クローン04 第4話
四 何で私を
警戒していたはずだった。
シロウから立ち上る、ただ者ではない気配。それはリンスゥが臨戦態勢を取るのに十分なものだった。それだけ警戒していたのだから油断などない。リンスゥの意識がそれたのは、本当に刹那の間だ。コンマ一秒かそれ以下。本来であれば、隙と呼べるほどではない。
それでも背後に回り込まれた。シロウの力量が、リンスゥの想定を上回っていた。
隙ではないはずの一瞬が、致命的な隙となった。身をかわす動作も間に合わず、人体の急所も急所、頸椎に一撃を食った。
完全な敗北。ここまでかと思った。
だが。
想定されたダメージが、まったく来なかった。
「?」
リンスゥは即座に距離を取って振り向いた。一撃目はかわせなかったが、追撃に備え身構える。
しかし初撃のダメージのなさはどういうことかと、いぶかしんで見つめる先で、シロウは先ほどまでのただ者ではない気配はどこへやら、気さくな雰囲気を取りもどしていた。手に持つ「銃」を振りながら、柔和な笑顔で話しかけてくる。
「ごめんごめん。テレメトリを切断したんだよ。この近所に受信機はないはずだけど、念のため。とにかく早く切りたくて、説明後回しにしちゃった。ごめんね」
「??」
その豹変振りにとまどうリンスゥ。表情に出たそれを見て、シロウは言葉を続ける。
「ああ、やっぱり知らなかったね。まあ、犯罪組織がその辺ちゃんと説明してるわけないと思ったから、手間取りそうで後回しにしたんだけどさ。クローンにはこの辺にチップセットが入っててね……」
シロウはちょっと身体をひねって、自分の首の裏、肩からつながる首元の辺りを指差した。
「外部へバイタルのデータを定期的に送るようになってるんだよ。送る先は販売元。リモートチェックできるようにね。おかしくなったらすぐに調整にかけつける、アフターサービスの一つさ。戦闘用クローンの場合はダメージを負う機会も多いので、通常よりさらに事細かに情報を送るように設定されてるから、そいつをとりあえず止めたんだ。この銃みたいなのは、強制的にゲートを開くための道具だよ」
シロウの言う通り、そんな仕組みが自分に備わっているとは、リンスゥは知らなかった。組織で説明をされたことはなく、出荷前に刷り込まれた知識からもぬけ落ちている。使われる道具に、余計な知識は不要ということだ。
首の裏をリンスゥはそっとさする。そんな物がここに入っているのかと思うと、少しむずがゆい。
「さて、そいつはそのままにもできるけど、日々のメンテナンスをちゃんとしないと、君の機能のいくつかはコンディションが落ちてっちゃうんだよね。チップセットのプログラムを書きかえて、ここでメンテできるようにするけど、いいかな?」
シロウはリンスゥの面倒を見る前提でしゃべっている。
リンスゥの素性をだれも知らないということを指摘していたのに、どうもそれを言った当の本人も気にしていない。本心をかくしているのではと疑っていたが、どうやらそうではないらしい。
もしリンスゥを危険だと判断していたのなら、先ほどの攻撃がその危険を排除する千載一遇の機会。テレメトリを止めるような干渉ができるなら、他にも行動を制限する色々な手が使えたはずなのだ。
直接害を与えられることはなさそうだ。だがシロウの別の本心、リンスゥを受け入れてくれる理由はわからない。マリアは同じ顔をしているからと言っていたが、それだって与えてくれた親切とつりあわないと不思議に思っている。なのに、シロウにはそんな根拠の薄い理由さえ見えない。
とまどうばかりのリンスゥ。しかし目の前のシロウを見つめても答えはわからない。
その視線にシロウは小首をかしげる。自分の沈黙で返答を待たせていることに気づき、リンスゥはさまよう思考を遮断して、とりあえずうなずいた。
「ОK。じゃ、ここに座って。さっきは強制的に止めたから、電気が走ったみたいになったと思うけど、もうゲートは開いているんで、今度は大丈夫だから」
