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第47回研究会 「地域社会に息づく相互扶助慣行の現代的意義と役割」(奥田真由さん)

第47回かわきゅう研究会は、2022年12月13日(火)にキャンパスプラザ京都 6階の龍谷大学サテライトで開かれました。奥田真由さん(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)に、「地域社会に息づく相互扶助慣行の現代的意義と役割:日本とインドネシアにおける相互扶助に着目して」というタイトルでご報告いただきました。

報告者を含め12人が参加(うちオンライン3人)し、報告とそれに基づくディスカッションを2時間ほど行いました。前回に続き、対面とオンラインによるハイフレックス方式での実施で、遠方のメンバーも参加しました。

奥田さんの報告は、岐阜県大野郡白川村での調査と、長期調査を予定しているインドネシアでの予備調査に基づいた内容でした。白川村の報告は、集落内の相互扶助と地域住民組織の事例の紹介と、相互扶助の存続・変化について検討するものでした。インドネシアの報告では、調査地の農村組織についての説明と、相互扶助の事例紹介でした。

本報告で奥田さんは、白川村において、本来の私的な相互扶助であった労働交換が、観光地化の過程で、地域全体へ利益を生む共同労働へ形を変えたことで、「結」が存続してきたことを明らかにしました。また、日本とインドネシアを比較し、相互扶助を指す言葉自体の継承が地域社会の連帯を生み出す可能性や、「観光地化」が地域社会における組織の空洞化を防ぐ要因となる可能性を指摘しました。

報告後のディスカッションでは、結と人足という2つの相互扶助の性質の違い、白川村の他集落の状況、共同労働の目的(イエの維持なのか/村の維持なのか)、日本とインドネシアにおける集落内の関係性の違い、集落の「自治」と国家統制という政治との接点など、多様な視点から様々な質問や意見交換がありました。

文責:東城由佳理

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