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結婚して26年が過ぎた

きしきし めりめり
冬はタイヤの音が
雪をゆるやかにおしつける
音がするたびカーテンめくる

ウソみたいだけど

毎回ちらちら
毎回わくわく

いったいいつまで私は車を
なごりおしく見送り
帰ってくるのが楽しみなんだろう

「結婚して
他人と家族になるということは
夢物語ではない

我慢することや
悲しいことは
波みたいに押しよせて
最初に感じた
愛や恋は月日と共に
どんどんすりへって
違う何かに変わっていく

だから君は
そのときの楽しさよりも
自分の親兄弟と同じか
それ以上に
自分を大切にしてくれる人を
探しなさい」

「金の国 水の国」より

 なんて愛おしくなる、大切にしたい言葉。

 ここに書いている夫と私は、穏やかでなんの困ったこともない夫婦に読めるかもしれない。
 だけど書いていないだけで、ケンカすることあるし、これだけ年数経ってくると互いにしんどいから面倒を避けているだけ。もう何度もエネルギー注いできてケンカするのは疲れた。
 夫へのわかってくれない思い。夫をわからない気持ち。行動が自由過ぎる夫。思わぬところで機嫌が悪い夫。
 どこで機嫌が悪くなったかわからないであろう私。きっと私のうっとうしい感情の起伏。いいかげんな私。無責任な私。
 互いに傷つけあった、互いの心ない言葉。

 それでもそれを上回る笑った場面。思いやりある言葉。愛あるストレートな言葉。
 素直な喜び。怒り。悲しみ。楽しさ。
 景色の美しさ。胸いっぱいの。
 感情の共有がなによりうれしい。
 子供の可愛さも。子供を大切に思う気持ちも。
 大好きなお笑い。音楽。漫画。映画の共有。
 
 すべてじゃなくてもたくさん話して、好きなことのどこが、なんで、どんな風に好きで嫌いで。言葉を積み。もちろんちがう部分もたくさんあって。

 思いやる気持ちを、忘れないようにしている。と思う。多分夫も。私も。時々疲れはしても。

 どっちかだけじゃあだめなんだよ。どっちかだけじゃあ壊れてしまう。
 自分の時間を大切にしたい気持ちを尊重するから、一緒に行動するのも好きだけど、そうじゃない時間も邪魔しないようにする。

 互いに生活面での細かなことを気にしないタイプなのは、関係を保つ便利な部分かもね。

 今日や昨日じゃあないのだけどね。
 結婚26年経ったね。昨年は私が「銀婚式」「花束」ってうるさかったから、誕生日にまで気を遣わせちゃったみたい。花束をありがとうね。
 今年は良いのよ。


 ……。
 ほんとよ。
 良いってば。
 ほんとだってば!

 そのうちに美味しいものでも食べに行こう。


読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。