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大河「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第3話までまとめて感想

 アレレ?もう三話終わっちゃったぞ早くない?(すっとぼけ)
 いやー今大河もめっぽう面白いですね。絵面も美しいわテンポもよいわですっかり引き込まれてます。我が80代母もいたくお気に入りのようで毎回しっかり観てる!と。「光る君へ」ロスどころか、
「私はこの年になってやっと『源氏物語』の世界に入れた気がする!言語化はできんけど!」
という力強いお言葉。テレビのみならずyoutubeを観ていても、わかる……わかるぞ……となって超楽しいんだそう。やったね布教大成功!ある意味私よりずっと詳しくなってるかもしれん。恐るべしポジティブ&アクティブ80代!
 というわけで私も頑張ろうと思います(小学生感)。「ありがた山の寒がらす」「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』」「千客万来『一目千本』」を一話一話やるとそれこそまた数日かかりそうなので、簡潔に(自分に言い聞かせる)。

〇主役の「蔦重」(横浜流星)が良い!
超ポジティブ&アクティブ、鬼コミュ力の権化のような主人公、「根暗な」(内省的といって!)まひろちゃんとは対照的。すっごいイケメンなのに、イケメンであるという事実より先に「人好きのする」感が来る。いやメッチャイケメンなんやけど(何回言うんだ)。走り方も階段落ちもよき。観てるだけで運勢アップしそう。うん絶対大吉。
〇新吉原
冒頭で、語り部のお狐さま(綾瀬はるか)がスマホを駆使して(!)吉原の場所や成り立ちを説明してくれるのはわかりやすくてよかった。拾い子の唐丸と蔦重との会話の中でさり気なく語られているのも良き。そして今回もまた衣裳が美しいこと!建物から内装から小物に至るまで拘りスゴイ!花魁たちの立ち居振る舞いも素敵!
〇本づくり
「光る君へ」に引き続き「本」に関わる今大河、「一目千本」完成時の
「夢の中にいるみてえだ」
のセリフいいね!
何より紙!700年前には貴族しか入手できなかった紙が、庶民も使えるようになってる。長谷川平蔵(のちの鬼平:カモ平とも(笑))がまき散らした紙花、平安ならアレに恋文書いてたとこよね。吉原という場所特有かもしれないけれど、読み書きができて「本」を楽しめる人がたくさんいた、というのも胸熱。
さらに!

 この「アダチ版画研究所」、人間国宝・岩野市兵衛さんの漉いた越前和紙(生漉奉書)を使っておられる。ここにも「光る君へ」からの繋がりがみえて嬉しい。

〇徳川家
道長が確立した「娘を帝の后にして子を産ませ次の帝にする→摂政として権力を掌握」というビジネスモデル?は廃れているものの、相変わらず「如何に世継ぎを絶やさないか」「如何に自分たちの近い係累に有利に事を運ぶか」に腐心しているさまをみると、実は政治の世界の構図はあまり変わってないのではないかと思ったりもする。田沼は吉宗時代からの経済問題をどうにかしようと大胆な改革を試みた人らしいが、この辺は漫画やドラマの「大奥」観たくらいでまったく詳しくない……おいおい勉強しようと思います(汗)。
〇平賀源内
浅学のため漫画でさんざんデフォルメされた人物像しか見てませんが、凄い人だということだけは何となく知ってる。発明家であり文筆家であり絵も描ける、浄瑠璃の脚本も書いちゃう、焼き物・織物・鉱山開発までやってのけるマルチな才能持ち。誰が言ったか「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」はまさにその通り。その源内を今大河で「男色」の面も隠すどころかアッサリサラサラあっけらかんと描いてみせたのは素晴らしい。「瀬川」に扮した花の井の舞を見つめるシーン、切なくも感動的でした。
〇花街の現実について
初回からいきなり「投げ込み寺」が出てたまげました。なかなか攻めてるわNHK。「苦界」と称されるように華やかさばかりではない、残酷で陰惨な現実もそこには確かにある(蔦重もそこは承知の上)と思い知らされるシーンでしたね。
 ところで80代母は「赤線」が廃止されるかされないかの頃高校生で、いわゆる遊郭エリアから朝出てくる人たちを実際目撃していたそうな。
 調べたらこんなんありました。
鯖江町遊郭:(中略)仏教に縁の深い所である。(中略)明治十八年に現在の許可地へ遊廓を開設してからと云ふものは、めきめきと発展して忽ちの內に十二軒もの同業者が出来た。
目下貸座敷が十二軒あつて、娼妓は四十五人居る。石川縣及大阪府の女が多い。店は陰店を張つて居て、娼妓は全部居稼ぎ制である。送り込みはやらない。遊興は時間花制で、廻しは一切取らない。費用は稅共一時間遊びが一圓六十五錢で、引け過ぎからの一泊なら三四圓程度であらる。臺の物は附かない。(中略)藝妓の花代は一時間一圓二十五錢。
鯖江音頭
「聞いて行かんせ鯖江の音頭、辛氣晴しやうさ晴し」
「鯖江音頭につひほだされて、今朝の旅立ちまた延びる」
土地には雲丹、かに、菜の花糖等の名物がある。
「全国遊郭案内」日本遊覧社(昭和5)より抜粋【国立国会図書館デジタルコレクション】
 今でいう風俗ガイド本でしょうが、歴史といってしまうにはあまりに近すぎるような、不思議な気持ちになります。
 ああやっぱり長くなっちゃったじゃん。というわけで今日はこの辺で。
<つづく>


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かわこ
「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。