして当然に、私達は登場人物達のものだと考えるだろう。「物語」とは創作されたストーリーのことであり、それは登場人物つまりキャラクターがいなければ成り立たないからだ。
だからこの感情とは、キャラクターのもののことであり、それを適切に描くことで物語は面白くなるのだと考える。
でも、不充分である。感情とはあと2人の持ち主がいる。物語というものを中心として、3本の線の1つが登場人物と結びついているのだ。そして残りの2本はどこに結びついているのかと言えば、「語り手」と「聞き手」である。
物語に「必ずあるもの」とは、何も登場人物ばかりではない。それには「語り手」がいて、物語を届けようとしている。そして、そうやって形作られる物語は「聞き手」に渡される。
そのため、話作りに必要な感情は、登場人物、語り手、聞き手の3種類が、適切かどうかを考えられることが大切である。
適切とは、それぞれ、設定、展開、表現が、ということだ。物語上のあるシーンに対して、登場人物の感情は設定に忠実でなければならず、語り手の感情はその展開と連動していなければならないし、聞き手の感情に表現が寄り添っていなければならない。
それらがきちんとした形で存在するシーンが常に連続することが、面白い話作りを可能とする。だから感情が大切なのだ。感情が物語の中心となるというのは、登場人物の持つ設定、語り手の仕掛ける展開、聞き手の期待する展開が、それぞれ感情を軸として繋がっているからである。
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