かわらかの

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さなぎ

「さなぎ」 円形切り取った空見上げて ここが地球の頂点と叫ぶ 3周目の待ち合わせ あなたが見てきた世界を覗かせて 方位磁石は壊れてしまって そこがどこかも知る術はない 気づけば足元とられてしまって 鎧を被って耐えていたの ねえ 伝えたい言葉が見つかったの あなたに羽をあげる どこへでも飛んで行けるよ 私が見ていてあげるから どこまでも飛んでいけよ あなたは自由だから 君が言う 煙突から吐かれて雲に溶ける ゴミの屑が美しく見える世の理 あの娘に思った酷いことも 愛せる

    • クジラのパレード

      「クジラのパレード」 夜空を食べた プランクトンがないている 魔法にかかる 海中にプラネタリウム そこに沈む こわい顔 見失って ひとを漁って 「もうここにはいられない」と吐いた クジラは死んだ もうじき貴方までのみ込んで灰になるよ 死骸を食べて 何回生まれ変わった 探し物はこの目の中 子供のままで 誰かを待っている 深淵まで 涙を伝う 覚悟はできただろうか とけない魔法は 呪いをとくことだけだった あの日 クジラは死んだ もうじき貴方までのみ込んで灰になるよ 死

      • スカート

        「スカート」 ふわりと揺れたスカートが 恥ずかしそうにすりぬけた風の匂いを知った 木漏れ日ささる散歩道 よれたスニーカーは固結び スカーレット上がっていく温度 透明が見えるよ 輝くエメラルド 通りすがり夢見よう きらきら水たまり タイトルつけた天気予報 ほら空物語 ひだまりに世界旅行 影 ひつじ オーロラ 腕時計 えくぼ 青 くちなし ベランダ スカーレット上がっていく温度 透明が見えるよ 輝くエメラルド 通りすがり夢見よう ダメージをリムーブして イメージをリ

        • 「泡」 ああ私ちょっとダメみたい もう頭ん中がいっぱい 簡単な算数の問題だって解けないみたい ああちょっとダメじゃない そんなことしたら惚れるじゃない 君の×××の体温が離れてくれない 待てど暮らせど鳴らないスマートフォンで ケーキを頬張る女の子が笑っている 昨日の夜を繰り返す地獄に落ちて 君の一言一句全て解き明かしたい 物語の最後まで種明かしはしないで 終わらない夢を見続けていたい 「ねえ思わせぶりならよして」 なんて言わないからおいで 君の×××な気持ちは隠して

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        • 海に恋
          6本
        • ときめき
          3本
        • マンタ
          2本

        記事

          「恋」 宇宙と海が混ざる夜に 君とダンスをしよう 宇宙と海が溶ける夜に はぐれないように 宇宙と海と夜と君 波に絵を描くからまってて 言葉は溶けてしまうらしい 本当を映す水面で 僕が漕ぐ 音に揺れる もうすぐそこまできている 準備はいいかい 虜になる 流れ星を見せてあげる 宇宙と海が混ざる夜に 君とダンスをしよう 宇宙と海が溶ける夜に はぐれないように 宇宙と海と夜と君 波に絵を描くからまってて 言葉は折れてしまうらしい 鏡みたいな水面で 透明になる前に 僕を見つめて

          マンタ

          「マンタ」 海底が光に照らされて 波の模様を砂が描きだす 羽広げて海をかき分け進む 僕に見惚れた小魚の群れ のぼってきた泡に引き寄せられて 狂おしく深い海をのぞきこんだ ゆらり波が踊って僕は飛ぶ 音も響かぬ光の世界 虹色の珊瑚に後ろ指さされても 僕はまだそこには行けそうにないな 透明な青を飲み込む黒は 精一杯強く見せかけた嘘 誰にも溶けないよう 誰にも負けないよう 見上げた泡の色は消えかかって 同じ時間を繰り返し僕は飛ぶ ふわり跳ねたクラゲはどこかへ 波の流れに逆らっ

