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私が重光葵から教わったこと

重光葵は、私を変えてくれました。

全てをそのまま受容すること


事実を事実として承認することから出発して初めて終戦後の日本の生きる途がある

重光葵手記より

日本最大の黒歴史、第二次世界大戦。しかも敗北。
それでも事実から目をそらさず、明日のために、何をするべきかを見据える。
簡単なようで難しい・・・。
私は辛い事実(現実)から逃げていました。
しかも全く逃げていることに気が付いていませんでした。

重光は戦争を止めたかった。
だから、対策を次々立てます。
しかし始まってしまうと、考えを切り替える。
こうなってしまっては仕方がないとして、日本が悪いようにならないよう、また次の対策を立てるのです。

次々と対策を考える(あきらめない)

「重光は絶望知らず」
対策を立て、うまくいかないと次の対策を立てます。
もちろん、現実を受け止めたうえでです。
確かに戦争は止められなかった、
そして早い段階でもやめさせられなかった。
しかし、私はこれほどまで対策を考えらることに驚きました。
たとえば国の中枢部に何度も何度も、戦争にならないよう文書を送りつづけます。

重光がこれだけやってもうまくいかなかったという事実で、私は自分の思い込みに気が付きました。
もしかして、すぐに解決できることばかりではないのでは、と。

対策をすれば、なんでも問題解決できる。
問題が解決しないのは、対策を何も取らないからだ。
それどころか、問題はすぐに解決するべきだとまで思い込んでいました。

自分ばかりがうまくいかない、周りはうまくやっているのに。
自分はできないから、自分以外の何かが、すぐに解決すべきものだ、と。
そう自分勝手にも思い込んでいたのです。

自分が自分の問題に向き合って解決する。
うまくいかなかったら、違う方法を考えるだけ。
解決するまでやり続ける、そういったことが必要なんだとわかりました。

先の先まで考える

重光はその場限りのことでなく、常に先のことまで考えて行動しているように思えます。
たとえば戦争真っただ中、戦後の日本のことを考えて大東亜共同宣言を発案しています。
日本が戦争で負けてしまったら、立場がなく、苦しくなることが予想されるからです。
戦争を終えられる可能性も考えていたよう。

先の先まで考えている、そう思いました。

重光の故郷で死後作られた『重光向陽小傳』でも、重光が学校に寄付していた、とあります。
常に未来のことを、未来の人のことを考えているのだなと思いました。

責任を背負う

1945年9月2日ミズーリ号にて第二次世界大戦の降伏調印を行います。
政府にかかわりがある人たちが嫌がって、この役が誰にするか押し付けあったことで知られています。
誰だって失敗した責任は取りたくないものです。
重光はこの役を引き受けました。それだけではありません。
重光は日本の誇りをけがさぬよう、礼服で胸を張って式に臨みました。

私は私が知らないだけで、今までずっと支えてくれた人がいた。
そう思えました。

周りを巻き込む

何でも一人でやろうとしていた私。
だから完璧でなければ、失敗は許されないと思い込んでいました。
重光の自著『重光葵 外交回想録』には周りの人に協力を求め、事に当たる重光の姿が何度も。
大東亜会議もアジア全体を巻き込んだといえるのではないかと、私は思っています。

私にもたらしたもの

私は自分がつらい人生を送っていると勝手に思い込んでいました。
「つらいんだから」と言い訳にして、責任を持たなくてすむ
「子供のままでい続ける」を選択していました。
そして、自分自身には、他人を頼らぬよう、完璧を求めました。
一人で困らないように、と。

「誰も助けてくれない、つらいのに」
そう思い込んでいました。
思い込みたかったのかもしれません。

つらいのは自分のせいではない、そんなストーリーを自分自身に思い込ませ、現実が全く見えなくなってしまいました。
本当は自分が自分をいじめていたのにもかかわらず。

重光葵を知って、自分が間違っていたことに気が付きました。
つらいことから逃れるために、楽な方法を選んだつもりだったのに、自分自身を追い詰めていました。

もう実現不可能なことを夢見ることをやめよう
自分のできることをしよう
そう思いました。

自分は思い込み、妄想をもっていることに気が付き、痛くても目をそらさない。
事実から目をそらさず、苦しくても目の前の問題解決を考える。
自分を尊重し、人を尊重し、支えあう。
今だけでなく、未来のことも考える。


おまけ

重光は「欠点がないことが欠点」といわれます。
そんな重光でも、当時、後世どちらも、ぼろくそに言われています。
欠点ばかりの私が、さんざん人から陰口をいわれるのなんて、当たり前だなと思えるようにもなりました。










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