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愛していると言ってやれ!

南斗六星の一人、聖帝サウザーは育ての親であり、南斗鳳凰拳の師でもあるオウガイを自らの手で殺めた事がトラウマとなり「こんなに苦しいのならば愛などいらぬ!」と、それまでの性格から一変して、世紀末の世界で残虐非道の限りを尽くす男になってしまった。

少年時代のサウザーの描写はそれほど多くはないが、少なくとも奴隷に石を積ませ巨大な聖帝十字陵などを作らせる性格ではなかったと思う。もし僕がサウザーの彼女だったとしたら、その変貌ぶりに「もう…サウ君てば、いくら何でも極端過ぎるよ〜❣️」と、やんわり忠告していたと思うが、サウザーは誰よりも愛が深い故に振り切れ方も尋常ではなかったのだろう。
あと聖帝サウザーをサウ君呼ばわりしたのは世界でオレが最初で最後。

横浜フリューゲルスが好きだった。

ホームタウンを同じとする横浜マリノス(当時)は超メジャーなクラブで、代表選手も数多く輩出しており、ヴェルディ川崎(当時)と並び、リーグでも屈指の人気と実力を兼ね備えていた。

一方フリューゲルスは前園がブレイクするまでは代表選手もほとんどいない、オリジナル10の中でもどちらかと言えば地味な存在だった。

僕はフリューゲルスが大好きだったけど、スタジアムに通う熱心なサポーターではなかった。

最近のJリーグファンは知らないかもしれないけど、当時は地上波のゴールデンタイムでも頻繁にJリーグの中継があったし(そうは言ってもヴェルディの試合が中心だったけど)、何より僕の周りには日本代表ならともかく、Jリーグに興味を持ってくれそうな人がいなかった。

当時の僕の観戦スタイルは「TVの前で応援する」もしくは「三ツ沢方面に向かって勝利の念を送る」あわよくば「全日空のCAとお友達になる」を三本柱としていたが、単身でスタジアムに乗り込む勇気はなかったし、そもそもCAと親しい仲になりたいのは、サッカーとは関係のないただの僕の願望なのでそこはそっとしておいてほしい。

やがてフリューゲルスは経営危機に陥り、1999年1月1日の天皇杯決勝を最後に存在が消滅してしまった。

応援していたクラブの消滅は本当にショックな出来事であり「こんなに苦しいのならば応援するクラブなどいらぬ!」というサウザー理論に辿り着くのは必然だった。

それからというもの、僕は特に応援するチームを持たない根無し草のようなサッカーファンだった。贔屓にしている選手は何人かいたものの、それがイコール推しクラブになる程ではなかった。
アイドル現場で言うところのDD状態で、その年に優勝しそうなクラブを何とな〜く応援する感じの緩いサッカー好きだった。

そんなある時、たまたま地上波で中継している試合を見た。

川崎フロンターレの試合だった。


対戦相手までは忘れてしまったけど、とにかく面白い試合だった事は覚えている。

フロンターレは前半からスピーディーなパス回しで相手陣内へガンガン攻め込み前半だけで3得点くらいしていたと思う。

記憶が定かじゃないけれど、ジュニーニョとか我那覇とかが得点を決めていたような気がする。

後半は一転して、相手の反撃を受け瞬く間に同点に追いつかれるが、そこから更に勝ち越しゴールを奪う劇的な展開になった。

フロンターレの試合めちゃくちゃ面白いじゃん!

