備忘録:RME UFX から UFX+ へのワークスペースの移行
だいたい頑丈で信頼性も高くて手放したくない UFX なので、何かあっても修理して使う人が大半だと思います。ただ、自分のように MADI ほしさに UFX+ に移行する人もいるでしょう。というのが今回のお話。
自分の使い方
自分は主にライブでのイヤモニのモニター ミキサーとして使っており、常に複数のバンドや団体のセッティングをぐるぐると変えながら使っています。
入力チャネルにラベル名をつけたり諸々の設定管理の面から、スナップショットの切り替えではやっていけないので、「ワークスペース」で設定を保存、読み込みが日常的な操作となります。もちろんバックアップの意味合いも大きいです。
困ったこと
UFX から UFX+ に引っ越すといっても、ワークスペースファイルが読めないことはなかろう。
安易すぎましたね。読めませんでした。
死ぬかと思いました。
さいわい壊れてからの買い替えではないので、新旧二台並べて、設定を眺めながらポチポチと、、、いやーーーーーー
結論
ある程度は何とかなります。
tmws ファイルは中身は XML つまりテキストファイルです。この中に、デバイス ID が書かれていて、どうやら保存した本体以外は読み込まないもののようです。なので、別に UFX+ だから騒いでるわけじゃなくて、UFX から UFX でも起こる話だと理解しています。
話が分かれば簡単で、TotalMix FX で立ち上げたらタイトルバーのところに 8 桁の数字の ID っぽいのがあると想います。それに書き換えてやればいいだけです。
(ちなみにこれ、シリアル番号みたいなもんなので、たぶん晒さないほうがいい)
あと、機種名が地味に変わるので「UFX」は「UFX+」と書き換えてください。
テキスト エディターは好きなものを使ってください。XML 対応とかじゃなくてもいいですが、変な改行とかしちゃわないやつで。
たとえばファイル中に、
<val e="DeviceName" v="Fireface UFX (12345678)"/>
みたいなのがあれば、新しいやつのデバイス ID が 87654321 であれば、
<val e="DeviceName" v="Fireface UFX+ (87654321)"/>
のように変えてください。一括置換でもたぶん大丈夫ですが、慎重な人は差分確認をするほうがいいと思います。
これで終わると思ったでしょ?
さすがにそこまで甘くなかった。でも惜しいところまではきました。たぶん UFX to UFX ならこれで終わりだと思います。
UFX+ では MADI 分のチャンネルが滝のように増えた都合で、Software Playback の設定がうまく反映されず、なんと Hardware Inputs の MA 1 のところからアサインされていきます。変なの!!
たぶん後の世の人が XML レベルでコンバーターを書いてくれる気もしますが、諦めました。
というわけでやることは、TotalMix FX 使いならだいたい想像がつくと思います。
MA 1/2 で右クリックをして「Copy input MA/12」でコピーして、
AN 1/2 で右クリックをして「Paste input Mix MA 1/2」でペースト。
これを Software Playback の数分だけやります。幸い、この作業は Hardware Outputs の数分はやる必要はなく、そのあたりは全部一括でコピーされます。
ただし、、、上のキャプチャーを見て「おや?」と思った人は注意深い人です。ステレオ チャネルとモノラル チャネルを合わせておかないといけません。しかもこれ、コピペする時に、ではなく、tmws ファkるを読み込む時点で、どう貼り付けたいかによって先にレイアウトを合わせておかないといけないんです。
最悪、全部モノラルにしておいて読み込んで、あとから必要なところだけ Settings で Stereo にするのでもいいです。逆はダメです。本来はモノラル×2 ch のはずだったものをステレオで読み込むとマージされてしまい、情報が欠落します。
言ってること、通じてます?たぶん、やってみて、あー、と思いながらの方がいいかもしれません。
ほかには?
Hardware Outputs のレベルは全部 -∞ になっているので、そこも引き継がれてないですね。もうここは機材も変わったことと思って諦めて、新たに設定するなり、もしあればここだけは旧機材を横に立ち上げてざざっと目コピーしてもいいかもしれません。
リバーブなどの設定はなんかうまく引き継げてる感じです。あと、ミュートグループやソログループも大丈夫な感じ。とはいえ油断禁物。
これを読んだ人
もっと楽な方法があったら教えてください。いや、私はもう泣きながら作業を終えたので、今後同じ思いをする人が楽をできるようにお願いいたします。