【夫語録】トトロでも来たんじゃない?
やっちゃん(夫)語録を集めている。
靴下が片方無かった時、観葉植物が成長したのを報告した時、はたまた寝転びながら天を見上げて語らう時、とにかくふとした時にやっちゃん語録は飛び出す。
やっちゃん語録が飛び出すと
「やっちゃん語録、いただきました!星3つです!」と私は、マチャアキのモノマネをしながら叫び、iPhoneにメモするようにしている。
中でも私がこれは痺れたわぁ、と思う語録は、育てているゴムの木の「フィカス•アルテシマ•京子」に新芽が出たことを報告した時にいただいた、
「トトロでも来たんじゃない?」
ジブリ映画「トトロ」では、主人公のサツキとメイがトトロと一緒に夜空に飛び出す大冒険が描かれている。
サツキとメイが夜中にふと目を覚ますと、昼間にどんぐりを埋めた畑の前にトトロたちがやってきたのが見える。
思わず、庭に駆け出してトトロたちに加わると、何やら畑の周りをぐるぐると回るトトロたち。
トトロは昼間にサツキが渡した傘をさしていて、両手で持った傘を上下に揺らす。
サツキとメイは見様見真似で、しゃがんでは立ち、しゃがんでは立ち、手を広げる。
トトロが目に力を込め、全身の毛を逆立てながら気張る。すると、ぽこっと土から目を出すどんぐりの新芽。
トトロに続けとばかりに、サツキがどんぐりが埋まっている土の表面を見つめ、力を込めると、ぽこっと目を出す新芽。
さらにトトロは先ほどよりも力を込め、全身の毛を逆立てながら大きく傘を振り上げると、先に続けとばかりに次々と新芽が土から顔を覗かせる。
目をまあるく見開いて喜ぶ、メイ。
新芽たちを見つめて全身に力を込めながら、重いものを持ち上げるがごとく、踏ん張るサツキと小トトロ。まるで新芽が自分にかぶさる土を持ち上げるが如く。
新芽の大群はぐんぐん背丈を伸ばし、あっという間に月に被るくらいの背丈になる。
四方八方に枝を広げ、ひとつの大木にまとまったどんぐり群はサツキとメイの家の上を覆うくらいの立派な大木になるのだ。
映画「トトロ」の最大の見どころシーンを観葉植物の新芽が芽吹く状況と重ね合わせて、1発めの会話のリターンで返してくる、やっちゃん恐るべし。
こういうウィットに富み、ユーモアのあるところがやっちゃんの魅力なのだと思う。
私は今日も京子にせっせと水をやりながら、このシーンを思い出す。
またトトロが現れてくれることを願いながら。