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スピード 畑 時間

歳月の過ぎるスピードの早いのなんの。
特に何もしない間にもう5月の暮れが見え始めている。
いや…、生活をつぶさに見返してみれば何もしていないことはないな。
仕事をし、絵を描き、曲をつくり、畑をし、なんともうきゅうりが収穫できた。
ささやかではあれ豊かに生きているじゃないか。ナイス。

先日、畑に行ったら土地の管理人Aさんともう1人女性が作業をしていた。
「あ、どうもかわなべといいます」と軽く自己紹介すると向こうも名前を教えてくれた。
Hさんという。

僕は今年はじめての畑で、右も左も分からないままAさんの教えてくれることをそのまま忠実にやっていたら、ビックリするくらい作物の育ちがいい。

全体で20区画くらいあるレンタル畑で、僕の畑が1番出来がいいとのことで、他の畑erたちの間で
「ここの畑は美容師さんがやってるみたいでさ、今年から始めたのにこんなに育ってるんだって!すごいよね!」
と、ちょっと噂になっているとHさんが教えてくれた。

断言できる。95%は管理人Aさんのおかげで、残り4%はビギナーズラック。
僕の実力は1%くらいのものだろう。
とは言え、「自分の畑が褒められる」という人生で初めての経験をして、素直に喜んでいる僕がいる。ほんと、何歳になっても褒められるっていいな。

育ててみて分かったのが、ミニトマトはナスやピーマンなどと比べて、結構手がかかる印象。
実にきちんと栄養が行くように、あちらこちらに伸びようとする茎を剪定しなければならないのだけど、成長するスピードの速さにいつも驚かされる。

作業が1週間空くだけで、すごいことになる。
伸びた茎をポキっとポキっとやっていくのだけど、これがなかなかの量で、必然的に他の野菜よりミニトマトに手をかける比重が大きくなる。
「もう少しオレたちのことも、可愛がってくれよ」
他の夏野菜たちの声がするようだ。

それにしても、世話をしながら野菜が育って行くのを見届ける営みが、こんなにも楽しく心躍るものだとは知らなかった。
世の中にはまだ知らないだけで、自分をワクワクさせてくれるものがまだまだ無限にあるのだろう。
それはしかも、やろうと思えばいつでもやれる距離にあったりするのだろう。

自分の人生の時間が限られていることに思いを馳せる。
生き急ぐわけじゃないが、だったらなるべくたくさんの心躍る体験、美しい芸術や風景に、自分を触れさせてやりたい。
と、月並みでありながらも大切なことを思う。

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