清流を次世代に
まえがき
20年前、NPO法人RIVERの最初の取り組みは『水』の本を作ることでした。時代の本質を知らなければ、地域は生きていけないと思ったからです。あれから時代はどう変わったのか?このたび『川』という本を作りました。32人、各界の方々に原稿をいただき、これから先も四万十川の流域で暮らしていく私たちの「道しるべ」としたいと思います。
執筆者のプロフィールはRIVER編集部が制作させていただきました。私たちも、参加させていただきたかったのです。失礼な言い回しがあるかもしれませんが、おゆるしください。
執筆者プロフィール
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清流を次世代に
片山健也
昔から「川は、その流域にすむ人々の暮らしを映して流れる」と言われてきた。美しい河川の流域に住む人々の心や暮しぶりが川面に、そして、その水質に現れているということなのだと思う。蝦夷富士と呼ばれる秀峰「羊蹄山」の麓の湧水を集めて、私が住むニセコ町の中央を1級河川「尻別川(シリベツ)」が流れている。私が小学生の頃は、子ども達の水遊びの川で、幻の魚と言われる1メートルを超える大きな「イトウ」が生息し、ヤマベやヤツメウナギなど多くの魚種が生息する豊かな資源の川だった。故郷を離れて15年後、カヤックで下った尻別川の河畔には多くのごみが散見され、ニセコ連峰の山並みや河畔の美しい自然景観価値を半減させていた。
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