マガジンのカバー画像

親子のこと

121
親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

育っていたと気づく息子の感性~絵本「よるくま」で~

  「ちゅきま、白いねえ」  息子の視線の先には、白い月が空に浮かんでいた。   「おつきさま」を、その頃「ちゅきま」と言うようになっていた。  その後「黒、ないねえ。水色ねえ」って言う。  黒? 何言ってるんだろうと、息子と並んで空を見上げた。 *  今はよく喋り、気持ちを表現してくれる息子の、十五年ちょっと前。  言葉遊びや仕掛け絵本から、少しだけ文字が増えて、ストーリー性のある絵本に移行しようとしていた。  二歳くらいの息子は、人一倍かんしゃくがひどかった。周りの同

独り暮らしを始めた息子の一ヵ月間

 ああ、あんな心細い表情して大丈夫だろうか。  と、息子の一人暮らしをそれはそれは心配して離れてきたのが約一か月前。   まずは一ヵ月。  言い聞かせてきたけど、本当に一ヵ月経てば、お互いに慣れてくるものらしい。 ~~~   最初の一週間  息子が胃炎を起こしたらしく、対処の仕方や薬の在りかについてやり取りする。  心配なので、ほぼ毎日メールを送り(息子はLINEをほとんどしないのもあり、メールにてやり取り)様子をうかがう。  リモートは、家族で集まる約束の曜日と時間

「けっこんしよう」って子供に言われた思い出

 いつの時代も、親が、まだ幼い自分の子供に求婚される話は聞く。  そういう記事を読んだり、話を聞いたりしていると、息子にも言われたなあと思い出し、昔の日記を探ってみる。  そこには、忘れていたやり取りもあって、懐かしく笑いながら読んだ。 ***  息子が、人生ゲームにハマってしまった時期があった。  途中で「結婚」のマスがあって、そこに来ると、相方として別の色の人形を車に乗せることになっている。  何十回やってきただろう。  何十回もスタートからゴールまで行き、ある日