「レスピセーフバンド」使用レビュー
みなさまお久しぶりです。
今回は、先日自費購入した人工呼吸器回路外れ防止用具「レスピセーフバンド」の使用レビューです。
人工呼吸器使用者本人の使用レビューです(笑)。
人工呼吸器ユーザー、そのご家族さん達の参考になれば幸いです。
人工呼吸器ユーザーの日常
気管切開を行っている人工呼吸器患者は、気切口に「気管カニューレ」を挿入しています。一方、人工呼吸器回路の先端に「カテーテルマウント」と呼ばれるアタッチメントをつけ、「気管カニューレ」と繋ぎます。
日常的に必要な痰の吸引は、基本的には「気管カニューレ」と「カテーテルマウント」の接続を外し、「気管カニューレ」に吸引カテーテルを挿入して行います。そのため、「気管カニューレ」と「カテーテルマウント」をしっかり固定する仕組みはなく、ただただ被せるだけ、の構造をしています。
自分のようなアクティブ(?)な人工呼吸器ユーザーは、日中はベッドを起こしてパソコン作業をしたり食事をしたりします。ベッドの動作、その他の動作で、どうしても不測の回路外れが通常より多く発生します。
回路が外れた際は、すぐにナースコールを押して助けを呼び、呼吸器アラームも鳴り続けますが、誰かが来てくれるまでは呼吸ができません。洗面器に顔をつけたまま、1分、2分、と時間が過ぎていくのを想像してみてください。苦しいですよね・・・
これが、月に数回は発生していました。
レスピセーフバンドとは
オンラインショップ「アモレヘルスケア」(運営:トクソー技研株式会社)が販売している人工呼吸器回路外れ防止用具です。
「気管カニューレ」と「カテーテルマウント」の接続を、伸縮性のあるゴム素材で保持する仕組みです。
バンド装着による患者本人への負担は、限りなく0です。
バンドの伸縮力は「気管カニューレ」と「カテーテルマウント」の間にのみ作用していて、「気管カニューレ」のうち、患者の体内に埋め込んでいる部分には一切力は加わりません。
日々、吸引をする看護師さん達の意見
日々、吸引をしてくれている看護師さん達に、「これ、吸引時のオペレーションが増えるけど、どう?」って聞いてみました。日勤/夜勤含めて、のべ15人くらいかな。
全員、「ないよりはあったほうが絶対いいよ」と言ってくれました。
吸引時は、輪っかを一旦伸ばして外し(輪っか自体はほどかない)、「気管カニューレ」と「カテーテルマウント」の接続を外す必要があります。
輪っかを外す際にどうしてもカニューレウイングを押さえる必要があるため、「押さえても痛くないの?」と聞いてくれた看護師さんが何人かいましたが、痛みはまったくありません。(押さえられてるな、という感覚だけ)
劣化について
まず。バンドをつけてから2か月弱、不測の回路外れは0回です。
バンドが切れたり、輪っかを作るためのプラロックが外れたりするのは、
・カニューレ交換時
・痰の吸引時
で、いずれも輪っかを人力で伸縮させている時です。
輪っかを作るためのプラロックについては、一度プラロックが外れてしまうとそれ以降は簡単にロックが外れてしまうようになるため、念のため再利用はしないほうがいいかなと個人的に判断しています。
不測の回路外れをなくすのが目的なので。
最後に
人工呼吸器ユーザーになり9年弱、常に回路外れの恐怖と戦ってきました。バンドを使い始めて2か月弱、最近ようやく恐怖が少し和らいできたかなと感じます(人間そう簡単には変われない)。
トクソー技研株式会社さんは、バンドの取り扱い説明動画をYoutubeショートにアップロードされていて、新しい看護師さんに使い方を説明するのに非常に役立ちました(パソコンで動画をループ再生させておいて、これ見て!って言うだけ!)。この場を借りて御礼申し上げます。
<取り扱い説明動画>