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将来の夢を職業で答えるのは、なぜだろう

私がこれまでに、なりたい!と言ったことのある将来の夢は、とりあえず置いたものも含めて、ミニモニ、ブリーダー、管理栄養士、バリスタ、チーズソムリエ、である。

全部、うそではないし、全部、本当でもない。


今でも、「大学卒業後は何になるの?」と言われることはよくある。

そして、多くの就活をする友達は、業界で答えるようになった。「◯◯業界に入って、こんなことをして、あれをしたいかな」と。

でも、人生は仕事だけなのかな?と毎回思う。

もちろん、「人生は仕事だけじゃないから仕事はほどほどが良いよ」と言っているわけではない。


ただ、“職業”が“自分を表す全て”なのかということ。
自分の“アイデンティティの全て”なのかということ。

だって自分は、家族といるとき、友達といるとき、学校にいるとき、習い事の人といるとき、好きな人といるとき、バイトの中にいるとき、1人で集中しているとき、など。正直、誰といるかで自分の“役割”みたいなものはいつも違う。

そして、それら全てが“職業”と必ずしも結びついているわけではない。

それなのに、「将来の夢は?」という大きなことを、職業という小さな範囲で答えているから、きっと、自分を表すには違和感があったんだと思う。

だから、高校の進路を決める時に、「こんな人生18年やそこらで、将来決めるとか無理でしょ」が連発されていたのだと思う。


——それは、正解だよ。無理だよ。笑

だから、自分のアイデンティティを職業だけの中から見出そうとしていたことが、変な縛りをつくっていたのかな、と思う。

あともう一つ、夢を職業で答えることに無理があった理由は、社会の流れがはやいのに、“名前があるものから選んでいた”ということだと思う。

よくある、小学生がなりたい職業ランキングには、医者や公務員、スポーツ選手など、私たちが知っている職業の名前しかない。

なぜなら、ランキングができあがる過程で、小学生たちは、社会にはこんな職業があるんだ!と知ってから、「あれになりたい!」と言うようになるから。

でも、スーパーのお肉コーナーから魚を選ぶことができないように、

“選ぶ”という行為が、“すでにあるもの”を前提としている以上、この変化の激しすぎる社会で、今ある職業から選ぶことは、けっこう難しいと思う。

今でこそ、浸透しつつあるYouTuberは、かつて選ぶ対象ですらなく、今、Youtuberという“名前”が表に出てきてやっと、みんなのお仕事選択肢に仲間入りするようになったくらいだから。

だから結局のところ、“将来の夢”という大きなことを決めるときに、“職業”というから小さい範囲の中の、さらに今ある選択肢から“選んでいた”から、夢を職業で答えることに、違和感をもったのかなと思う。

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