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7月14日 とにかくテンションが下がっている

お元気ですか。わたしはあんまり元気じゃありません。

2ヶ月前に倒れて救急車で運ばれて、癌がわかって、緊急手術をして、ストーマ(人工肛門)ができて、そのまま入院して、退院して、ステージが判明して、と思ったら腸閉塞でまた入院して、退院して、抗がん剤治療が始まって、がんの悪性度がわかって、という怒涛の日々の中で今が一番テンションが下がっています。なぜか?顔中に白ニキビができているからです。

この流れの中で一番嫌なの、まさかのニキビなんだ。我ながら驚いている。自分の感情の在り方に。エルヴィス・プレスリーは自身のプライドが許さずにストーマの造設を拒否し続けて亡くなったそうですが、わたしはストーマのあるなしは今となっては心からどうでもよくて、それよりニキビでテンションがとてつもなく下がっている。そう、これは極めて個人的な価値観とプライドの話なのです。プレスリーがストーマを有する自分を認められなかったように、わたしもニキビだらけの自分の顔面を許せない。わたしはプレスリーを責められないし、プレスリーもわたしを責められない。もし今誰かに「ニキビごときで」と笑われたら、わたしはそいつに向かってただちに矢を放つ。しかも、なんか燃えてるやつ。それくらい嫌。

問題は、この肌荒れが点滴によるものなのか、それとも内服薬によるものなのかということです。わたしが受けているCAPOX(XELOX)療法は、初日にオキサリプラチン点滴、そして初日〜2週間でカペシタビン内服を行って、3週目は休薬というサイクルを繰り返す抗がん剤治療で、それぞれの薬には異なる副作用がある。点滴は初日にしか打たないので、1週間もすれば副作用は薄れてくる。しかし、内服薬は飲み続けることで体内に成分が蓄積されるため、副作用はだんだんと重くなってくる。お願いだから、肌荒れは点滴の副作用であってほしい。もし内服薬の副作用でこれからもっと悪化するなら、わたしは抗がん剤治療を辞めかねない。極端な話、わたしは死んでも自分の肌を守りたい。「死<肌」なの、自分でもまったく意味がわからないけれど、わたしは至って真顔でこの記事を書いていますから。え、どういうこと?

それにしても、2クール目の治療では、1クール目では見られなかった副作用が散見されている。肌荒れに加えて、手のこわばりや、足をつりそうになる感覚、そして漫然と続くだるさなど。だるさは、ただ低気圧のせいかもしれないけれど。抗がん剤治療って、同じ副作用がどんどん重くなっていくものだと思っていたけれど、毎回こうやって新たな敵が出てくる感じなの?それは困るなぁ。

当たり前だけど、ニキビは化粧すると悪化することがわかった。特にクッションファンデとの相性は最悪。できるだけ化粧を控えたいので、少なくとも来週は、社内のオンラインミーティングはカメラオフのまま挑みます。申し訳ない。でも決めたから。わたしが化粧による肌荒れを防いでメンタルを保つことで、会社としてもパフォーマンスの低下リスクを避けられるので、結果的にカメラオフを容認したほうがいいはずです。という謎理論で来週を乗り切ろうと思います。

「テンションが下がる」「嫌だ」は「悲しい」「苦しい」といった感情とはまた異なるので、癌に罹患したときやストーマを造設したときより今がつらいとは一概には言えないけれど、まあ本当に言葉のままで、とにかく嫌だしテンションはめちゃくちゃ下がっています。はい。


今週は仕事終わりに上司が訪ねてきてくれて(わたしは復職してからフルリモート勤務にしてもらっています)、一緒にサイゼリヤでごはんを食べた。ずっと「サイゼ」「いつ行きましょ」「いつですか????」と事あるごとにチャットしまくっていたため、叶って嬉しい。というか、退院後初サイゼだ。サイゼは油ものが多いから、一人で行ってもほとんど食べられなくなってしまったので。

なお、サイゼをファミレスだと勘違いしている方が時々いるようですが、サイゼの本当の姿はコスパ最高なワイン居酒屋です。

トップ画像には当然サイゼの写真を貼りたかったのですが、サイゼで写真は撮らないので、どこかのお店で何かを飲み干す在りし日のわたしを貼っつけておきます。どこだ、ここ?

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かわむらまみ
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