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画材屋 筆 100円ショップ

画材屋で絵の具の棚を物色していると、カウンターの方から店員さんと、メーカーの営業さんらしき人のやり取りが聞こえてきた。
「それだと、もうウチもいよいよ厳しいです。今の景気で値上げなんて、とてもできないですから」
「ですよねぇ。でも原材料の高騰で、この先は価格を改定せざるを得ないんですよ」
画材の仕入れ値が上がる、でも店頭での販売価格は簡単には上げられない、だったらもうお宅のメーカーの取り扱いはやめるしかない、みたいな感じだろうか。

いやはや、どの業界も大変ですよね…、とはいえ僕ができることと言えば、このお店で買い物をすることくらいである。それこそが、このお店への貢献であり、地域経済の活性化に繋がる。
ていうか、そもそもこのお店に潰れてほしくない!よし!オレはネットではなく、地域のお店にお金を落とすぞ!!と、熱いものがこみ上げて来た。

しかし、次に寄ったスケッチブックコーナーで目当ての水彩紙が見当たらず、「まぁ、Amazonにあるしな」とほぼ無意識に思ってしまった自分に気づいたとき、自分の「熱い気持ち」ほど信用ならないものは無いと、再認識をした。

今回初めて「筆」を買ってみた。「初めて」とは、画材屋で買うのが初めてという意味で、これまでは100円ショップに3本入り100円で売ってる筆しか買ったことがない。
特に不便は感じなかったが「高い筆、やっぱいいっぽい」という情報をキャッチしたので、新調することにした。

棚にはたくさん筆が並んでいる。
「ナイロン製がいいっぽい」という情報を持っていたので、ナイロン製のものを物色。
1本、数百円〜2.3千円するものまであったが、取りあえずこの店に置いてあるものの中では、リーズナブルなものを選んでみた。
1本500円ほどの筆。これまでは3本で100円、つまり、1本33円くらいの筆を使っていた僕なので、めちゃくちゃグレードアップである。
いい予感しかしない。

他にキャンバスや紙パレット、必要な色のアクリル絵の具を数本買うと、意気揚々と店を後にした。
さて、自宅に帰ってからの筆の使い心地、結論から言って「むちゃくちゃ良かった」。ビックリした。値段は正直という話を聞いたことがあるけれど、それが否めない部分てやっぱりあるよな、などと筆先をしげしげと眺めながら思う。

とは言え、100円ショップの筆が悪いかと言えばそういうことでは無い。それにはそれの良さというか、凄さがある。いや実際ほんとすごいよ、日本の100円ショップ。これからもよろしく。
何がやねん。


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