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「ODD ZINE vol.7」刊行特別企画 ~雑談の延長~

※本屋 Title(東京・荻窪) で 2021/9/25~10/12に開催した『ODD ZINE vol.7』刊行企画<作家たちの古本屋>の展示会場でのみ掲示していた二子玉川 蔦屋家電の書店員・松本泰尭(まつもと・やすたか)さんのインタビューを公開いたします。

聞き手・構成補助:太田 靖久(「ODD ZINE」企画編集)/撮影・構成:伊藤 健史(ライター)

二子玉川松本さん

〈プロフィール〉
松本 泰尭(まつもと・やすたか)
大学で映像を勉強。大学を卒業後、広告代理店勤務を経て、本の仕事に憧れて二子玉川 蔦屋家電のオープンより勤務。人文・文学のジャンルを担当。得意なジャンルは海外文学(好きな作家はジョナサン・フランゼン、コルム・トビーン、J.M.クッツェーなど)。
また映画、音楽、野球(主にメジャーリーグ)の分野も得意。好きな球団はサンフランシスコ・ジャイアンツ。


太田:松本さんはいつ頃からここで働かれているんですか?

松本:2015年のオープンのタイミングで働き出して、人文書担当として、といっても文芸書も担当しているんですけど、6年くらいになります。

太田:オープニングスタッフということですね。その前もやはり本屋さんだったんですか?

松本:いえ、全く別の仕事をしていました。広告代理店にいまして、そこでCMの放送枠を精査したり、裏方っぽい仕事をしてたんですけど、大学を卒業してから3年ぐらい働いて、本当にこれが自分のやりたいことなのかなと考えだした時に、やっぱり本が好きだから本に携わる仕事をしてみたいと思いました。それで本屋さんがいいなと思って、会社を辞めてすぐにチェーンの本屋さんで働いたんですけど、レジ締めとかの作業ばかりで、やりたい仕事に直結してないような気がしていた時、ちょうど二子玉川に蔦屋家電という新しいお店ができるという広告が新聞に出て、こちらの方が自由度が高そうだし、オープニングなのでいろいろやれるのではと考えたのですぐ移ってきました。

太田:なるほど、本が好きだから本屋さんで働くという直球な動機ですね。

松本:本が好きで本に関わる仕事がしたいなあとぼんやり思っていた時、内沼晋太郎さんがB&B(本屋B&B・東京都世田谷区)で本屋講座という、自分で本屋を開こうという人向けの講座をやっていたので参加してみたんですけど、そこでいろんな本屋さんの話とかも聞けて、いつか本屋さんを開きたいみたいな気持ちにまでなっちゃって。でもまずは経験を積むために本屋さんで働こうとなったんですね。

太田:ではおいおい独立も考えていると。

松本:やりたいなと思っているんですけど、実際に働いてみてすごく厳しい業界なんだという現実がわかってきた感じですね。なかなか利益を上げるのが難しいと実感しました。

太田:そういう業界の中で、松本さんなりに工夫していることはありますか?

松本:この店の中で売上を上げるための工夫みたいなことは当然しています。ただ、自分がいざお店を開いた時にどういう工夫をすればいいかなっていうのは、まだあまりこれという明確な答えはないんですけど、場所をきちんと考えて開く、たとえば本屋さんが少なくて、それでいて文化度が高いところとか、そういうのは考えています。

太田:今働いているここと、将来独立してやる時とはなんとなくモードというか考え方が違う予感があるということですか?

松本:そうですね。ただノウハウが活かせる部分はあると思っています。本だけじゃ利益を上げられないことはわかっているので、たとえばB&Bだったらビールとか本以外のものを販売したり、イベントをしたりしていますけど、そういった商品流通だったり、イベントをやるんだったら出版社に連絡してそのあとどうするのかとか、ノウハウは独立しても活かせるかなと思っています。

太田:では、この店のために工夫してることというのは何ですか?