          シャケナベイベ

          「シャケナベイベ」 キラキラ目元に光る 背伸びでもなくなった 鳴らない心臓 窓から月のサイレン 取り残された気になった 掠れた純情 シャケナベイビィ いつも悲しい 沈んだ部屋に一人ぼっち 走馬灯の夜にはきっと 思い出してよね 思い出して 電気を消したカラフル 昨日と同じ色に 鳴らない心臓 うるさい静けさに酔う 取り残された気になって 私は異常 シャケナベイビィ いつも悲しい 沈んだ部屋に一人ぼっち 走馬灯の夜にはきっと 思い出してよね 思い出して あのスーパームーン

          シャケナベイベ

          なでしこ

          「なでしこ」 割れたギターに絆創膏を貼って 綴じた手紙は引き出しの中 あなた今日も何も言わず ころんだ隣音紡ぐ あれは皐月の汗ばんだ夕暮れ 君が好きだと真ん中見つめるから ふいに心がぐらぐら ついに涙がこぼれたの ああ愛しいと思うほど 胸が潰れそうに痛むのはなぜ もう日記に記さなくても 忘れそうにないこと 割れたギターに絆創膏を貼って 綴じた手紙は引き出しの中 あなた今日も何も言わず ころんだ隣音紡ぐ 二度目の師走 色隠すような夜 いつしか心見えなくなって 布団の中

          ときめき

          「ときめき」 あの夜景に飛び込んで ハンドルは君が握ってさ 悪い夢は知らん顔して 今日はどこへだっていいよ 傷を縫うように絡ませて いけないことなんてないよ 私が好きでいてあげるから あなたは魔法をかけて 深い夜に手を繋いで眠っただけの ふたりのひみつ 藍色に溶け込んで やわらかく照らされた顔 あっちには鍵をして 今はあなただけでいいの 心が悪いことを言うんだ ねえ連れだしてよ 私が好きでいてあげるから あなたは魔法をといて 薄明かりに目を覚ませば 恋人みたいな優

          怪物

          「怪物」 真夜中0時真っ暗闇で物語ははじまる わたしにしか見えない怪物が動き出す 真夜中ベッドの中で星の道を歩く 一番星の後ろで怪物が隠れてる とんがり頭に丸い耳 鼻はつんとしたのっぽさん わたしを背中に乗せて 宇宙旅行 土星の輪っかで逆上がり 木星の模様でかくれんぼ あなたがいればなんでもできる わたしは無敵なの 今日学校で 大好きなあの子と喧嘩したの 頭がぐるぐるして寝れない あなたに会いに行く 優しい能天気なのっぽさん わたしに魔法をかけて 夢の中へ 涙は天の

          マンタ

          「マンタ」 海底が光に照らされて 波の模様を砂が描きだす 羽広げて海をかき分け進む 僕に見惚れた小魚の群れ のぼってきた泡に引き寄せられて 狂おしく深い海をのぞきこんだ ゆらり波が踊って僕は飛ぶ 音も響かぬ光の世界 虹色の珊瑚に後ろ指さされても 僕はまだそこには行けそうにないな 透明な青を飲み込む黒は 精一杯強く見せかけた嘘 誰にも溶けないよう 誰にも負けないよう 見上げた泡の色は消えかかって 同じ時間を繰り返し僕は飛ぶ ふわり跳ねたクラゲはどこかへ 波の流れに逆らっ

          「恋」 宇宙と海が混ざる夜に 君とダンスをしよう 宇宙と海が溶ける夜に はぐれないように 宇宙と海と夜と君 波に絵を描くからまってて 言葉は溶けてしまうらしい 本当を映す水面で 僕が漕ぐ 音に揺れる もうすぐそこまできている 準備はいいかい 虜になる 流れ星を見せてあげる 宇宙と海が混ざる夜に 君とダンスをしよう 宇宙と海が溶ける夜に はぐれないように 宇宙と海と夜と君 波に絵を描くからまってて 言葉は折れてしまうらしい 鏡みたいな水面で 透明になる前に 僕を見つめて