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昭和的感覚の随筆・エッセイ

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昭和生まれの氷河期世代が令和の今をなんとなくの感覚でつかみ取った、あるいはつかみ損ねた事柄をつらつらと書き綴ります。
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#パソコン

親の老化を感じて

親の老化を感じて

親の老化を感じるのは、子としてつらいものがある。

かつては何でも自分よりうまく、力強く出来る、身近なスーパーマンだったのに。

今では、体の大きさも、力も、こちらの方が上になっている。

まるで、親の血肉を奪って自分のものにしているような罪悪感を、時に感じる。

そして、それはある意味ではその通りなのだろう。

その上に、親の衰えを見せられるのは、心に「来る」ものがある。

たとえばパソコン。

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寿命と母とパソコンと

寿命と母とパソコンと

 日曜出勤をしたために月曜日が代休となったので、部屋にこもりいつものように本を読んでいると、母親から連絡が来た。
 パソコンを買い替えたいから一緒に来てくれというのだ。
 五年ほど前だろうか、実家の母親のノートパソコンを借りた時、立ち上がるまでに五分以上かかり、そろそろ替え時だと言った時があった。
 しかし、メールを見るのや年賀状を作るだけだから特に不自由はない、そう母は言っていた。パソコンが立ち

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