話の切り上げ方、ファシリテーションのコツ

会議が時間内に終わらない。タイムキーパーはいるけど話を切り上げて次の話題に進めない。こういうことはよくありますよね。リモートで会議中に「残り30分であと2つ話題があります」なんてメッセージを送るんですけど、なかなか話題を切り上げられない。ファシリテーターは次に行きたい素振りを見せるんですけど、みんな自分の意見を聞いて欲しいと代わる代わる喋り続けるので切り上げるタイミングが掴めない。

そういう場を客観的に見ていて「もしかして、話の切り上げ方がわからないのかな?」と思いました。あらかじめ『話の切り上げ方』のレパートリーを持っておくといいのかもしれません。今回は自分がファシリテーションをする際によく使う『話の切り上げ方』をご紹介します。


パーキングロットを使う

直訳すると駐車場ですね。車を脇に停めておく感じで、今盛り上がっている話題を脇に置いておきます。話の脱線によって盛り上がっているときなどに有効で、「この話題は一旦置いておいて本題に戻りましょう」などと言って話を切り上げます。

このときに、もし板書しているならぜひホワイトボードなどの脇にその話題を書き留めておきましょう。付箋でもいいですね。あとでちゃんと話しましょうね、無下にしてませんよ、というメッセージをみんなに伝えます。そうすることで安心して本題に戻れます。

仮置き(仮決め)する

結論がなかなかまとまらなくて話が終わらないことがあります。決め手がないわけですね。こういうときは勇気を出してどれか1つに決めてしまいます。

決め手がないということは判断するのに情報が足りてないのかもしれません。さらに情報を集めるのに時間を使うというのもいいですが、どれかに決めて実際にやってみることで得られる情報もあります。不安があって足踏みしてたことも実際にやってみると案外うまくいったりします。また、うまくいかなかったとしても、実際にやってみたからこそわかる具体的な情報が得られます。それは確実な前進です。

ネクストアクションを決めて一旦終わる

今決めきれないなら次にすることを決めて切り上げます。決めきれないのが情報が足りないということなら必要な情報を集めるネクストアクションを決めます。具体的に何をしていいか分からない場合は次の会議の予定を決めるでもいいでしょう。次の予定が決まったらそれまでに何を準備しておくか決めましょう。こうやって、次に何をするかを決めただけでも確実に前進しています。

残りの議題は次回に回して、目の前の議題を最後までやりきる

いっそ、残りの議題は今日は話さないというのもありです。今盛り上がっている議論が中途半端になるくらいなら残りの議論は次回に回してして今の議論に集中しましょう。このとき、だらだらと議論していて気がついたら時間が足りなくなったにならないようにします。「今の議論をしっかりやりきるために残りの議論は次回に回していいですか?」と確認して進めます。もしかしたらこの後の議題をどうしても今話したいと思っている人がいるかもしれません。意識して意図的に残りの議論をやらないという判断をするようにしましょう。

一つ一つの議題に時間を設けてアジェンダをしっかり守るのも良いですが、時間内に終わらせることを優先すると、しっかり議論ができないことがあります。すべてを議論しきれないことを見越して、事前に議題の優先順位を確認しておきましょう。参加者で優先順位の目線合わせができていれば、次に回せる議題が明確になっていれば、余裕を持って話し合いをすることができると思います。

話を切り上げることを切り出す

どう話を切り上げるかがわかってもそれを切り出すタイミングが難しいということもありますね。むしろ、こちらの方が難しいかもしれません。どういうタイミングでどうやって切り上げを切り出すのか?

ちょっとした間を見つけましょう。そこにすかさず「残りの議題もあるので」や「この議題で結構時間を使ってしまってるので」とありのままを伝えます。そうすることで参加者が状況を把握し議論を続けた方がいいかどうか判断できるようになります。その様子を見て、今の議論を切り上げて次に行くか、残りの議題を次回に回して続けるか、決めることができるようになるのです。

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