松本:バランスを大事にしています。新刊書店なので、やはり世の中で注目されている作品をしっかり揃えなければいけないのですが、そうなるとこの店のトーンとちょっとずれていくところもあるんです。周りには紀伊国屋さんや文教堂さんがあって、この2店はもうザ・本屋といった感じで本がメインの商材なんですけれど、ここは本に加えて雑貨や家電もあって、本を探しに来るお客様が全員というわけではないので、そこに対応した提案が必要になります。世の中で売れている本と、それプラス「他の本屋さんにはない本がここで手に入る」というようなチョイスをしていかないといけない。なので、売れている本7割で、セレクト3割くらいといったバランスを維持するということは心がけています。

伊藤:蔦屋家電なりの味の出し方というのをもう少し具体的にいうと、掃除機を打ち出していたらインテリア系の本を前面に出すとか、そういう感じでしょうか。

松本:家電に近いジャンルというのがありまして、生活家電だと生活型の本だったり、調理家電には料理系の本だったりするんですけど、私が扱っている人文書は家電とリンクするところが少ないんですね。でも生活の中で考えたときに、人文書系は人がものを考える脳の部分みたいなところがあって、どのジャンルにも寄ろうと思えば寄れるという点もあります。そこは他のジャンルとのバランスをとりながら、直接生活には関わりが薄いかもしれないけれど、つながりができるような売場にしたいとは思っています。

太田:会社的な方針とかはあるんですか?人文書の位置づけみたいなこととか。

松本:会社としてはなくて、店舗ごとの各ジャンルにコンシェルジュというスタッフがいるので、そのコンシェルジュが考えている売場のテーマに合わせる形になってきます。私は人文のコンシェルジュという位置づけですね。

太田:生活系がメインの中で人文を接続させるっていうのは、根幹にあるとはいえ、距離を感じる人もいると思うんですけれども。

松本:そうですね。実際どこまで接続できるかというのは難しいところがあって、どちらかというと他の全ジャンルに接続されやすいという特色があるので、たとえばインテリアの本のところに小説を置いたりとか、料理書のところに料理系のエッセイや小説を置いたりと、なんというか、こちらから寄っていくより他のジャンルが寄ってくるという。

太田:ユーティリティカードというか、ジョーカー的な部分もあるんですね。その接続でうまくいった体験はありますか?

松本:去年、特にコロナでお休みしている時はEC(電子商取引)に力を入れようということになって、ただ本をネットで売るんじゃなくて、たとえばコーヒーメーカーと一緒にコーヒーを飲む時に読みたい本を選び、サイトで一緒に展開する企画を考えてやりましたね。実際売れたのは家電の方が多かったですけど(笑)

太田:でもその本がちゃんとフックになったかもしれないから、必ずしも失敗ではないですよね。

松本:そうですね。この店らしい打ち出し方ができたんじゃないかなと思います。

太田:まだこれから改善の余地はありそうですか?

松本:家電とは実際流通の販路が全然違うという問題があるんですね。なので、そこを一緒にしていくのがすごく難しいというのもあるし、単価的にもお客様の商品に対する接し方が違うので、そこを突き詰めるのは結構難しいかなと感じてたんですけど、雑貨はより近いので、本と一緒に雑貨というのはまだまだいけるかなと思っています。

太田:物語を想像するっていう話に近い気がしますね。さっきのコーヒーメーカーみたいな感じで、お客様のライフスタイルをイメージして、それのさらなる拡張を提案するということにおいては雑貨が1番身近というか。

松本:価格帯であったり、あと特性として何か本に近いというのはあるので。

太田:文房具を扱ったりする本屋さんもすごく多くなってますし。

松本:そうですね。その中で雑貨のチョイスも他の所にはないものを見つけていかなければと考えています。その商品が置いてあることで本がより際立つようなものですね。

伊藤:松本さんは人文コンシェルジュですが、雑貨のチョイスにも関わったりするんですか?

松本:します。コロナ前ぐらいまでは雑貨の展示会に行って気に入った商品があったらメーカーとその場で名刺交換をして、後日商談して、取引をしてといった具合に。

伊藤:具体的にバイイングした事例を教えていただけますか?