差し出された椅子に腰かける。
シロウはリンスゥのうなじにかかる髪をかきあげ、導線がメッシュ状に走る小さな粘着パッドをはりつけた。かたわらのモニターをのぞき込みながら、キーをたたく。
「ん……っ」
最初ほどではなかったが、それでも少しぞくっとくる感覚があった。リンスゥは小さく身じろぎして、口元からかすかな吐息をもらす。
「マリアがああ言ってたけど、用心棒をしてくれるってことでいいのかな?」
「あ、ああ」
「じゃ、このビルのセンサーともつなげておこう」
シロウがそう言ってキーをたたくと。
リンスゥの五感の上に、新たな感覚がかぶさった。今見えている視界に重なって、さらに別の映像が見える。
表向き大げさな反応は見せなかったが、いきなりの事態にリンスゥはおどろいた。また自分の知らない新たな機能が使われたのだ。シロウが説明する。
「この建物の赤外線センサーとつないだよ。あと、窓なんかにも防犯センサーが付いてるから、それともつながってる」
赤外線センサー。物体の出す熱を感知するセンサーだ。この部屋だけではなくて、壁をすかして他の階の様子もわかる。あの明るい光は、厨房のコンロらしい。人の姿も浮かび上がった。お客さんが食べている、あつあつの料理も。
「君は民間に卸されたからこういう機能は使ってなかったけど、軍用だと、偵察用ドローンからのデータなんかをこうやって共有するんだよ。いつも見えてると面倒だから、意識下にしまうね。いつでも呼び出せるから」
赤外線の画像がすうっと見えなくなって、いつもの視界にもどった。
リンスゥはシロウに教わって、視界切りかえの方法を学んだ。スイッチを入れるようなイメージで意識を集中すると、また出てくる。消すのも同様。しばらく練習を続け、瞬時に切りかえられるようになった。
他にもこまごまとシロウは手を加えていく。
リンスゥ自身、それによりはっきりと自分の身体のコンディションが上がっていくのを感じた。メンテナンスをしないと落ちていく、というシロウの言葉は本当だった。
ただ、組織にいた時にこんなことをしていた記憶はない。こんな高度な作業ができる人材も、組織にはいなかった。その疑問を口にすると、基本的なメンテナンスは寝ている時に自動で行えるよう、機材もいっしょに卸されているのだとシロウが教えてくれた。いつも使っていたベッドに組み込まれていたはずだという。
自分のことを何も知らないのだ、という事実が、次々と新鮮なおどろきをリンスゥに運んでくる。
それに、その知らないことを、シロウがきちんと説明してくれるということ自体が、リンスゥにとって新鮮な体験だった。
道具に必要ない知識は伝えないというのが、今まで当たり前のあつかいだったのだ。それは自分の身体が自分のものではなかった、ということと同義だった。そんな自分に、シロウは労力をおしまず、リンスゥの身体についての知識を伝えてくれる。
さらに、何日も放置し環境の変化にもさらされたリンスゥのメンテナンス、それ自体も、思いのほか手間がかかるものだった。だがそれに対しても、シロウは気にするそぶりを見せない。
「一度セッティングしてしまえば、ここにも自動で行える設備があるんだよ。ただ、正規品じゃなくて自作の機械だから、最初の一回目はいろんなパラメータを全部手動でいじらなくちゃいけなくて、時間がかかるんだけどさ。でもここでしっかり手をぬかないのが、後々楽をするために肝心なのさ」
そう言いながら、むしろ鼻歌交じりで作業を進める。
時々マリアが様子見がてら、食事やおやつを届けてくれた。昼前から一日がかりで、ようやく一通りの設定が済んだ。
「さてと、あとは……と。ふむ」
シロウは顎に手をやりモニターをのぞき込む。
「君の仲間は君をふくめて五人。君以外は死亡。で、君が行方不明になってる。これが販売元に送られたテレメトリのデータだよ。うん、よかった。やっぱりこの辺は受信設備が手薄だ。君の細かいデータは届いてない」
