希望しかない、、、そうだ本を読もう「第9回」空の境界 未来福音
前座
後輩が出来てから早数ヶ月、いかかがおすごしでしょうか。いまだに何の話をすればいいのかわからない今日この頃、悪戦苦闘しちょります。
ホンへ
さて今回は、6月4日に読んだ
空の境界 未来福音
作者 奈須きのこ
どんな作品
この作品は空の境界シリーズの外伝、引用していうならば
というわけで、空の境界ホンへを読んでいる人向けに書かれているものであり、ここから読むことは想定されていないものになっている。
じゃあなんでこいつからお勧めするのかだが、俺が一番好きだからに決まってるだろ。むしろこの話を読むためにホンへを全部読んでこい。または、こいつを読んでホンへを読んで、またこいつを読み直しに来て欲しいのだよ。
あらすじ
この本には爆弾魔と少女、同じようなものを持った2人の話が一つ。正確にいうと、少女の運命の出会い、その始まりとほとんどのおしまいを描いた話と爆弾魔と争う、本作の主人公両義式の話この2つがほとんど干渉しないまま進んでいる。元○○○の男が主人公の娘と組織からの依頼で人を探しに行くという話が一つ。そして最後に探していた人と主人公の出会いを描いた話がある。そしてどの話にも未来を見ることの出来る人が出てくる。
この作りが好きなんよ。前の話を伏線にしてのつながり方。ぼかされていた部分が見えてくるときの興奮。それがコンパクトかつ、奥深くまとまっている。たまらん。
閑話休題
その未来を見る力をどう使うか、どう使ったか。なくなる、衰えたときどうしたか。どの様に使われたのか。この部分もこの話を面白くする要因だろう。
この3つの話の良さを一つずつ伝えたいところだが、ネタバレに配慮していきたいので、最初の話と全体の感想を話そうと思う。
空の境界って
まず空の境界って何だよって話だが、直死の魔眼をもった主人公シキと
ヒロインの黒桐との物語である。え、直死の魔眼ってなにだって読んで字のごとくだよ。俺は、トンデモ概念が飛び交うミステリーものであると思うぜ。または、ポエムかな。(作者がそう言ってたし)
詳しくは、読んでくれと言うしかないが上の説明でほぼほぼこの本を読むことが出来るでしょう。
感想
最初の話
さて最初の話だが、トンデモ概念が飛び交うと話したように、未来を見ることで確定させる爆弾魔VS主人公の部分はひたすらかっこいいといっていいだろう。追い込まれていく爆弾魔、ミンチ肉みたいになる主人公そして、発動する魔眼それを殺すかと驚くが、筋は通っていると納得する。そして爆弾魔と対面した主人公は……とこんな具合ですすんでいく。4の所とか最高。
逆に少女の話は、バトルなんて起こらない。自分の悩みを相談できる人に出会い、その人に対して、○にますよといい、ありがとうと言われる。それだけの話。
未来視という異能をもったためのペナルティーそれを初めて人に打ち明ける。回答者となった我らがヒロインの黒桐。そこからの会話劇が一番の見所だ。残念ながらこれ以上ネタバレをすると、読んだときの感動が薄れてしまうが、先生と生徒、この表現がしっくりくる。説明で納得させるのではなく、少女が自分で納得出来るように誘導するための伏線。話のキーとなる未来視の解説まで盛り込まれているこの部分は、素敵で知的で何度も読み直してしまうほど。こころが、ばきゅーんてね。
黒桐と少女の心境が交互に描かれる2人の意識の差も面白ポイントだ。落ちも最初のほうの部分の伏線回収であり、これからどうなるのかと思いにふけることの出来るもので、いいっすね。そして物語は、焦点のあたっていなかった彼に向けられていく。
どうですかね。伝わってくれるといいんですけど、これが最初の話。
全体を見て
さてさてさーて全体通しての感想のほうですが、未来福音の名の通り、希望しかないというところでしょう。それは登場人物に言っているのだろうが、私たちにも当てはまる部分で、良い知らせを告げてくれている。未来は、まだ、希望と不安に満ちている。といってはいたが”いま”が見えたなら、希望がなくなることはない、もちろん不安もあるさ、こいつがないと希望もないのは、爆弾魔が教えてくれた。だからあえて、希望しかない…といっておこう。
最後に
ネタバレを極力しないで書いてみたもののこれで良かったのかは、不明だ。
こんな言葉でもこの本を手に取ってもらいたい熱量だけでも感じてもらいたい。
だからみんな空の境界を読もう。そして未来への福音を奈須きのこから受け取りにいこう。きっと”いま”が見えてくる。
河合聡:記事を書いた人。なんとなく黒桐を女性に、シキが男性に見えるように書いてみた。なんでそんなことしたのだろうか。
だまされてくれた人います?
ネタバレを添えて
未来視の設定が天才ですよね。人の退化した機能。測定と予測そして予言。
見た未来を確定させる測定。現在のありとあらゆるものから情報を引っ張り、起こることを予測する予測。論理も理論もない予言。この予測がだれでも出来ることでもあり、誰しもが抱える問題となっているのは、脱帽ものである。測定はうん、殺されて良かった。
ここ読んでるってことは読み終わった人だと思うんだけど。0/の部分最高だったよね。織に福音が送らるとは。
未来福音ってさ、むちゃくちゃ練って作ってるとおもうのよね。おもいっきりかぶってる話、月姫のなんかにあったし、まあ、きのこの中だと2番目にすきだな。え、一番??なんだろね~~~