松本:石鹸とかですね。高級なチョコに見える石鹸があるんですけど、それを展示会で見て面白いなと思って、バレンタインの時期にやりたくて、メーカーとやりとりして取り扱わせてもらって恋愛小説などと一緒に打ち出しました。

伊藤:へえー、面白いですね。

太田:そういう仕掛けは年にどれぐらいやっているんですか?

松本:定期的に1ヵ月から1ヵ月半位のサイクルで回っていくので、年に6、7回くらいですかね。

伊藤:石鹸ともう一例ぐらいありますか?

松本:今は、野球帽を置いてたりするんですけれど。

太田:野球関連の本と一緒にということですか。なんで野球なんですか?

松本:ちょうど今、「世界を旅する夏」というテーマでフェアが組まれているので、オリンピックやメジャーリーグでの大谷選手とかの活躍に関連して野球にフォーカスしました。

太田:なるほど、大枠があるんですね。全体のテーマがあって、各部門ごとにさらに具体的なテーマにフォーカスしていくという。

松本:そうですね。去年から始まりました。それまではみんな自由にやっていたんですけど、今は大枠が決まって、そのテーマに沿って雑貨を選んでそれに本を合わせていくというやり方をしています。

太田:その方がやりやすいかもしれないですよね。

松本:バレンタインの石鹸はまだそういう大枠が決まっていない時期だったので、自分でこのスケジュールだとバレンタインに合わせられるなと考えました。

伊藤:成果としてきっちり数字が出たという時もあれば、外したみたいな時もあるんですか。

松本:雑貨っていうのは低価格だから売れるというわけでもないし、なかなかやってみないとヒットするかどうかわからない部分があります。

太田:雑貨のコンシェルジュもいるんですよね。そういう時は密にやりとりをしたりするんでしょうか。

松本:雑貨のコンシェルジュのストックからこういう雑貨があるというのを共有してもらえるので、それ見て合う商品をセレクトしたり、あとは自分が今まで直接やってきたメーカーさんと、前回とは違う切り口で別の本と合わせてこういう打ち出し方にしよう、みたいな企画をしたり。

太田:面白いですね。でもそれだと人で決まってくる部分がかなり強くないですか?たとえばそのコンシェルジュが抜けたりしたら売場も変わっちゃってゼロスタートみたいな。

松本:その可能性はあります。ノウハウみたいなものがあるわけではなく、本当に個人の裁量による部分が大きいので、人によって全然違ってきたりというのがありますね。

太田:やはりノウハウの共有は難しいですか。

松本:難しいです。そこのノウハウを作っちゃうと面白くなくなっちゃうところがあって、そこは個人の個性をできるだけ活かしてというふうにしているので。

太田:その個性を活かすための教育といっちゃうとアレだけど、会社の方針の講習みたいなものはあるんですか?

松本:メーカーさんとのやり取りとか仕事の進め方について、最低限こういうことをした方がいいとかはありますが、企画や考え方について「ああしろ、こうしろ」という細かい指示は全然ないですね。

伊藤:その代わり結果に関してはかなりシビアだったり?

松本:数字が取れなかったら「なぜ売れなかったのか」という検証は当然しなければいけないですが、ただやったことに対して「なんでやったんだ」みたいなことは言われないのでそこはかなり自由度が高いですね。

太田:それだと安心して自分のアイデアをダイレクトに反映させられるから、ストレスは少ないかもしれない。

松本:他の雑貨屋さんに行った時にいい商品を見つけて自分の売場でも展開したいと思ったら、雑貨チームと相談して、実績あるメーカーだったら連絡を取って使いましょう、というふうに自分の思いつきみたいな感じで動くことができるので。

太田:そういう目線で街を見たり店を見たりする感覚も身に付いていくんですね。
単純に雑貨でも本屋さんでも好きなお店はありますか?独立を考えているとも伺いましたけど、たとえばこんな本屋みたいにできたらいいみたいな話でも。