モニター画面をリンスゥにも見せて、説明してくれた。
「販売元は君の組織の本拠をおそった相手にも、クローンを卸してる。君の仲間のうち三人は、どうも襲撃の時にそれと相撃ちになってるね。相手のクローンも全滅だ。もう一人はどうしたのか、テレメトリだけでは読めないな……」
びくりと、身をすくませるリンスゥ。
原因不明で亡くなっているクローン。それはリンスゥが手をかけた、リンサンだ。
自分がリンサンの頚動脈を斬った、あのシーンが脳裏によみがえった。
かがみ込むリンサン。その白いうなじ。そこに一本の赤い筋が走る。
赤い筋はぱっくりと割れ、そこからおびただしい血流がほとばしる。
リンサンがこちらを向く。驚愕の表情。
自分と同じ顔が自分を見つめたまま、ゆっくりと倒れていく。
自分を殺したような気がした。
シロウはそのリンスゥの表情の変化に気づいたはず。けれど何事もなかったかのように続けた。
「……まあ、このまま行方不明だと調査の手が入るかもしれないので……と」
別のデータを呼び出す。
「都の遺体保管所に……適当なやつが……と、あった。身元不明、女性、身長、体重ほぼ同じ。こいつの外見データを書きかえとけば、何日か後には遺灰しか残ってないので、わからないっと」
エンターキーをたたく。ステータス画面がぱっと切りかわった。
「あの……いいのか……?」
「え? ああ、違法なんだけどさ、俺はこの手の仕事で飯食ってんの。情報収集と、時にはちょっと、こんな悪さもね。こうした街じゃ、そういう需要があんのよ」
「え……と、そうではなくて」
今日一日、リンスゥはずっととまどいっぱなしだ。ここの人たちが、リンスゥのことを、背景を気にすることなく受け入れてくれるからだ。
マリアは同じ顔の人に悪い人はいないと言った。シロウもまったく気にしていない様子。だが、ただ親切な人だからで済む話ではないのだ。
マリアは最初にリンスゥが口ごもった時に、訳ありであることはわかっていたはずだ。シロウに至っては、ジンロン会壊滅の裏話をうわさとして聞いていて、テレメトリの情報とそれを知ったリンスゥの様子もしっかり見ている。何も言わないが、リンスゥが組織を裏切ったこと、仲間を手にかけたことも気づいているのではないだろうか。
なのに二人とも、そこにはふれずに、リンスゥをむかえいれようとしているのだ。さらにシロウは違法行為に手を染めてまで、リンスゥを助けようとしている。
私のためにそんなリスクを負っていいのか、と聞こうとした時、マリアが元気よく部屋に飛び込んできた。
「シロさん、終わったー?」
「おう、もういいぞー」
「あんな所にうずくまっててさ、疲れてるでしょー。ちょっと早いけど今日はもう寝たらいいよ」
そう言ってリンスゥの手を取ると、別の階へと連れていった。
この建物は一階が店舗になっていて、二階以上が住居スペースになっているようだ。シロウの作業部屋だか寝室だかわからない、あの混沌とした部屋は最上階で四階。さっきシャワーを浴びたバスルームは二階で、どうやらその階は生活スペースになっているよう。今度連れていかれたのは三階だった。
三階の一番奥まったところにある部屋。入ると、ベッドが一つ。そしてわきに山と積まれた荷物があった。物置だったようだ。
「ごめんねー、荷物全部片付けきれなくて。明日にはきれいにするね。ベッドはシーツも布団も新品! きれいだよ! はい、これパジャマ。着がえて、着がえて!」
リンスゥがわたされたのは、薄いピンク地に小さな花が散りばめられた、かわいい柄のパジャマ。袖を通す。
「うん、ぴったり。同じ型のクローン同士だと便利だね! じゃ、ゆっくり寝てね! お休みー!」
ちゅ。
ほっぺたに軽くキスをして、マリアは去っていった。
リンスゥはその頬を手の平で押さえた。何かそこだけ温かいような気がする。
