ギフデット 言霊編 その1
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クソ暑い、日曜のこと。
「なんだって、告白の文言を考えろだ。所長ここは、探偵事務所でっせ。」
ジャンプを読みながら所長は返してきた。
「しゃーないよ細田。今週は、超能力案件も、呪術○戦もなかったんだ。このままじゃー今日発売のサンデーは買えないよ。」
いや、あんたは、サンデー読んでないでしょ。いっとっけどサンデーは水曜日発売だからな。というか、ジャンプは買ったのね。てか休載なのは、先週わかつてただろう。あんた呪術しか読まないんだから買わなかったらいいじゃん。
「てか、超能力案件じゃなくてギット案件でしょ。また小島に怒られますよ。」
「小島じゃくて大島っすよ。」
おお、いたのか。公安さんは、大変だね。休日にまで出勤とは。
「事件持ってきてくれたの?。しょうちゃん。」
しょうちゃんというのは、大島をいじっておれがつけた小島を高倉さんが悪乗りで
「じゃあ、しょうちゃんにしようぜ。ニックネーム」
と悪ふざけのつもりでつけたものだ。なんでそれひっぱるのとキレ気味のしょうちゃんは、苦虫を噛み潰したような顔をしている。所長は一切の悪意もなくそう呼んでいるので何も言い返せない。今日は天然な所長だからな。言い返しても、
「なんで、かわいいじゃん。」
とかわされるのがオチだ。それを学習しているのか、今日の要件を話出した。どうやら、前回の後始末の話のようで。
「ところでしょうちゃん。告白されたことはあるかい。」
大島の事務的な報告の途中に所長は切り出していった。
「へ、なんすか。」
高倉さんが子供、子供と茶化したときに、しょうちゃんがこう見えても恋愛経験は、豊富なんですからって言ったのを思い出したんだろう。所長は唐突だ。
「細田も、私もね。そういうのないんだ。だからプロに聞こうと思って。」
さぁーてこの純粋な、所長の言葉になんてかえすんだ。おー、しょうちゃん困ってんな。お目々ぐるぐるだ。プロじゃないとはいえないからな。どう逃げる。
「こー国語辞典にかいてるんじゃないっすか。」
「なるほどね。」
………なるほどね?所長ガチで言っとるんですかい。なるほどじゃないよ。ほら、しょうちゃんボケてやり過ごすつもりだったらか、あ然としちゃってるよ。
「で、どうやって引けばいいの。告白。」
馬鹿だね、国語辞典に愛の告白に必要な言葉なぞのっとるわけがない。
「まずは、告白する相手がどういう人か分析して、言葉の候補をしぼるんす。」
お、それっぽいこといってごまかすきだ。
「絞り込み機能とかあるんだ、今の辞書。」
「そうじゃないっすよ。」
「じゃあどうなの?」
あ、もう断念めの顔してやがる。しょうちゃんもう少し粘れよ。
「やっぱり、漫画に聞きくっす。」
「私お金ないよ、今週趣味に使っちゃたんだ。」
「奢るっす。」
「じゃあ日曜だからサンデー買おうね。出てすぐだし。」
そんなルールいつ決めたんだよ。てか、サンデーにのってるのか、愛の告白。というか、サンデーは水曜日発売だからな。日曜じゃないからな。
数時間後、戻ってきた彼らの手には、ジャンプが握られていた。来週号の。いいのかね月曜日まで12時間はまだあるんだけど。
「愛わかんないな。強者は愛がわからないことはわかったけどもう無理だ。ごめんなさいしにいこう。」
呪術○戦を参考にしてどうする。なんか他にもあるだろとは思うが。というか、最初からできないなら受けないでほしい。ごめんなさいなんて依頼主に言って納得するわけがない。
「細田、依頼人にあやまってきてね。ごめんなさいしたらゆるしてくれるとおもう。優しそうな人だったから。」
「それに細田喋るの得意だし。」
自分であやまってこいよ。まあ、自分が口下手だからおれが適任だろうっておもっていってるんだろうけど、責任を押しつけてるようにしかみえないからね。まったく、国語辞典で所長への皮肉の言葉を探してみますかね。と言っても純粋で天然の今の所長が皮肉だとわかる言葉なんてのってんのかね。国語辞典って役にたたんな。なんにつかえるんだか。
超探偵シリーズ言霊編、その1
どうしょうもないので小説を書きます。リテイク版。