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ビールとポテトチップスと床のこと

畳の上に寝そべってビールを飲みながらポテトチップをたまにつまむ。嫁さんが好きなのり塩味である。
夕食の時に使っていた箸で、チップを挟んで口に運ぶ。油で手が汚れないのでそうしているだけだが、嫁さんからは「みっともないからやめて」と何度も言われている。
毎日飲むでも食べるでもないビールとお菓子だが、数日に一度夕飯後に過ごすこの時間、「ぜいたくだな」などと言ってみたくもなる。

毎日、働いてお金を稼いでそれで生活を続けていく。僕だけじゃなくほとんどの人たちがそうしている。立派なことだな、と思う。
僕の場合で言えば、苦にならずむしろ楽しみでもあり、健康の支えとも感じている自分の仕事だが、世の中には「マジで行きたくない」と憂鬱を引きずってそれでも「生活のため」と言って、日々の仕事に出向く人たちは少なくない。
昔の僕がそうだったように。

それはとても立派なことだ。
健康を壊さないようにだけ気をつけてほしいな、などと勝手知ったるような顔で思ってみたりもする。自分にも他人にも、頑張らなくていい、とも、頑張れとも思わない。
ただ、お互いなるべく気楽にいけたらいいね、とは思ったりはする。

そんな浅はかなもの思いが、ビールで少しだけ鈍った頭の中にふわふわと雲のように膨らんでいた。
僕は最近めっきり「プレミアムモルツ」しか飲まなくなった。例の「ちょっと贅沢なビールです」がキャッチコピーのそれ。スーパーの冷蔵庫に並ぶビールの中ではお値段がちょっとだけ高めだ。

30代も後半になると、飲んだアルコールのクオリティによって、翌日の体調に雲泥の差がつく。本当にそう思う。
ビールも第3のビール、発泡酒、生ビールと、種類があるがモノの品質はある程度「値段に比例する」のは否めないと、体で知ってしまった。ということで、あまりに値段の安いお酒には手を出さないようにしている。というか、翌日の仕事に影響しかねないので「手を出せない」感覚だ。

体調管理も仕事の内であり、その意味で第3のビールではなく、プレミアムモルツを飲むことも、自分の仕事の内にカウントしている。
わざわざプレミアムモルツにしなくてはならないので、とても大変でヘビーな仕事である。いやぁ、忙しい忙しい。

ところで、夏の畳やフローリングにダイレクトに座った時の、初めに体に伝わる「ひんやり感」が好きだ。部屋着の短パンから出た太ももの裏やふくらはぎに感じる一瞬のひんやり。
冷房でよく冷えた床であれば、なお良い。
一定時間過ぎて床がぬるくなると、次の「ひんやりスポット」に移動して再び足に伝わる冷感を楽しんでみたりする。
ビールだの床だの、涼を得る術はたくさん転がっている。さて、おかわり飲も。

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