何でみんな今日会ったばかりの私を、すんなり受け入れてくれるんだろう……。
パジャマの裾をちょっと持ち上げてみる。かわいらしいフリルのかざり。胸元にはリボンも付いている。ゆったりしたデザイン。肌ざわりのいい生地が心地いい。
寝るために着がえる物になんて、今まで気を使ったことなんかなかった。下着姿、少し寒ければそこにシャツを羽織るぐらいで、いそがしければ着の身着のまま仮眠を取るだけということも多かった。
ぽふ、とベッドに腰かける。やわらかな布団。ふわふわしていた。
軽く手のひらでたたいてみる。
ぽふぽふ。
横になる。
ぽふ。
まっさらなシーツはいいにおいがした。
暖かな布団にくるまれ、リンスゥは何日かぶりに、ぐっすりと眠った。
窓はなく明かりを消された部屋。薄暗く冷ややかな光が、コの字型に並べられた長机の上で咲いている。
十分な広さ、しっかりした調度。ここは大きなオフィスの会議室。十人ほどのスーツ姿の男たちが座り、各々の手元にあるタブレットの明りで下から照らされている。光を浴びたその顔は、皆一様に厳しい。
片側の壁には映像が映し出されている。
そこにあるのはむごたらしい惨状。暗い建物の中、至る所に転がる死体。まるで沼地のように足元に広がる血だまり。
一番の年長と思われる恰幅のいい男が声をかけた。
「みんな概要に目を通したか? じゃ、クロサキ君に報告してもらおうか」
「はい」
上司と思しきその男に指名され、若い男がうなずいた。
細身で長身。しかしやせているという感じはなく、引きしまった力強さを見せていた。表情もするどく、知性を感じさせ、一目で切れ者とわかる。
リンスゥの所属していた組織ジンロン会のアジトに現れた、その男である。
クロサキはタブレットを操作し、プロジェクターの画像を切りかえていく。
「新宿南西地区抗争の件、テレメトリ異常の報告を受け現地調査に向かいましたが、やはり懸念されるように、一体が異常行動を起こしたようです。同僚を殺害、任務を放棄したと見られ、それが発端となり抗争に発展した模様です」
男たちの間にざわめきが広まった。
「なんてこった、不良品か。原因は?」
上司の質問に、クロサキはプロジェクターのデータ画像を示しながら答える。
「現在データ解析を行っていますが、テレメトリ回線が脆弱な再開発地区での活動が多いので、特定にいたるかどうかは……。基本バイタル信号さえ入っていない時間帯もあるので」
「刷り込みの問題か?」
「可能性はあります」
「ブランド毀損の危険があるぞ。対策は講じたかね」
「ええ」
「ふむ」
その対策の一部が、まさに先ほど映し出されていた光景だということは、その上司のみならず、この場の全員がわかっている様子だった。
だが、それに不快な顔をしている者は一人としていない。皆、当然の行為と受け止めているようだ。上司は口の端をゆがめ、意味ありげに笑った。
「どの対策を取るかは君に任せて、口をはさまないこととしよう。とにかく善後策をどうするかだ。警察には?」
「すでに手を回しており、コントロールできる状態です」
「よし。力の空白ができるわけだが、他地区の状況は?」
他の男にたずねる。中肉中背で、糸目の人のよさそうな男。こちらも手元のタブレットを操作すると、プロジェクターの画像が切りかわる。
色分けされた周辺の地図が映った。一部に空白がある。そこに周囲の色がにじんでいた。
「すでにいくつかのグループがこの地区に入ろうとしていますね。興味を持っている、というレベルであれば、さらに他にもいくつかそれらしき動向の見えるグループがあります」
「衝突は起きそうかね」
「おそらく。安定するには半年はかかるかと」
「では、そこは商機だな。周辺地区のセールスに力を入れよう。需要予測を立て、レポートを上げてくれ」
「はい」
「大陸の他メーカーの最近の動きは?」
