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読書調査と見切られる物語

毎年調査している子供の読書調査の結果を見たのです。

「学校読書調査」の結果 公益社団法人 全国学校図書館協議会

ここでも何度か触れていますけれども、今の子供は、学校で朝の読書運動等をしている結果、読書量は増えています。リンク先の記事で見ると小学生四年生から六年生で不読率は1割以下の6.4%、1カ月の平均読書数が13.2冊。平均ということは1日1冊ペースで読んでる子もいるのではないか、というすごい数字になっています。

過去31年分のグラフも載っていますが、2000年代になってから、平均読書数は波はあれどずっと増加傾向ですね。

このデータを見ると出版界が考えなきゃいけないことは、小学生の時はこんなに読んでいるのに、それを大人まで引っ張りきれていないことだと思います。

中学生になったらちょっと読まなくなるのはしょうがない。部活に入って時間がなくなってる子がいるはずだからです。

ただ、中学から高校だと、むしろ中学の時には運動をやっていたけれども高校では続けなかったという人も出ているはずなので、ちょっと読書時間が増えてもいいぐらいじゃないかと思うんですけれども。

なのにがくっと減ってる。不読者が18.6%から51.1%、平均読書数4.7冊から1.6冊。読まない人が三倍近くに増えているから、平均が落ちているのは当然で、多くの子に読書つまんないと見切られてるっていうことですよね。

ぶっちゃけ、出版物のラインナップを見ていたら、内容が偏ってるなあと感じるので、しょうがないと思います。

ただ、この問題は卵が先か鶏が先かという難しいジレンマです。人気のあるジャンル、流行りの傾向にのっとった方が、スタートダッシュが効くので、売りやすい。当然そういう作品が多く生き残り、それを好きな読者がそこに残り、ますますスタートダッシュに差がついて……というサイクルになっている。

出版社の側が意識的に、「実は物語が苦手なわけではないのだけれど、好きなお話がないから読まない、読むきっかけがない」という子に、継続的にアプローチして裾野を広げるしかないと思うのですが、少子化でどんどんリターンが小さくなっている中で、そういう反応が薄そうなところにリソースさけるかというと、なかなか大変そうですよねえ。

僕が何を書くべきなのかという問題にもつながっているので、注視しているんですけど、どうなるんでしょう。

(ブログ『かってに応援団』より転載)

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