見出し画像

キルヒホッフの法則【電験三種:理論】


1.はじめに

キルヒホッフの法則は、オームの法則を拡張した法則である。
第1法則と第2法則から構成されており、複雑な電気回路の計算に対処することができる。



2.キルヒホッフの第1法則

電気回路の接続点に流入する電流の総和と流出する電流の総和は等しい。

キルヒホッフの第1法則は、電流則とも称されている。


3.第1法則(電流則)の適用例


電流則の適用例①


電流則の適用例②


電流則の適用例③


電流則の適用例④


電流則の適用例⑤


4.キルヒホッフの第2法則

電気回路の閉回路内の起電力の総和と電圧降下の総和は等しい。

キルヒホッフの第2法則は、電圧則とも称されている。


5.第2法則(電圧測)に必要な知識と約束事



閉回路

閉回路とは、出発点から一筆書きで元の位置に戻る回路のことをいう。
閉回路の方向は、時計回りでも反時計回りでもかまわない。

起電力

電源の電圧を起電力と称している。


電源の起電力の基準方向

電源の起電力の基準方向は次のように設定する。

電圧降下

抵抗の電圧を電圧降下と称している。

電圧降下の基準方向

抵抗に流れる電流の基準方向の逆向きに設定する。

電圧則を適用するときの約束事①

閉回路の方向と電源の起電力の基準方向が同じときは、+(起電力)として電圧則を適用する。

電圧則を適用するときの約束事②

閉回路の方向と電源の起電力の基準方向がのときは、-(起電力)として電圧則を適用する。


電圧則を適用するときの約束事③

閉回路の方向と抵抗の電圧降下の基準方向が同じときは、-(電圧降下)として電圧則を適用する。


電圧則を適用するときの約束事④

閉回路の方向と抵抗の電圧降下の基準方向がのときは、+(電圧降下)として電圧則を適用する。


6.設定例

・起電力の基準方向の設定
・電流の基準方向の設定
・電圧降下の基準方向の設定
・閉回路の設定
・閉回路の方向の設定

電気回路に施した設定(予め施されている設定を含む)に基づいてキルヒホッフの法則を適用する。




例題1

下図の回路に流れる電流I[A]を求めよ。
ただし、キルヒホッフの法則を適用するものとする。


解答




例題2

下図の回路に流れる電流[A]を求めよ。
ただし、キルヒホッフの法則を適用するものとする。


解答



例題3

下図の回路に流れる電流I1[A]、I2[A]、I[A]を求めよ。
ただし、キルヒホッフの法則を適用するものとする。


解答


いいなと思ったら応援しよう!