この質問には、となりに座る同僚が答えた。
「はい。先だっての我々のキャンペーン攻勢に対し、やはりこちらでの巻き返しを図っていますね。かなり強引なセールスも目立ちます」
「新商品のうわさもあったが?」
「ええ、確かに。近々投入されます。ただ能力的には心配ないようです。本格的な新モデルではないようで……」
「ふむ、このあいだのスパイ掃討作戦が効いたか。あれもクロサキ君だったな。お得意の『コピー』をふうじたのはお手柄だ」
その讃辞に、クロサキは無言で頭を下げる。上司は先の男に続けた。
「能力値を見せてくれ」
「推定がふくまれますが」
「構わん。公称の詐欺スペックではない数字が知りたい」
一覧表がざっと出た。
上司はそれをじっと見つめて、指示を出した。
「コストパフォーマンスの部分をもっと強調するように、営業に伝えてくれ」
「はい」
「よし、それでは皆、これをよい商機に転じるよう行動しよう。すべてを利益のために」
『すべてを利益のために』
皆の唱和が会議室にひびいた。
その一言で会議は終了。プロジェクターが消され、部屋の明かりがつけられる。
足早に次の仕事に向かう者、何か相談するグループ。会議室にざわめきがもどる。
クロサキの元にも、先ほどの糸目の男が近づいてきた。
「ようクロサキ」
「タナカ」
タナカは身を寄せて、小声でたずねた。
「その個体だが、製造工程の問題か? 設計じゃないのか?」
大きな声では聞きづらい内容だ。この部屋には技術部門の人間もいる。向こうで固まって深刻な顔をしているのがそのグループ。事の重大さは彼らが一番わかっているだろう。
クロサキは一瞬そちらに目を走らせ、やはり向こうに聞こえないように答えた。
「さあ、それも調査中だ。今回は難しいな。データが少ない。もしやお前さんのグループの仕業ではと思ったぐらいだからね」
「ウチが? まさか、何で」
「現にセールスが伸びそうだ」
タナカは首を振り、肩をすくめる。
「ノルマをこなすために事故を装うのか? それはないね。確かにここ四半期、この地区のセールスは若干不調だが、西日本や大陸の方は伸びてるのさ。そっちでカバーできる。わざわざブランド競争力を落とすリスクは背負わんよ。『火消し』のお前の手はわずらわせないって」
「そうか。今後もそうだといいがな」
「それはウチの本部長しだいだな。おたくのとことは反りが合ってないらしいし。それより、その新型はどうだ。サユリ・ヘイスゥ・ブロック30。ええと、九十六号だっけ?」
タナカは部屋のすみに顎をしゃくった。
そこにはクロサキと共にアジトをおそったクローンが立っていた。
会議の間中そこにいたはずなのだが、気配はまったく感じさせていなかった。どこにも力が入っていない、それでいてすっと真っ直ぐ立った姿勢で、正面を見つめている。
自分が話題になっているのに、視線一つ動かさない。
「うむ。フィジカル、コーディネーション、スキル、どの数値も申し分ない。クロックアップ時反応速度は従来品に対し三十パーセント増し。仕様書通りだ」
「ひゅう。そいつはいい。それが次の主力商品だな。しっかりデータ取っといてくれ」
「ああ」
タナカは気安い感じでクロサキの肩を一つぽんとたたき、部屋を出て行った。
リンスゥと同じ顔をした、九十六号と呼ばれたクローンは、無表情のままだった。
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銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE
2016年から活動しているセルパブSF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』のnote版です。
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