僕は一発でフロンターレのサッカーの虜になった。それは初めて優香のグラビアを見た時と同じくらいの衝撃だった。或いは優香の部分は酒井若菜に置き換えても良い。人によっては磯山さやかというマニアックな選択をする場合もあるだろう。

とにかくフロンターレの試合は僕にとってはそれくらいグッとくるものだった。

しかし、当時の僕は墨田区に住んでおり、川崎には縁もゆかりもない状態。当然ながら等々力にも行った事がなく、そして相変わらず周囲にはサッカーファンがいなかった。

スタジアム観戦が当たり前になった今では思わないけれど、当時の僕には

**「お一人様スタジアム」のハードルは相当に高かった。 **

等々力には行ってみたいし、日本を代表する選手となった中村憲剛のプレイを肉眼で見てみたいという気持ちは持っていた。
好きなバンドやアーティストのライブには一人でも積極的に行けるくせに何故かサッカーの

ぼっち観戦だけは行く気にならなかった。

ライブと違いサッカーの場合は得点が決まると隣の人とハイタッチ!親しい仲間内ならハグをする事もあるだろう。劇的な逆転勝利ならベロチューで喜びを分かち合う暗黙のルールがあるかもしれない。隣の席がたまたま観戦に来ていた乃木坂46の白石麻衣なら僕としてもベロチューはやぶさかでないところだが、週末のまいやんは忙しいだろうから多分スタジアムにはやって来ない。見知らぬおじさんとベロチューになるかもしれないという恐怖が僕をスタジアムから遠ざけた。

そんなこんなでフロンターレに魅力されながらも、僕は在宅サポーターとして文字通り陰ながら応援するというスタイルを貫いていた。とは言え在宅に出来る事は限られている。
通販でグッズを購入した程度で一丁前にサポーターを名乗るんじゃあない!
という厳しい意見もあるかと思うが、僕のような極度の人見知りが少しでもクラブの利益を増やしたいと考えた事をまずは褒めてほしい。

そんな訳でナビスコ準優勝の悔しさも、
ジュニーニョが退団する時の悲しさも「体験」ではなく、全てがメディア越しだった。

やがて在宅サポとして活動を始めてから10年(活動なのか?)が経った頃、何故か突然、本当に突然だけど等々力に試合を観に行こうと思いたった。理由は自分でもよく分からない。多分、会社のお盆休みと試合日が重なり、とてつもなく僕が暇だったからだと思う。

生まれて初めて生で観戦したフロンターレの試合は、等々力で行われたヴァンフォーレ甲府とのリーグ戦だった。
ファンの間では好評の宇宙服ユニフォームで戦った試合だ。
初めての等々力はサポーターの熱気と声量が凄くて、ただただ圧倒されてしまった。

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これがJリーグかぁ……

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それからはスタジアムで観戦するのがマストになり、Gゾーンと呼ばれるコアなサポーターが集まるエリアで飛び跳ねながら声を出し、存在は知っていたけど会った事のなかったマスコットたちと触れ合い、当然アウェイのスタジアムにも行くようになった。
翌年にはシーズンチケットも購入して悲願だった初優勝を見届けた。
スタジアムデビューは遅かったものの、在宅サポーター歴は長かったので、優勝の瞬間は周りにいた知らない人たちと号泣しながら抱き合った(※勿論ベロチューはしていません)。

これはサッカーに限らずだけど、頑張っている人を応援する事や、感情移入出来る趣味を持つことはとても幸せなんだと思う。

応援する対象が突如として消えてしまう事が世の中には稀にあるし、そうなってから後悔しても遅いのだ。

はじめの一歩を踏み出すのはとても勇気がいると思うけど、僕がそうであったようにきっかけは何でも良い。
そこがサッカーのスタジアムだろうとアイドルの握手会だろうと構わない。
今こそ声を大にして言いたい。

在宅では見えない景色が現場にはある!

だから、出来る限り直接現場へ行く事をお勧めします。

そして、愛していると言ってやれ!

最後は唐突にプロポーズで締めてみましたが、ちゃんと最後まで付いてこれているでしょうか?皆さんの脳内でドリカムが再生されていたら幸いです。

そんな感じでnoteを突然始めてみました。
サッカー以外の事も書くかもしれませんが時々覗きに来て貰えると嬉しいです。
それでは、ご清聴有り難うございました。


※尚、現在は新型ウィルスの感染拡大予防に伴ってJリーグを始めとする各種イベントは自粛されております(2/29日現在)。




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