松本:本屋さんとして好きなのは千駄木の往来堂書店さんです。雑貨とかは扱ってないんですけど、「そこの街の本屋さんになっている」感じがすごく好きです。一見、独立系書店っぽくない店構えだけど、よく見てみたらすごくチョイスされている。
独立系の本屋さんってちょっとおしゃれな感じの店が多いじゃないですか。お客さんもおしゃれな感じの若い人とかが多いいんですけど、往来堂さんはそれだけではなく、地元の人が週刊誌みたいなのを買いに来たりしていて、そういう感じはすごく好きです。

太田:確かに往来堂さんは街の本屋っぽいけど、なにかワクワクさせるものがありますよね。

伊藤:整理されすぎてないところとか。

松本:売れているベストセラー本も置きながら、しっかりセレクトもされている。本屋で働いてる自分も初めて見るような本もあったりして、そこはすごいなと思います。

太田:職場の話に戻りますが、今やっていることにプラスして何か乗っけられると思うことはありますか?イメージはしているけどまだやれてないこととか。

松本:職場ではあまり言ってなくて、まだぼんやりしていて実現できるかもわからないんですけど、本作りに興味がある同僚が本を出したいと言っていて、ただし自分がやりたいのは本のデザインで、肝心な本の中身に関してアイデアがないので僕に中身を書いて欲しいと。そういうことで、小説をコツコツ書いています。出来上がったら同僚と一緒に自費出版みたいなことをして、あわよくばこのお店で取り扱いができればと(笑)

太田:先輩というか、上司の北田博充さんがそういったことをやられていますし、身近に感じるのかもしれません。組み合わせや提案じゃなくて、モノを最初から作りたいということですね。お話を聞いていると独立しなくても居心地よそうだなと思って(笑)、やりたいこともやらせてもらえているようですし。

松本:独立よりも前に、別の店に行ってみたいという気持ちがちょっとありますね。ここの他に代官山蔦屋書店とか柏の葉蔦屋書店などがあったりするんですが、やはり店舗によっては強化しているジャンルが違うので文芸書の展開のボリュームが小さかったり、専任のコンシェルジュがいない店舗もあったりするみたいで。

太田:個人の能力に依拠してることのメリットとデメリットがどうしてもありますよね。

松本:ノウハウ化しようとして書面化したとしても、やっぱりこの人がいないとできないというのもあるので、別の店舗に行ってみてゼロからまた変えていくことはしてみたいと思っています。

太田:業態も特殊だし、その中で生まれる新しい目線みたいなものがたぶんあったはずだから、そこを経験するとまた次の目線みたいなものが出てくる可能性は十分ありますよね。松本さんはすごく考えがしっかりしていて淀みない感じなんですが(笑)、今までで何か失敗したみたいなことはないですか?

松本:細かい失敗は結構ありますよ(笑)。イベントの失敗とかは多いですね。オンラインのイベントで録画しなきゃいけないのに録画できてなかったりとか。本に関しては当然のように日々本が入ってきますが、発注をしていないと入ってこないのでそういうのはいつもドキドキしながら抜けの無いようにしています。このお店の自由度が高いところでもあるんですが、コンシェルジュがセレクトだけでなく、冊数まで決めて発注しているので僕が発注しないと入ってこないんです。

太田:6年間働いてきて変化してきたことって何かありますか?コロナは決定的だったかもしれないけど、それ以外で時代とか、このスパンだと微妙かもしれないですけど、その中でも何か感じてることはありますか?

松本:時代的なところはあまりないんですが、社会とかニーズに合わせてちょっとずつお店の形態も変えてきているところがあるので、自分の売場だけでいうとそこまで大きくは変わっていないんですけど、お店全体はかなり変わったなっていう感じがありますね。テナントがいろいろ入ったりとか、2階のカフェだったところが有料のギャラリーになったり。

伊藤:あと、業界ではここ10年ぐらいの大きな動きってやっぱりデジタルという部分なのかなと思うんですけど、その影響を感じたりしていますか?

