新緑 寒暖差 ビール
近所の川沿いの桜も盛りを過ぎ、梢には葉が目立つようになってきた。
どちらかと言えば、花の淡いピンクより、萌え出たばかりの葉が見せる新緑のほうが好きだったりする。
あの瑞々しさ、煌びやかさ、柔らかさ、そしてほのかな透明感。
木陰でグリーンを孕んだ光線を浴びて「うぉぉ、マイナスイオン〜」と、勝手に感じ入ってみる。
この場合、実際マイナスイオンがあるかどうかはどちらでもいい。
僕が感じたなら、それはもう「ある」ということにしている。
寒暖差の激しい日々が続いており、日中の暑さに乗せられて薄着で出かけたら、夜の帰り道ではプルプルと仔犬ばりに小刻みに震えている自分がいる。
「ぬおぉ、気温め…、気温めぇ〜…、」
同じことを人生で何回やっているのか、わからない。
いい加減、覚えなさいよ自分…、と情けない気もするが、それ以前にそもそも自分とは情けない存在であったことを思い出し、「まぁ、そんなものだよな」と開き直る。
ここ1ヶ月ほど、惰性というか、ほとんど習慣のように毎晩ビールを飲んでいたのをやめ、週に一度、休み前の夜だけにしてみた。
理由は「なんとなく」。何かをやる理由は、ほとんどの場合「なんとなく」で足りる。
それはそうと、週に一度にしたことで、ビールを飲むことに「特別なイベント感」が僕の中で発生した。
そうなると、良いところで止せばいいものを、ついつい飲みすぎてしまうことになる。
すると次の朝は案の定、「うわぁダルぅ…。昨日も飲みすぎたなぁ」と、せっかくの休みの朝を、ダルさ、頭痛、胸やけ、などアルコールの負の遺産セットを抱えて過ごすことになる。
3週連続でそれをやっている。
情けない自分にピッタリの朝と言えばそうなのかもしれない。
だがしかし、「こんな朝はもういやだ」ということで、今後は「ビールは休み前の週1ルール」を撤廃することにした。
もう、ビールは飲まなくていいや。とさえ、今この瞬間は考えている。今、この瞬間は。
年度が変わり、今は多くの人たちが新しい環境に移っていくタイミング。
そのムードは、街を歩いていてもなんとなく感じられる。大きな荷物を抱えた人の姿が、駅のロータリーにも目立つ(ような気がする)。
僕も人並みに出会いと別れを繰り返してきたことを思い出す。
別に感傷に浸るわけでもなく、「元気にしてるかなぁ」と脳裏をよぎるいくつかの顔。
もしかしたら、向こうは向こうで僕のことを思い出したりするのかもしれない。そんな人がいたとしたらこう伝えたい。
今この瞬間に限っては、もうビール飲まなくていいや、って思ってる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?