2020年ベストミュージック~アルバム編~
2020年ベスト10のアルバム編。今年は韓国産カルチャーに埋め尽くされた1年だったので、自然とこちらもそういうラインナップになった。結果例年より統一感のあるセレクトになり、かつメジャーなものをよく聴いていたことがわかった。
他人さまの作ったものにランキングをつけるのが面白いのでランクを付けているが、実際は全部同率1位だ。
それではいってみよう。カウント~ダウン!!
10位:RAY『Pink』
4人組アイドルグループの1st。アイドル×シューゲイザーという今や割とよくある形だが、他グループと比べるとヴォーカル力が群をぬいている。透明感があってアイドル歌唱的なエグみもなく、ちゃんとサウンドに溶け込んでいて美しいメロディを聴かせてくれる。
地球爆発しねえかな、と自暴自棄な時に浸って聴きたい1枚。
9位:BLACKPINK『THE ALBUM』
僕はK-POPのなかでも2NE1というグループがダントツで好き(というか歌って踊るガールズグループの中で一番好き)なので、その所属事務所YGが送り出すガールズグループということでかなりひいき目でみてしまうBLACKPINK。基本単曲リリースでバズり倒すことで話題を作っていくスタイルなので、一応アルバムという単位ではこれが初らしい。客演のセレーナゴメスもカーディBも単なるオマケにしてしまう強すぎる4ピースの力にひれ伏すしかできない。ちなみにジェニ推しです。
勝負の前に聴きたい1枚。
8位:Bonny Light Horseman『Bonny Light Horseman』
自分的な理想の音楽として、ディズニーランドのカリブの海賊の出発地点でおじいさんが歌っている鼻歌、というのがある(誰かわかってくれるかな)。で、まさにそのような音楽。
どういう経緯でこのアルバムを知ったのか全く覚えていない。グループについても全然しらない。が、気づくと手元にあった宝物のようなアルバム。曲はオリジナルではなく、古いフォークソングのアレンジをしているらしい。情報を得ないことの方が難しい現代、このくらいのわからなさが丁度よく似合う。飲めないウィスキーを飲みたくなる1枚。
7位:BUCK-TICK『ABRACADABRA』
ベスト曲編でも「SOPHIA DREAM」を選んだが、アルバムとしてもやっぱり凄かった。
みんな言ってるけどB-Tのすごいところって、毎回クオリティが高いのは当たり前という感じで、プラス新たな挑戦と時流に合せた変化をし続けているところだ。僕も気づけば20年くらいファンでい続けているが、まだ新譜でビックリして笑ってしまう。
やっぱりライブ会場が恋しくなる1枚。
6位:BTS『MAP OF THE SOUL:7』
ベスト曲編で書いた通り、去年までBTSにあまりハマっていなかった自分だがこのアルバムでやられてしまった。ちなみにDynamite収録の新譜『BE』ももちろん年間ベスト級。
美しい顔面・超人的スタイル・キャラ立ちしたヴォーカル・ダンススキル・そして練り上げられた楽曲、これ以外に必要なものある?という感じだ。
仮に自分がもし男性アイドルだったら、BTSさんとだけは並びたくない。対バンしたくない。存在が強すぎてもはや恐怖をも感じさせる1枚。
5位:Moment Joon『Passport & Garcon』
光あれば陰あり。韓国カルチャーにハマっていた自分に、そんな隣国から日本にやってきたラッパーが現実を突きつけてきた。「KIMUCHI DE BINTA」という曲が収録されているが、まさにビンタ12発かまされたような衝撃の一作。何か一つのことを強烈に主張しているようにみえつつ「AはBである!でもCかも、いやDって視点もある」みたいなリアルな思考の流れをもそのまま収録している。ジャケットのイメージ通り、歌われていることはハードな叫び、なのにものすごくポップ。聴く「ザ・ノンフィクション」。
どうしていいかわからないけど頭を使うことはやめないでおこう、と思った1枚。
4位:Mr.Bungle『The Raging Wrath of the Easter Bunny』
2019年のベストにもいれたマイクパットン率いる伝説の変態バンドが2020年にまさかの復活。元々はジャズ・ファンク・ハワイアン・メタルなんかをごちゃまぜにしてゲロとして出したような意味不明・説明不可能なサウンドだったのが、なぜかギターにANTHRAXのスコットイアン、ドラムにSLAYERのデイブロンバートというガチの布陣を加えたスラッシュメタルバンドとして帰ってきた。この流れのわけわからなさも含めてMr.Bungleって感じで本当に信用できる。去年はパットン歌いまくりのアルバムを堪能させてもらったが、こちらでは吠えまくるパットンを楽しめる。
とにかく腹立った時や爆笑したい時に聴きたい1枚。
3位:HAIM『Women in Music Pt.Ⅲ』
顔面ベースEste姐さんを擁する姉妹バンドハイムの3枚目。1枚目2枚目のエイティーズキラキラ感が薄めなので最初はぶっちゃけアレ?って思ってしまった。しかしこのアルバムでしか聴けない独特すぎるビンテージな音響がクセになり、ついつい聴いてしまううちにもう虜だ。
やっぱり好き~!と目がハートになってしまう1枚。
”The Steps”という曲が好きすぎて自分でカヴァーしてみたのでマニアの方は是非聴いてほしい。
2位:『愛の不時着』OST
ここに収録された曲を聴いただけで反射的に涙ぐんでしまう国民も多いのではないだろうか。大ヒットドラマのサントラだが、あれだけのメジャー感のある壮大なドラマなのに、楽曲はちょっとインディー感のあるものが使われているのが面白い。リ・ジョンヒョクとユン・セリに思いをはせ、北朝鮮のあいつら元気にしてるといいな…と遠い目をしてしまう1枚。
1位:『賢い医師生活』OST
ということで、韓国ドラマ『賢い医師生活』サントラが2020年ダントツのベストアルバム。
家でも聴き、車で聴き、周りの人に嫌がられるほど聴いた。
このドラマでは、現在40歳の医師たち5人が、大学時代に組んだバンドでカヴァーしていた当時のヒット曲を再び演奏する姿が毎回の軸となる。最終回に合わせて俳優たちの配信ライブが行われたほど、音楽が重要な位置にあるドラマだ。
ドラマに合わせて作られた曲ではないのにストーリーに重なるものをしっかり選んでくる、その選曲眼も素晴らしい。まさに原題「Hospital Playlist」という言葉がピッタリのアルバム。
状況が許せばすぐにでも劇中ユルジェ病院に履歴書を出しにいきたいほど(「35歳男性、医療従事経験一切なし。熱意あり」)このドラマに思い入れてしまったので、サントラへの思い入れも致し方ないだろう。
主人公の医師たちの人生のサウンドトラックであると同時に、視聴者の人生のサウンドトラックにもなった最高の1枚。
以上、アー楽しかった!
しかし9枚はスッと決まったんだけど、10枚目をどうするか悩んだ(でもこういう無駄な時間が楽しいよね)。Yumi Zouma『Truth or Consequences』、Charli XCX『how i’m feeling now』、これを書いてる途中に出たYerin Baek『tellusboutyourself』あたりが次点で、いやでもメタル成分がたりないな。DeftonesやLamb of Godも…、みたいな感じで。
ベスト20にしようかとも思ったけどさすがにめんどいのでやめた。それくらい豊作の年だった気がします。
HONEBONEはベスト盤『一本勝負』を出しました。我々も来年は貴女の心のランキングに入れるような新作を作ります。それでは。
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