松本:ECに関して家電はかなり変わっているんですけれども、書籍は大きくは変わっていないと思いますね。やはり主に地元の人たちが来て買ってくださっているという感じです。コロナ以降は旅行の本が売れなくなったりというのはありますが、文芸書のジャンルでそういうのは案外ない、というか文芸書ってそういう時代の流れとリンクしてるようなリンクしてないような部分があって影響を受けにくいというか。コロナを題材にした小説とかは結構出ていると思うんですけど、じゃあそれをみんなが買うかといったら意外とそうでもなかったり。

太田:書き手や出版社との、本に特化したつながりみたいなもののイメージはありますか?今だとイベントを打つとかになってくるんでしょうけど、それだけじゃなくて、もっとこうなった方がいいんじゃないかとか、ここが強化されれば、みたいな。

松本:そこはやはり1番は店舗でのイベントなのかなと思っていて、コロナ前までは地元の人たちとかがここに来ると著者の方の話が聞けたりというレアな体験ができて、それによって店舗がブランド価値を築いていくという面があるのかなと思っていたんですけど、コロナになってオンラインイベントが主流になると、全国のお客様から申し込みがあったりするんです。それって、たとえば北海道に住んでいる方が二子玉川 蔦屋家電のお店を知っていて、その情報を毎日チェックしてイベントをやるから見ようとなったのかというとそうではなくて、出演者の知名度とか、その人のファンで情報収集したらオンラインでやるらしいから見ようとなったのが大半だと思うんですね。それはとても素敵なことでもある一方、その出演者の知名度と、この店の魅力っていう部分の差を今のようにオンラインが主流になった時になくせるのかなって考えたりしてるんですけど、物理的に距離があるのでなかなか難しいなと。

太田:やっぱりリアルの方がお店に対しての売上げだけじゃなくて、ブランドを育てる意味でも貢献度は高いということなんですかね。

松本:やっぱり来ていただければ「このお店ってこういうお店なんだ」と感じてもらえるし、場所としての記憶というのもあると思いますけど、オンライン上だといくらお店の風景が映っていたとしても、このお店がどういうお店なのかなかなかわかりづらいですし。

太田:イベントを見ることに加えて他にプラスの体験があるからですよね。オンラインだと見るという体験しかないけど、お店に来るという体験はそれに付随するいろいろなことがあるから。

松本:オンラインの場合の発展系としては、イベントをどんどん繰り返していくことで、まずは著者のファンで地方に住んでいる方とかがこのお店の名前を知ってもらって、その後もホームページとかをチェックして徐々に覚えていってもらったり、こういう店なんだ、家電って名前なのに本を売ってるお店なんだ、東京に行った時に行ってみたい、という気持ちになれるようなきっかけにできたらいいなと思っています。

太田:先ほど小説を書いていて本として出したいとおっしゃっていましたけど、現在の書店の在り方や取り組みとか、そういったところから少し外したようなところで、こうしてみたいという野望というか欲望みたいなものはあったりしますか?

松本:今のところは本を作りたいというのがプライオリティーとして1番強いですね。大学の時に映画を勉強していて、脚本を書いて自主映画を作って、なんか映画監督になってみたいなってぼんやり思ったりもしたんですけど、それって人と一緒にやらないといけないじゃないですか。指示出しとかするのがすごく苦手で、ダメだなと思って。

伊藤:ディレクションのストレスってありますよね。

松本:なので、脚本書くだけだったらいいかなあと思って書いてみたんですけど、脚本だと何か物足りない感じというか、セリフだけで表現するって難しいなと思って、だったら情景描写も入れたらもっとわかりやすく書けるんじゃないかなと思って。

太田:そのあたりは僕も一緒ですね。大学で映画を作ってたりもしてましたが、1人で書く方がいろんな意味で楽というか、卒業すると人を集めるってこと自体が一苦労だし、それで何かを作るとなるとプロジェクトになっちゃうからあまりに手数が多すぎて。そうなると、松本さんの場合は独立して自分で本屋さんをやりながら、レジのところで文章を書いてるっていうのが理想なのかもしれませんね。

<2021/8/27 二子玉川 蔦屋家電 にて>

二子玉川 蔦屋家電  https://store.tsite.jp/futakotamagawa/
東京都世田谷区玉川1丁目14番1号 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
営業時間(1F・2F BOOK売場)10:00〜20:00


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