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【読書記録】上級国民/下級国民 /橘玲

全世界で起きている、格差、分断の正体を暴いた本書の紹介。

■平成と令和の日本

日本のサラリーマンは世界で一番仕事が嫌いで会社を憎んでいるが、正解で一番長時間労働をしており、それにもかかわらず世界で一番労働生産性が低い。 
本書21ページより

これが日本の姿である。という。
平成の日本は団塊世代の雇用を守る代わりに、若年層の雇用は破壊した。
令和では、団塊世代の年金を守る20年になるだろう。
なぜなら団塊世代は政治家にとって票田であるから。

ここ数年働き方改革が進んだ理由は、団塊世代が引退したから。
=彼らの反対する改革をしようとする政治家は当選できないことは明らかだったため、だれもやろうとしなかった。

これは天動説から地動説へと移り変わったのと似ている。当時は天動説を指示していた人が死んでいなくなり、地動説が主流となった。

何かが変わる際は、人の考えが変わるのではなく、人自体が入れ替わることが往々にしてある。

令和の最初の20年は団塊世代の年金を守る時代となる。
政治家の考えは、この20年を何とかしのげば(対処療法的に保険料値上げ、医療・介護保険料給付の削減)、2040年頃には高齢化率も下がってくるという作戦。

耐え抜いた先の日本は、下級化しているだろうし、国家破綻した際には、多くの人が難民化する。そんな未来が待っているようです。


■リベラル化する世界


農業革命は人口爆発をもたらした。
産業革命は豊かさの爆発をもたらした。

この豊かさを背景に価値観の転換が起こった。
『私の人生は私が自由に選択する。』
ということ。現代ではあたりまでのこの考え方も、実は最近の新しい価値観である。江戸時代に自由恋愛なんてなかったし、職業も身分も決まっていた。

このリベラルな社会では、個人の自由(=自己実現)が重要視される。
その裏には、自己責任がついて回る。
この、自由と責任を突き詰めるた『能力主義』がリベラルな社会の本質である。
その反動として、トランプ大統領が誕生した。
彼の支持者は能力主義社会に取り残された人たちであった。

能力主義の流れは不可逆的であると感じる。


■知識・リベラル・グローバル化

知識社会は人々の適用範囲を超えた状態にある(ほとんどの人はiPhoneがどうやって動いているか理解していないが使っている。(=技術革新))が、
今後は誰も理解できない状況にまで発展するといわれる。シンギュラリティ (もはや魔術)

この流れによって、1%の特権層に富が集中する。

できることは、
高度な知識社会に適応した、人的資本の形成。
②評判資本を積み重ねて生きていく。
①の際のがある人は、幼少期から見出されている
そうなると生存戦略は②か。
豊かさの上にあるこの評価経済と知識経済を活用して、フリーエージェント化することが可能な時代となった。

■まとめ

ニッチを攻める戦略で評判経済を生きるという選択肢もあるということは知るに値することであると感じた。
これから令和の20年を見ても日本全体としては明るくはない、そして、シンギュラリティ間近の今。
全く先が見通せない状況であることは著者の他の書籍を読んでも理解してきた。全体としてはよくない状況であることは変わりはなさそうであるが、そのなかで個人としてはよくできる。コントローラブルなことに集中して自己の範囲を広げていきたい。

そのために、
認知を広げる行動。(最近のキーワード)
時間は有限であることを理解し、目標の関連すること行動する。やらないことはやらない。
ここのあたりを意識していきたいと感じる。




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