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「呪の美学」産まれた時からあなたに住む呪(カシリ)~

呪という漢字はドキッとするだろうか。

「この題名の文章を書いていきたい」と知人に相談したところ、それはもう印象が悪かったらしい。「なんだか心がザワザワする」というコメントをもらった。

「呪」という漢字を見ておおよその人は、いい印象を持たないだろう。これまで目にした文学や映像などからもその様子がうかがえる。

そうだ。そうなのだ。これも「呪」のひとつなのだ。

だから親しみを込めて呼ぼう。
呪(カシリ)という名のイキモノのことを。

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なぜこの題名の文章を書くことになったのか。1月11日のドライブ中に頭の中にふわっと降りてきたのだ。「呪いの美学」という題名の文章を書く、と。

ただそれだけでワクワクしてきた。そしてドッと頭のなかに様々なテーマが降りてきた。ただ、「呪い」だとかなりストレートで衝撃的だ。

「呪」は国語辞典で調べると「人または霊が、物理的手段によらず精神的あるいは霊的な手段で、悪意をもって他の人や社会全般に対し災厄や不幸をもたらせしめようとする行為」と載っている。

それ以外でも、過去TVでこの漢字が露出する番組など、気持ちのいいものではなかったこともわたし自身知っている。そこから連想することは子供時代はそれはもうトイレに行けないほどの恐怖でもあった。

そう。
それ自体が、わたし達を住処とする「呪」なのだ。
だから親しみを込め「呪(カシリ)」と呼ぶことにした。

ここに綴っていく文章はそんなオソロしいものではないから。愛すべき自分の分身であり、今ここに生きている自分の命を日々を形成しているものだからだ。

「ノロイ」のままだと、またこの子らを増やすことになりかねない。音色を変えることによって、僅かでも可愛い服を着せたような感覚になり、読む人の少し気持ちも落ち着くはずだ。

呪(カシリ)は前記のようなオソロしい意味も存在するが、他の意味としても存在してきた。

「生きる者・生きた物へ幸福となる利益を願うこと」とある。私はこちら派である。

わたし達には産まれてから、いやそのもっと前から「呪(カシリ)」が共に生きている。「呪(カシリ)」はわたし達を形成してきたものだ。

どうぞあなたの名前を言葉にして言ってみてほしい。
「私は○○△△です」と。

「呪(カシリ)」は様々な面を持っていて、このような名の中にも存在する。名というものを与えられた時から、わたしという人間は「○○△△」というしるしがある。

名には様々な「呪(カシリ)」が住む。先祖からの繋がり、親族からの恵み、育み。中には親族が著名人を愛するが故に、そのままそこから名を頂戴した方もいることだろう。

無事に生まれることを願い、授けられたしるし。それが名前のなかに宿っている。それが「呪(カシリ)」の存在だ。

「呪(カシリ)」はそのように、あなたが産まれた時から、いや、産まれる前からあなたのそばにいる。名というしるしが、あなたという生き物に一つの呪縛を授けた。

名が違えばまた異なる人生だったのかもしれない。名がもし無ければ、呪(カシリ)は存在していなかったのだろうか?

いや、それはない。名はひとつの「呪(カシリ)」の住処だというだけだ。

どうぞ今宵は、あなたが産まれるときの「呪(カシリ)」の意味を親族に尋ねてみてほしい。もし親族にもう会えない方ならば、妄想でもいい。

どうせなら「呪(カシリ)」は幸せになる利益のエネルギーという部屋に住んで欲しい。これからマガジンに書いていく「呪(カシリ)」もそうでありたい。





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